The Colorful Ventures / The Ventures (Liberty) 1LP 1962
本国では1961年10月発売の4作目。そのタイトル通り「色」に関連した曲ばかりを集めた企画盤。
ですが、今回入手したこの東芝盤こそ日本で初めて発売されたベンチャーズのアルバムとなります(1962年)。お披露目なので敢えてでしょう、1曲目は米盤収録の"Blue Than Blue"をカットしてすでに日本ビクターからシングルが出ていた"急がば回れ"を収録してあります。
ジャケットにはドン・ウィルソンとボブ・ボーグルのみ写っていますが、録音にはノーキー・エドワーズ、ハウウィ・ジョンソンは参加しています(この時期この二人はグループを離れていたからだそう)。
色関連曲を集めたということでオリジナル曲(イエロー・ジャケットとオレンジ・ファイアの2曲)、映画音楽、フォーク、ラテン、ジャズ、と多彩な曲を取り上げていますが、これを見事にベンチャーズスタイルに。これぞベンチャーズの真骨頂、この当時から揺ぎ無し。ノーキーのギターも八面六臂の大活躍。
で、この東芝盤、定価1,500円、モノラル盤。ライナーは当時ジャズ評論を多く書いていらした青木啓さん。「このLPはポピュラー・ミュージック・ファンの皆様に贈る、まことに楽しいギター・アンサンブルの好アルバムです。」から始まり簡単なバイオ、メンバー紹介、曲紹介が書かれています。
蛇足ですが、東芝さん、1969年に「カラーフル・ベンチャーズ」なる同タイトルのアルバムを出しています。内容はまったく違います....なんでまた?
ここでかつて取り上げています。
https://blog.goo.ne.jp/jahking/e/593a275e60ba0406a31553c908ed3298
Side A
急がば廻れ
ブル-・ム-ン
黄色のジャケット
セレソ・ロサ
遥かなるアラモ
ブル-・スカイ
Side B
グリーン・フィールス
レッド.トップ
ホワイト・シルヴァー・サンド
イエロ-・バード(黄色い小鳥)
オレンジ・ファイア
シルヴァー・シティー
イエロー ジャケット
オレンジ ファイアー
Silver City
Red Top
これが日本でのデビュー盤(しかも赤盤)とは初めて知りました。地味な日本デビューです。
しかも「急がば回れ」まで入っているとは。当然1962年時点でこの曲が大ヒットするとはだれも気がつかなかったでしょう。その「急がば回れ」もシングルでビクターから出ていたとは、リバティは最初ビクターとライセンスを取り交わしていたわけですね。
とは言ってもベンチャーズが日本で大ブレイクまで3年も要したとは意外と時間がかかったことがわかります。ジャケットの二人が初来日した1962年もまったく注目されなかったわけですね。
この記念すべき日本デビュー盤のライナーノートを書いた青木啓さんはジャズでもボーカルの専門家でした。今もジャズ評論で活躍している青木和富さんとよく間違えます。
ベンチャーズのレコードも同じ頃ジャズのスィング・ジャーナル誌でイージーリスニング・コーナーで取り上げられ、中村とうようさんがディスク・レビューをしていました。(低評価でしたが。)
確かに地味なアルバムデビューですね。"急がば回れ"は60年にビクターからTop Rankレーベルで出ています、Libertyとの直契約ではなかったのですね。
ここに載っているのがそれです。
https://www.youtube.com/watch?v=iCCQhD_Ui-w
因みに東芝からのファーストシングルは63年3月の"ロコモーション/リボン・ロック"次が"テルスター/悲しき闘牛"で、これまた地味ですね。東芝からの"急がば回れ/イエローバード"は64年3月発売でこれが大ヒットしたのですね。
青木啓さん、そうそうボーカルの専門でしたね、ジャズを聴き始めたころスィングジャーナルでそのお名前をよーく見ていました。とうようさんがベンチャーズをSJでレビューしていたのですか、それはまったく知りませんでした。SJがベンチャーズをレビューするって「時代」ですね。
ウオークドントラン、イエロージャケットが良いですね。