横浜野音の奇蹟 / V.A. (Super FujiDiscs) 4CD
郡山で行われた大規模なロックコンサート「郡山ワンステップフェスティバル」の数日後、1974年8月16日横浜野外音楽堂で行われたイベントをカセットデンスケで録った音源をCD4枚に落としたセット。
ワンステップでも同じ曲が聴けたダウンタウン・ブギウギ・バンドでスタート、ミッキー吉野グループ、ニュー・ゴールデン・カップス、ジョン山崎、加部正義等によるセッションバンド、パワーハウス・ブルース・バンド、エディ潘とオリエント・エクスプレスと横浜本拠のバンドが勢揃い。
この勢揃いというのがキモで、一聴、何とも云えない優しいというか穏やかと云うか一体感があるというか、友好的な雰囲気が全体を覆っているなぁと。これは各バンドメンバーが若かりし頃から日常的に活動を共にし友好関係を保っているという横浜独特の地域性からきていることに他ならないわけで。
これは実際に何度か経験している日比谷野音での同様のイベントの各バンドが勝手気まま、友好ムードなど皆無、殺伐さえも感じたという雰囲気とは大違い。
ということで、各バンドの単独演奏を聴いただけでは分からなかった、集結したことによって生まれるこの全体を覆う60年代からメンメンと続くあの時代の横浜でしか味わえない独特の雰囲気を感じられたのが、各バンドの演奏がどうのと云うよりも、何よりも嬉しかったセットかなぁ、と。
横浜野音の奇蹟 [Official Trailer]
当時の音楽イベントを沢山聴いてこられた氏ならではの感想で、大変参考になりました。
是非、購入したいと思います。
当時の音楽イベントは「各バンドが勝手気まま、友好ムードなど皆無、殺伐さえも感じたという雰囲気とは大違い」というのはバンド側だけでなく、観客側もそうだったんですかね?
シュガー・ベイブ辺りもイベントによっては、「観客の当たりが強かった」ような事を聞いたような・・・
そんなことで、ちょっと大袈裟に云うならばこのCDでこの時代の「横浜音楽シーン」を初めて垣間見た、そんな印象でした。
横浜野音は1976年に今回出ていたジョン山崎のスクール・バンドを聞きに行ったことがあります。確かにいろいろな連中が集まる日比谷野音と違ってもっとリラックスしてフレンドリーな会場でしたね。
横浜の連中のきままな雰囲気は関西の連中同様、絶対東京のシーンとは異なった個性があります。
地域密着というか土着性というかそんな概念がまったくない日比谷野音での烏合の衆のコンサートは逆に特異なものだったのかもしれませんね。
「デンスケ」って、今の人には何のこっちゃ? でしょうね。