JONメンバーからのお知らせ

JON(日本アウトドアネットワーク)メンバーからの
さまざまなお知らせをご案内しています。

くりこま高原自然学校から

2010年12月27日 | Weblog
雪・雪・雪・雪・・・・4日連続の雪。全国的にクリスマス寒波でJONの皆様は十分な雪に恵まれて冬休みのプログラムも順調なことでしょう。
さて、JONの運営委員持ち回りでブログ書き込みを命ぜられ、3番手の私の書き込みです。
書き込みが遅れてしましました。ご勘弁ください。

2年半前に岩手・宮城内陸地震で被災をし、JONの仲間の皆様に多大な支援と励ましをいただきました。改めて御礼を申し上げるとともにその後の復興の状況と近況のご報告をいたします。

2008年6月14日に被災し行政命令で〝避難指示〟が出され、くりこま高原自然学校の活動の拠点を失いました。自然学校がある耕英地区の全戸、全住民が25㎞離れた岩ケ崎(私自宅家族がいる地区)にある避難所に避難をしました。自然学校は震災当時スタッフ10名、寄宿生10名の20名いましたが、2週間後の6月30日に岩ケ崎近くの松倉地区の民家を借りで里山の中での生活をスタートさせました。自然学校の事業を山では展開できない日々が続き、避難した松倉、スタッフの一人が住んでいた文字の民家、そして新たに北上川自然学校を立ち上げ、3拠点で再生に取り組みました。
何とか、この2年半の間に新しい役割を見出し、新しい事業化に取り組んできました。
震災から2年たった今年の春に、ようやく何の制限もなく誰でも耕英地区に立ち入ることができるようになりました。
最後まで通行止めだった県道もこの秋全面開通をして、震災前の道路状況にほぼ戻りました。

したがって、私もこの夏から、2年ぶりに山に戻りました。震災によって山の拠点を失いましたが、新たに3つの拠点を作り、今では全部で4つの拠点で展開をしています。震災前は一つの拠点で10名のスタッフが活動していましたが、今は4つの拠点でそれぞれ2・3名づつのスタッフに分散をしました。一つ一つの拠点はパワーダウンしていますが、今後それぞれが力をつけていけるように当たらな事業展開に挑戦をしています。

くりこま高原自然学校が展開しているおもな事業を紹介します。
■農的な暮らしの創造・・・・ESDを意識して、その実践を見せる。
畑・田んぼで、米づくり、野菜作り。家畜を飼う、馬・ヤギ・ニワトリ・ウサギ、犬。エネルギーは薪、薪ストーブ・木質ペレットストーブ。


■寄宿制度「耕英寮」山村留学事業、不登校・引きこもり・ニートの自立就労支援事業。
現在中学生が3名山村留学で受け入れている。不登校引きこもりニートは随時受け入れを行い、スタッフと寝食を共にし暮らしを創造するという作業をしながら彼らの課題の解決の支援を行っている。
毎年2月に国立赤城青少年交流の家で行われる「自立支援者のための研究交流フォーラム」にかかわり全国の同じ活動をしている方々ととものにこの領域にかかわっている。

■森のようちえん・・・・2005年に「森のようちえん全国交流フォーラム」をくりこま高原自然学校で開催し、この年からくりこま高原自然学校でも森のようちえんを開設してきた。全国フォーラムはその後毎年開催され、2010年は6回目を数え11月末に山梨県清里で開催した。全国から400名を超える方々に参加していただきネットワークの広がりを感じている。くりこま高原自然学校の事業の中でも「森のようちえん」の参加者は増加している。


■日韓子ども交流キャンプ・・・・日韓併合100年という、日本と韓国の過去の不幸な歴史の中で、宮城県出身の千葉十七と布施辰治を通じて市民レベルで交流をしてきた。日韓の両国とアジアの平和を願い過去の歴史の翻弄された彼らの思いを次代を担う子どもたちに繋げなければならない思いから、今年の夏に韓国の子どもたちを受け入れ交流キャンプを実施した。来年は日本の子どもたちが韓国を訪問して交流するキャンプを企画している。


■J-VER(CO2排出権取引)・・・・地球温暖化、CO2排出問題。自然学校は常に環境の問題を意識してきた。化石エネルギーから新しいエネルギーへの転換。栗駒は森林資源が豊かにある。林業が斜陽化し疲弊して久しく、林業関係者には明るい意識がない。ここで意識改革をお越し日本の森林再生にかける方々とつながって動きはじまました。「木質ペレット」の普及・・・。昨年内閣府の「地方の元気再生事業」に手を挙げ、栗駒山麓の森林資源を活用するための活動を続け、地域の製材所と一緒に「日本の森バイオマスネットワーク」を立ち上げ活動を始めています。100年先の森林を育てるために森林をエネルギー資源として循環させる活動です。この活動に多くの方々も共感をしてもらっています。栗駒よりも先行して取り組んできた新潟の仲間の動きでは、先の11月20日に新潟でMore tree の坂本龍一さんがJ-VERに調印していただきました。全日空のANAも企業の社会貢献として加わっています。

■田舎で働き隊・・・・日本エコツーリズムセンター(ホールアースの広瀬さんが代表理事)が農林水産省の「田舎で働き隊」事業を受け、この事業の受け入れ先としてくりこま高原自然学校が手をあげました。昨年は2名受け入れました。
■WWOOFFerの受け入れ・・・・汗をかき労働を共にすると、コミュニケーションも弾み創造的になります。くりこま高原自然学校には世界中から頼もしい若者が集まります。





スキープログラム実施中!

2010年12月27日 | 活動の報告

こんにちは JON広報担当:小山です。冬休みがスタートするぎりぎりまで心配させられましたが、各スキー場とも24日からの寒波到来で多くの降雪があり、予定通り冬休みのプログラムを実施中のことと思います。私のところは長野県の斑尾高原で首都圏の会員向け(上の写真)、同じく白馬で関西圏の会員向けプログラムを実施中(私は都内の事務所で留守番中)。各団体とも事故なしでプログラムが完了し、めでたく新しい年を迎えられるよう祈っています。

さてこの写真△は今年4月、新潟県でヘリスキーのお客様を案内した時のもの。昨年からヘリスキー体験をコーディネイトする仕事を頂戴していますがその時のひとコマです。<写真提供:東邦航空㈱>

幼児キャンプ 大自然に“い~っぽ”

2010年12月13日 | Weblog
 中能さんより引き継いでブログを書く国立花山青少年自然の家の久保田です。花山に来て2年目になります。くりこま自然学校の佐々木氏とよく話をし、お酒を飲んでいます。
 さて、ブログを1週間担当と聞いていたので、毎日書くものなのかなあと心配していたのですが、中能さんが森の幼稚園のことを紹介していたので、私も、幼稚園つながりで、今年、9月18日~20日に当施設で実施された「幼児キャンプ 大自然に“い~っぽ”」の事業を紹介することにします。


  
 この幼児キャンプは、幼児よりはむしろ、親に焦点を当てた事業と言ってもいいと思います。そのため、親の参加を子どものキャンプ参加の条件にしました。子ども達が自然の中で夢中で遊んでいる中、親達が子どものことを思い、子どもとの接し方を考えていくような親向けのプログラム(仕掛け)を作りました。

仕掛け1
 幼児と親とは、自然の家の中の敷地内にはいるのですが、別な場所で別なプログラムを実施するようにしました。親に対する依存心を持たないよう、子ども達には親が近くにいることを知らせず、幼児自らの力で3日間過ごすようにしました。
 子どもにとってもそうですが、親にとっても子どもと3日間、離れるのは初めての体験です。子ども達も夕方になるとホームシックにかかり、泣くこともありましたが、親も子も、3日間会わないとことで、それぞれ成長するのだと単純に思いました。


 キャンプ前のお別れのシーンです。


 そして、キャンプ最終日の再会のシーンです。
 親の方に大きな学びのがあったように思います。


仕掛け2
 親達は、見つからないように子ども達を観察します。
 子どもが御駒山登山をしている時には、親は、子どもと同じ体験した後、木の陰から子どものがんばりを見守ります。子ども達に見つからないようにするのは大変でしたが、子どもの真剣さとがんばりに大いに感動していました。



 また、沢遊びでは、スタッフがビデオを撮り、夜は、講師の馬渡氏を迎えた「子育て座談会」において、ビデオで子ども達の様子を見ながら、子どもの発達や親の関わり方という観点から学びました。

 沢遊び


仕掛け3
 親同士で子育てに関して情報交換する場を設定しました。
 夜、たき火を囲みながら、ちょっとお酒も入り、日頃の子育てについての様々な情報を交換します。父親が積極的だったのが印象的でした。




仕掛け4
 最終日には、子ども達がビザやケーキを作り、昼食パーティーにお父さん、お母さん達を招待します。子ども達は、パーティー会場の飾り付けをしたり、3日間の思い出を絵に描き、お父さん、お母さんに楽しそうに説明していました。

 

3日ぶりに再会するどの親も子も喜びに満ちあふれています

 この3日間は、「親が子を想う」時間であったのではないでしょうか?
 普段、子どもに対して、簡単に手や口をだしていまっていることや子どもの話を真剣に聞いていなかったりすることなどをふりかえり、「我慢すること」「待つこと」「真剣に向き合うこと」などを親は学びました。
 この企画は、第2段冬バージョンとして、1月に1泊2日で雪上で実施する予定です。
 その時には、また報告できればと思います。

大人の森のようちえんin八ヶ岳(2010)

2010年12月07日 | 活動の報告
こんにちは、ひの社会教育センターの中能孝則(Takanori Nakayoku)です。
石井委員長よりブログに投稿してほしいと声をかけていただきました。
そこで、私ども財団法人社会教育協会・ひの社会教育センター主催しています。森のようちえん八ヶ岳で大人バージョンを担当しましたのでその時の様子を紹介させていただきます。
場所は八ヶ岳清里高原(2010.9.11.~12)

<11日のランチ>
はじめに
 参加者は二家族(大人3名、子ども2名、日野市と港区)と少ない中で、宿泊型としては初めての森のようちえんを清里高原で実施しました。
 財政的にはとても実施できる状況ではありませんでしたが、プロジェクトのメンバーにも宿泊型の森のようちえんを体験してもらおうと、実施しました。

1.ちょっとリッチなランチを楽しむ(11日、11:20~15:00)
 参加者の大人3名と職員2名は、子どもたちを見送った後ランチを楽しむためにキャンプサイトへ移動する。
 風が木々を揺らす音や木漏れ日の漏れるサイトの雰囲気は最高で、何かとせわしい日々の生活から解放されて、その雰囲気を味わうだけでも満足されている方もいらっしゃいました。


(1)メニュー(資料添付)

*メインディッシュ:ダッチオーブン料理、ローストチキン
*スープ:スパイシースープ(男の料理教室の先生よりレシピを提供していただく)
*ごはん:土鍋で炊いたご飯を楽しむ
*アウトドア用のパーコレーターでコーヒーを楽しむ

(2)取り組み方
*今回料理するすべての資料を渡し、内容と手順、作り方、役割を説明(お願い)してひとり一人に責任を持ってもらう様な雰囲気を作って取り掛かる。
*お母さん:ごはん炊きとダッチの下ごしらえ、スパイシースープづくり。
*お父さん:ダッチオーブン関係。(含:火お越し)
*基本的にはこちらがイニシアチブをとりながらも、参加者ひとり一人が「自分が主人公」という雰囲気になるように心がけた。

(3)参加者の様子
*3人とも今回のようなアウトドアでの料理作りは初めてとのことで、全てのことに興味津々で楽しそうに取り組んでくれました。
*特にお父さんは、料理そのものが初めてとのことでしたので、まずはバーナーを使っての炭おこしをお願いしました。最少は恐る恐るといった感じでバーナーも途中で何度も消えるなど悪戦苦闘していましたが、慣れてきたらスムーズにいくようになり、最後まで責任を持って取り組んでくれました。(最後は自信満々の笑顔に変わりました。)
*アウトドア料理ということで、全体的には少々アバウトな雰囲気も大切にしながら進めましたが、その雰囲気が楽しさにもつながったのかみなさんルンルン気分の感じでした。手慣れたものである。しかし日頃の家庭料理とは違った雰囲気も楽しんでいました。

*時間がたつとともに、アウトドア料理の器材やグッズなどにも興味がではじめ、
「これはいくら位ですか」
「これはどこで購入できますか」
「誰でもできますか」などの質問が出始め具体的に説明すると、
「はまりそうですね」とアウトドアへの関心は高まっていったような感じでした。
※このような活動がきっかけになりアウトドアの活動を楽しんでいただければ最高ですね。
*出来上がったものは、さっそく味見を楽しんでいただきました。


(4)食事会
*午後1時過ぎ、ちょっと遅れたランチを楽しんでもらいましたが、周りの雰囲気も手伝って、手作りの料理を楽しむことができました。
*みなさんそれぞれに
「とても美味しい」
「来てよかった」
「周り仲間にもこの雰囲気を伝えたい」と話され、自分たちで作った料理をそよ風がささやき、ゆったりとした時が流れる中で楽しんでいただきました。
*今回のダッチオーブンは素材の味を楽しんでいただくことにして、鶏肉以外は味付けをせずに料理しました。その結果、
「玉ねぎがこんなに甘いとは」
「ニンジンやジャガイモの本当の味を知りました」
「子どもたちにも食べさせてあげたい」等、話は盛り上がり、残るのではと思っていた料理がすべて完食と思いがけない結果も出た様に思います。
*「ここまでしていただくと、私たちだけではもったいない」、「一人でも多くの大人にこのような雰囲気を味わってほしい」等、これからの取り組みについてのご提案などもいただくことができました。
*とても和やかな雰囲気の中での食事会は、普段味わうことのない空間を醸し出し、初めて会った人と思えないほど親しくなり、まさに「同じ釜の飯を食う」効果が最大限に出ていたように思います。


(5)誰でも詩人になる雰囲気
*食事の後は、アウトドア用のパーコレーターで入れたコーヒーを楽しんでいただきながら、のんびりとした雰囲気を過ごしていただきました。ふと耳を澄ませれば風が木々を揺らす音も聞こえたり、木々の間から太陽が降り注いだりする中で、
「ア、風の音が聞こえる」
「さわやかですね」
「この雰囲気は自分に合っていていいですね」
「とても贅沢な空間ですね」
「緑がとてもきれいですね」
「花の色も一段と鮮やかに見えますね」
「いつもより太陽がまぶしいですね」等、いつの間にか自然の持っている豊かで大きなパワーに癒されている雰囲気が漂っていました。

*お父さんからは
「100%リフレッシュできました、このようなことは初めてです」
「ダッチオーブン料理は本当に楽しく美味しかったです」
「この雰囲気は本当にいいです」
との感想が出るなど、人間の心が素直になったときには、誰もが詩人にでもなったような言葉が次から次へと出てくるような空気に包まれていました。

*本来人間は、大人も子どもも、自然の懐に抱かれて、自分の心が自然体になったときには、ごく普通に詩人になるのではないだろうかと思いました。


(6)皆さんの声とこれからの課題
*今回参加された方からは
「次回はいつですか」
「来年ですか、もう少し早めにできませんか」
「この人数では採算が取れていないと思うのでもっとPRしてください」
「どのようなPRをされているのですか」
「この様な内容を都内の人に伝えると間違いなく集まると思います」
「都会の人はこのような活動に飢えています」
「集合時間が10時だと都内からは参加しづらいので、午後1時にするともっと集まると思います」
等さまざまご提案をいただくことができました。

*また、ひの社会教育センターそのものにも興味を持たれ、
「どのような活動をされているのですか」
「大人が参加できるこのような活動はあるのですか」
「どこからでも誰でも参加できるのですか」
「親子で海外に出かけるプログラムはないのですか」等々さまざまな質問がありました。

※二日目はクラフトを楽しみました。今回は長くなりまいたのでこの辺で失礼いたしますが、チャンスがあったらまた投稿させていただきます。

<森のようちえんフォーラム2010の紹介>
※やはり、実践と合わせて学びあわなければとも実感しました。そこで、さっそく森のようちえんのスペシャリストでいらっしゃる。汐見稔幸先生を12月23日に日野にお迎えして
「都会の子どもたちにも森のようちえん体験を!」
(今なぜ森のようちえんが必要か)

というテーマで講演をお願いしました。
講師:汐見稔幸先生(白梅学園大学、白梅学園短期大学 学長)
ひにち:2010年12月23日(木・祝)
会場:ひの社会教育センター(JR中央線豊田駅下車 徒歩10分)
定員:100名(要予約)
参加費:2000円(学生1500円)

ご興味のある方は是非お出かけくださいませ。共に学びあいましょう。(早めの予約が必要です)
詳細には
http://www.hino-shakyo.com/ivent/moriyouchien/2010_winter.html
または、ひの社会教育センター 検索でお願いいたします。

お問い合わせは<財団法人社会教育協会>
ひの社会教育センター(中能まで)
電話042-582-3136まで

ひの社会教育センターの中能でした。
次方もよろしくお願いいたします。