講釈をたれる、という言い方がある。
大道に立ち、物語を語った講釈師。
ストリートテラーだ。
さらにさかのぼれば、記紀の時代からであるという研究者もいるという。
講釈師は、明治に入り、講談師と呼称するようになる。
出版社の講談社は、元はといえば、講談を速記したものを元に原稿を起こし、売り出した。
それほどに売れていた、華々しい伝統芸。
新聞の連載小説も、元はといえば講談が連載されており、山岡荘八などの歴史小説が、そこから生まれていく。
歴史、時代、人情、伝えるべき物語を語り継ぐ、講談師。
だから、講談の世界では、師匠ではなく先生と呼ぶのだそうだ。
高座から講釈する、先生なのである。
高座には、はり扇が、お供。
これは、始まりにひとつ、時や場面の移り代わりでひとつ、と叩く。
次が出てこず忘れたときには、三つ打つ、といわれているとか。
しかし、あの勢いのいいリズム感が、話芸を盛り上げ、気分を高揚させる。
教えてくれたのは、静岡市で育ち、チビ鶴として田辺一鶴の元で修行を積んだ田辺駿之介。
◎田辺一鶴 http://www.tanabekakuei.net/top_info/ikkaku_02.htm
◎田辺駿之介 http://www.koten.co.jp/shunnosuke/
声を出す楽しさ、覚える面白さ、ストレス解消のリズム感、長生きの秘訣の長い息、
日本の伝統芸の講談を、講談道場として月に一回、ご当地静岡市で開催することに相成った。
これがなかなかに、愉快そうなのである。
演目もさまざまながら、まずはこれができれば、すべての講談の様子を身につけられるという[三方が原の合戦」。
それだけに難しいが、少しずつ進めれば、一年あれば大丈夫、という。
もちろん、覚えるための初歩の初歩であることろの、しりとり言葉の練習もあるそうだ。
これがまた独特で、終わりの言葉が始めの言葉になっている。
永遠ループのこれこそが、本来のしりとりなのだと駿之助さん。
はあ、へえ、ほお、ふうん、の大連続。
大丈夫かしら、と思ったが、大人も子供も一緒にできるというくらいだから、
声を出して、表現して、楽しむ、と思えばよさそうだ。
職業や物売りの、独自の語り口というのは、確かにまねをして面白い。
ちょっくらちょいと、行ってみることにしようかえ。
田辺駿之介の講談道場
~初回は、開場記念講談会があります~
◆9月27日 日曜日 午後1時から
◆大人/2000円 子供/百円
*入会金・年会費、一切ナシ
◆持ち物/ご自宅にある、扇子状のもの
◆問/03-3681-9976 090-1463-0682
◆会場:宝台院 旧アソカ幼稚園2階講堂
静岡市葵区常盤町2-13-2 ℡054-252-1090
◎古典空間
http://www.koten.co.jp/
張扇の作り方やしりとり言葉などの基礎、講談創作のコツを講義する。
「演芸好きだけでなく“脳トレ”をしたい人や歴史好きなど、いろいろなきっかけで参加してほしい」という。
◎講談もっと気軽に 田辺駿之介さんが「道場」 静岡新聞
http://www.shizushin.com/news/culture/shizuoka/20090924000000000026.htm
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