法界寺 画像お借りしました
社会や国語で文学の作品と作者はよくあげられて、方丈記=鴨長明、徒然草=吉田兼好というのは、ほとんどの人が答えられますね。
でも、その原文を読むことは、高校生、いや大学生、社会人でもほとんどないでしょう。
わたしもしばらく読んでいませんでした。若い人が読んでも面白くない?かもしれません。
また、こんな話をする社会や国語の先生もいないかもしれません。
方丈記は短い文章です。作者が60歳ころなって、世の無常(平安末期から鎌倉時代の戦乱の時代)を感じて、大きな屋敷に住もうが、自然の災害や戦争で一夜で家屋敷は失ってしまう。そのようなことであればと山際に方丈(一辺一丈 いわゆる4畳半くらい)の小屋をつくって住むのです。
鴨長明は和歌集に選ばれる歌人であったが、不遇な人生であった。ただこの住まいに、
魚と鳥とのありさまを見よ。魚は水に飽かず、魚にあらざればその心を知らず。鳥は林をねがふ、鳥にあらざればその心を知らず。閑居の気味もまた同じ。住まずして誰かさとらむ。
という世を遠ざけた生活の境地を語ります。
徒然草は世のさまざまなようすを鋭く見た作者のエッセイ集です。
吉田兼好の価値観は、私欲、愛着を捨てて、スマートに生きたいというどこかダンディズムがあります。でも、どこかヒューマンな見方が救いになります。
最後の段に、兼好が幼い時、父に尋ねて、
仏とはどのようなものでしょう?
仏は人がなる。
どうやって仏になりますか?
仏の教えによってなる。
その仏を教えた仏は何が教えましたか?
と尋ねつめると「空よりふりけん、土よりやわきけん」と笑った。
父は「問い詰められて、答えられなかった」と人に話したと終わっています。
全部を読むのはたいへんですが、文献を読むことも良いのではないでしょうか?
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