大好きな人

とても好きで、会いたくてたまらないけど、許されない恋です。 遠く離れています。その人に伝えきれない想いを書きます。

いつも藍色の中だった。

2016-10-18 01:02:00 | 記憶


あの交差点にキミが現れるのは、いつも藍色の中だった。

夕方の終わり、夜の始まり。キミはやたら下を向いて歩いていた。
重たそうなカバン、縦に揺れる歩き方、疲れた横顔は、横断歩道を渡る青信号の時、独り占めできる唯一の瞬間。

「どうして一人で歩いていたの?」

友達と分かれて、一人で遠回りをするキミを、遠くから発見するのが好きで、いつも家の敷地にあるフェンスに寄りかかって、通りを眺めているふりをしてたの。



キミにプレゼントをする時は、いつも藍色の中だった。

バレンタインのチョコレートは、電話で時間を約束してキミの家まで歩いて行った。
夜に書いたラブレターは、グランド側の校舎の隅に並べられた、鞄の中にコソッと入れた。

「本当は待ち合わせをして一緒に帰りたかったな。」

キミと帰りが同じ時間になる時は、10メートル歩いては立ち止まって、またゆっくり歩いては振り返り。
この道を歩くのが、本当に好きだったの。



いつも空を眺めていたわ。
キミが現れやしないかって、キミがこの空の下に必ず居るってわかっていたから。
キミを探すみたいに、藍色の空を眺めていたわ。









だから眠るなんて無理だしね。

2016-10-14 01:45:00 | 手紙


ドキドキしてるのが止まらないの。
だから眠るなんて無理だし、考えちゃって、どうしょもないんだ。

ずーっと、会えなかった二人が会う時は、どんな風がいいんだろう。

考える余裕がある時って、何を準備したらいいだろう。

髪を切りに行かなきゃ。
サプリも飲まなきゃ。肌のコンディションを整えなきゃ。
それに、少しでも体を引き締めて。
洋服を買わなきゃ。どんなの着てけばいいんだろう。
カバンも靴もクタってないだろうか。


待ち合わせ場所でキミを待っている時、何をしてよう。どんな顔でいたらいいんだろう。
キミを見つけたら、目を会わせられるだろうか。
キミの顔を1秒以上見られるだろうか。

最初は「こんにちは」?「久しぶり」?
「あんま顔見ないで」って言っちゃいそうだよ。

こわいよ。
久しぶりに会うって。
会いたいって何度も言ったけど、
会えないままなら、最後に会った私を好きなままで、ずっと居られるでしょ。

今の私を、好きと言ってくれるだろうか。

会って、話をして、今まで聞けなかった事と話さなかった事を話したら、気持ちはどんな風に動くだろうか。

でもそれをしに行くんだよ。

今また一度、確かめに。

キミを好きだと確かめに。
キミの愛ってヤツを確かめに。


二人の間に流れる時間は、どんな早さになるだろう。
どれ程近くに寄れるだろう。
手を繋げるかな。
キス、してくれるかな。
どんなタイミングで、私を抱き締めてくれるのかな。

私は、気持ちを保つために、何か一つ決めようと思ってて。
この言葉を必ず伝えようとか、これだけはしようって事を。
そうゆうので自分を保てる気がして…。

それを何にするか、、、
ボーッとしながら考えている。
だから、
ドキドキしてるのが止まらないの。
だから眠るなんて無理だし、どうしょもないんだ。

キミもきっと今、いつもの夜空と景色を見ながら考えているんでしょ?
私ももう少し考えてから寝る。

ずいぶん前にキミとおやすみをしたけど、
もう少し、キミがお布団に入る位の時間まで、
私もキッチンの隅のテーブルで、お酒でも飲みながら、色々考えている事にするね。









最高に特別

2016-10-12 01:34:00 | 手紙

私はあの日を信じているよ。

それから、
さっき話したキミとの言葉も、
信じるよ。

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『君は俺の人生で特別の中の特別なんだよ。』

窓の外に見えた花の葉は濃い緑色だった。
紫や薄ピンクの花は、毎年いつの間にか咲いていた。
お日様に照らされたキミも、
そよ風に髪がゆれたキミも、
全てが一つの景色だった。

私達の特別な時間は、その日も、またその日も続いていたのに、全てが一瞬で消えてしまった…。

途絶えて消えた特別は、
無くしてしまった特別は、
触ること等決して出来ない、
遠くに遠くに描くだけで、
それはもう、特別の中の特別。

『君には知っていてほしい。全ての事の本当のところを。』

毎日歩くこの道の景色がそこそこ良いって事。
日曜日の午前中のとあるルーティン。
あの時に動いた心模様と、
諦めと最大の覚悟と、
今のこの瞬間を。

私達のこの先に、未来を描こうってゆうのなら、この目でその声で、そして肌に触れて。

君は特別。
キミは特別。
だからいいんだ。
だからいいの。
特別の中の最高に特別な存在なんだ。