以前から私の理系音楽家としての好奇心をくすぐるテーマが、遠くまで届く音と近鳴りとは物理的にどう違うのかというのがある。なぜなら音のエネルギーは音源からの距離の二乗に反比例して減衰するという事実があるから。
自分自身は、アマチュアの中では音を遠くまで飛ばせる部類に入ると思っているが、ではどうやってそれを身に着けたのかというと、自分でもわからない。フルートの先生から言われたことはとにかく「遠くを見て、遠くへ飛ばすつもりで」だけだった。その結果、顎が上がって喉が開くのは確かなのだが。
やっとみつけたのが、新潟大学人文学部の宮崎謙一教授による説明「音響から音と音楽へ」である。オペラ歌手はなぜフルオケに負けないのか、電車の中や駅の喧騒のなかでどうして携帯電話の着信音がよく聞こえるのかなど、なるほど!と思える説明がなされています。ここから推察するに、やはり楽器にしても倍音が多い、つまり高周波成分を多く含むスペクトルにすれば、大きな音で吹かなくとも合奏の中でよく聞こえる音になるといえる。フルートにはおそらく当てはまるだろう。木製より銀製、銀製より金製のほうが音は通る。しかしホルンにそれは当てはまるだろうか。やわらかく奥行きのある音でも上手な人の音は合奏の中でも良く通る。
それ以外に一つ言える事は、楽器の中の空気を振動させるだけでなく、管そのものや喉、鼻腔、頭蓋など体を共鳴させること。共鳴させれば振幅は増幅される。
オケの中での音が通る通らないはこれで説明がつくが、しかしまだわからないのがソロの場合のよく飛ぶ、あるいは響く、あるいは抜ける音とそうでない音の違いである。単純な音源のエネルギーの差なのだろうか?
私の友人の凄腕ヴァイオリニストが「ヴァイオリンを鳴らしきる」と題してまとめています。ぜひ参考にしたいものです。
自分自身は、アマチュアの中では音を遠くまで飛ばせる部類に入ると思っているが、ではどうやってそれを身に着けたのかというと、自分でもわからない。フルートの先生から言われたことはとにかく「遠くを見て、遠くへ飛ばすつもりで」だけだった。その結果、顎が上がって喉が開くのは確かなのだが。
やっとみつけたのが、新潟大学人文学部の宮崎謙一教授による説明「音響から音と音楽へ」である。オペラ歌手はなぜフルオケに負けないのか、電車の中や駅の喧騒のなかでどうして携帯電話の着信音がよく聞こえるのかなど、なるほど!と思える説明がなされています。ここから推察するに、やはり楽器にしても倍音が多い、つまり高周波成分を多く含むスペクトルにすれば、大きな音で吹かなくとも合奏の中でよく聞こえる音になるといえる。フルートにはおそらく当てはまるだろう。木製より銀製、銀製より金製のほうが音は通る。しかしホルンにそれは当てはまるだろうか。やわらかく奥行きのある音でも上手な人の音は合奏の中でも良く通る。
それ以外に一つ言える事は、楽器の中の空気を振動させるだけでなく、管そのものや喉、鼻腔、頭蓋など体を共鳴させること。共鳴させれば振幅は増幅される。
オケの中での音が通る通らないはこれで説明がつくが、しかしまだわからないのがソロの場合のよく飛ぶ、あるいは響く、あるいは抜ける音とそうでない音の違いである。単純な音源のエネルギーの差なのだろうか?
私の友人の凄腕ヴァイオリニストが「ヴァイオリンを鳴らしきる」と題してまとめています。ぜひ参考にしたいものです。