新聞等で水泳指導をスイミングクラブなどに移行する地域があることを知りました。
下記のような水泳でつまずく児童は、普段の生活と水泳を結びつけて考えられる学校の得意分野にように感じます。
学校の水泳指導とスイミングクラブなどの水泳指導がうまく連携できると良いな感じます。
「水が怖くてプールの時間が心配だという児童」
「顔を親に拭いてもらっていた児童」
「水に溺れかけ、水を怖がっている児童」
「五年生のときに、夏休みに泳げるようになった女子児童」
「六年生で泳げるようになった児童」
『教育状況の困難さ、ゆとりのなさが報道されています。
かなり昔の事例なので参考になるかわかりませんが、ゆとりをもって指導できた例です。
一年生の児童の例(その一)
就学時健診で親から相談があり、水が怖くてプールの時間が心配だということでした。
事前の相談があったので、教師と児童一対一で対応できました。
(1)水泳指導一回目
保健室に残った。
(2)水泳指導二回目
平服で、プールサイドに行けた。
(3)水泳指導三回目
水着に着替えることができた。プールには行けなかった。
(4)水泳指導四回目
水着に着替えて、プールの入り口まで行けた。中には入れなかった
(5)水泳指導五回目
プールサイドにすわることができた。プールに足を入れることができた。
(6)水泳指導六回目
先生が抱っこして、水に入ることができた。
一学期は、ここまでで終わりました。
夏休みのプールは、出席することはできませんでした。
二学期になって自分からプールに入ることはでき、みんなといっしょにプールを楽しむことができました。
ずいぶん昔の、まだ学校に十分ゆとりのある時代の実践例です。
事前に情報がなく、あせって対応すれば、きっと水がキライになっていたでしょう。
一年生の児童の例(その二)
家庭訪問などで、保護者が担任に相談してきました。
「顔を拭いてあげたり、靴下をはかせてあげたりしていた。プールでの水泳指導についていけるか心配です。」
家庭での水慣れ練習プリント(注)を渡しました。
プール指導が始まるまでに家庭で相当がんばったらしく、何も問題なく楽しく水泳指導ができました。
相談内容に見られるように、もともと愛情たっぷりのご家庭でした。
異動した別の学校では、校長からの意見で、「家庭での水慣れ練習プリント」の内容が変更、削除がおこなわれました。いろいろありました。
(注) 各家庭、保護者への協力呼びかけ、プリント例は、本ブログの
『家にも「ワニ歩き遊び」ができる浅いプールがある(もっと気楽に楽しく小学校体育・伝統的体育学習形式)』
を参照して下さい。
一年生の児童の例(その三)
「水に溺れかけ、水を怖がっている」
と、保護者から相談を受け注意して見守りました。他の児童と同じように学習できていました。
事前の児童に対する知識は、安心して指導できる必須条件です。
《五年生のときに、夏休みに泳げるようになった女子児童の例》
四年生まで水に浮けませんでした。
泳げるようになりたいと自覚し、夏休みに学校のプールに通い、泳げるようになりました。水泳が好きになって、スイミングクラブにも通うようになりました。
高学年になると、恥ずかしさなども強くなり水泳から逃げる児童も多くなります。逆に、このような強い意志を発揮できるのも高学年児童の特長です。
《六年生で泳げるようになった児童の例》
知人が小学生のときに経験した同級生のことです。
耳の病気のため、五年生までプールに入れませんでした。六年生で初めて水泳指導を受けました。そして、泳げるようになりました。頑張り屋の児童です。
当時の東京都世田谷区D小学校は、男子の水着が赤フン(!)でした。25mを泳ぐ検定で、赤フンがほどけたのに最後まで泳ぎきりました。先生もプールサイドの友だちも声をからして応援しました。
きっと本人も、見て応援した友だちや先生も一生忘れられない思い出になったことでしょう。
水泳指導は、いろいろドラマが生まれるところです。
でも、ゆとりがないとむずかしいですね。』(注1)
(注1)本ブログ前掲
「水泳指導のゆとり」
(参照)
「顔を親に拭いてもらっていた児童の水泳指導」
実践や教材研究の何らかのお役に立てば幸いです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます