ある日公開された、高校生の自殺未遂動画。
いじめを告発し、ある人を呼び出す内容の動画は世間に拡散されて話題を呼ぶ。
命をかけてまで動画を公開したかった高校生の思惑とは?
依頼を受けたたこいと研究会の高校生コンビの2人が、真相に迫るミステリーです。
まず、前作の『ドールハウスの惨劇』よりも増した主人公2人のコミカルな会話が面白く、シリアスな事件を追っているのか?と思うほどに、電車で読んでいて笑いました。
そして、このミステリーのテーマは「いじめ」で、過去のいじめ事件がどうも発端になっているらしいのですが、そのいじめ事件の詳細がわかればわかるほど謎だらけに。
それでも、最後の答えでなるほどと思えると同時に、まさに怪物のゆりかごという、タイトルにピッタリな内容だったなと思いました。
作者のあとがきで、いじめる奴は妖怪みたいなものだというニュアンスが特に秀逸だなと。
確かに、いじめのターゲットが嫌がることなら、なんでもするようなのがいじめる奴やもんなぁと思い出しました。
それは、確かに妖怪で、関わらないこと、逃げることが1番大事だというのは納得してしまいました。
そして、そんな人1人の人生を台無しにしたようないじめっ子(妖怪)がのうのうと生きている。いじめられた人が苦しい思いをしているのに。
何なら、幸せな家庭をきずいて生活してたりするんですから。
勿論完璧な人間なんていないし、いじめっ子だって改心もするだろうし、そのままの人間だというわけでは無いでしょうが…
いじめられた経験がある私も、私をいじめた奴が不幸だったら良いなとも今でも思うので、いじめって本当に誰も幸せにしないよなと改めて感じた作品です。
あれ?これ、ちゃんとミステリーの感想になってすかね?って思いながら。
※ブクログに掲載した感想を転用しております。
怪物のゆりかごの名前にふさわしく、いじめって眠っている怪物を目覚めさせることだようなぁと思いつつ、その怪物もより強い怪物に飲み込まれるということなんだろうなということを感じた作品。
いじめた過去は忘れても、いじめられた過去は忘れない。
そして、過去のいじめを許すのはいじめた加害者ではない。
そんなことを感じたミステリーです。
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