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ミケマル的 本の虫な日々

9月の読書(5) 積読本&再読


9月も今日で終わります。
明日が中秋の名月だそうだけど、今日のお月様も綺麗❗️

 9月後半は新しい本を買うのを控えて、積読本(買って読んでない本)や再読をしていこうという方針でした。

『十四番線上のハレルヤ』大濱普美子
『江戸の恋』 田中優子
『新個人主義のすすめ』 林望
『君死にたもうことなかれ』茨木のり子
『樽とタタン』 中島京子



『十四番線上のハレルヤ』大濱普美子

 積読本の中から読みました。(積読本=買ったけど読まないで積んでおいた本)
日常と地続きの夢とも幻とも言えない異世界がえがかれていて、その境界線が曖昧です。それでいて暗い感じや怖いという感じよりも、懐かしさのようなものもある不思議な小説集。私は好きです。
 大濱さんはドイツで暮らしていらっしゃって、あまり詳しい情報はないようで、謎の作家さんなのかしら?




『樽とタタン』 中島京子

 中島さんの本は好きなので、文庫を見かけたので9月初めに買いました。
これもちょっと変わったお話だけれど、コーヒー店に来る個性的なお客さんが良い味があります。
主人公は外の世界が怖かった女の子。
子供の頃に、自分の家の外の世界が怖いという気持ちはちょっとわかるなと思いました。自分のテリトリーが家から外に広がる時期や程度ってその子その子で違うんではないかしら?と思いました。
 自分はどうだったかな?なんて考えました。


小説ばっかり読んでたら、新書系が読みたくなって一階本棚の本から再読しました。




『江戸の恋』 粋と艶気(いきとうわき)に生きる  田中優子
 
 田中優子さんは今は法政大学の総長をされています。
この本は江戸の文学、生活文化、比較文化が専門の田中さんの豊富な知識が感じられる本でした。
 恋という現象は変わらなくても、その受け止め方は時代や場所によって違うって事なんだなと感じました。江戸時代と今では命に対する感じ方も違っているので、江戸時代に多い心中物も今私たちが見る見方とは違うものだったのかと。

 江戸時代の文学や芝居には恋が溢れている。粋に通じ、人情にあついが良しとされていても、その恋の多くは成就せずに終わる物が多い。
 結婚も現実的なものであって、艶気による結婚(恋愛結婚)は珍しく、それは現実と恋は別々の物だから?恋は現実の世界でなく吉原のような仮想現実にある物であり、それが現実の世界にあると悲恋になるのか?
 その他にも男色文化は異質なものではなかったとか、早熟は良いものとされていたとか(大人になるまでに命を落とす子供が多い時代には元気で早く子供を作る事が大切)などなど色々と興味深かったです。
恋という切り口から江戸文化の深いところをちょっとだけ知ったように思いました。
 田中先生の江戸文化への愛と博識が感じられて、とても楽しく再読しました。


『新個人主義のすすめ』 林望

 こんなところにも林望先生が!(笑)
林望先生が欧米で生まれた個人主義の考え方と日本の伝統的集団主義的な考え方を考察して、これからの生き方として新個人主義を提案した本です。

 個人主義は日本では利己主義と受け取られたり、自分勝手と受け取られたりしがちだけれど、個人主義は自分も他人も尊重するので、利己主義とは反対の位置にある物であるという事。
欧米の個人主義をそのままではなかなか日本では受け取りにくい物だったために、未だに全体主義的な生き方からの移行はできていないし、それで苦しい気持ちで生きている人も多いのでは?
 どうしたら自分も他人も尊重して生きる事ができるか?という事を質問に答える形式で書かれています。

 私も年齢を重ねるとますます自分は自分と思って生きようと思っているので、林望先生の言わんとしている事がよくわかりました。
 自分は自分の信ずるところをもって生活するが、自分以外の他人(家族も含む)も「一個独立の個人」として認め思いやる。
 そして、会話の時に自分の事ばかり話さず、人の話をよく聞き、威張らず、自慢しない、会話のセンテンスを短くする、など教訓になりました。


『君死にたもうことなかれ』茨木のり子

与謝野晶子さんが日露戦争に出征した弟のことを歌った歌『君死にたもうことなかれ』
出征した弟を思う心を率直に歌った素晴らしい歌ですが、当時反戦の歌として非難も浴びました。その非難にも毅然と対抗した晶子とその議論がきちんとできた明治の世は、後の第二次世界大戦時よりもずっときちんとした世の中だったように思います。

 この本はこの歌だけでなく、与謝野晶子という人の人間としての生き方を書いていて、とても良い本でした。
どうしても結婚に至るスキャンダル的な書き方をされてしまいがちですが、その後の晶子の人生が私はとても凄いと思います。
世間の批判を受けても自分の生き方を貫き、鉄幹を夫として愛し続け、子供を11人も!生みました。さらに、夫鉄幹の歌や雑誌の評価が下がってからは、歌を詠むだけでなく、批評、講義、源氏物語などの古典の訳本など、様々な活動で一家を支え続けました。
 こんなに凄い女性はちょっといないと思います。
そして、こんなにたくさんの子供を産んで育てたけれど、自分は母性のみに生きているわけではないとはっきり言っています。
その強さと精神に惹かれます。
 与謝野晶子さん好きだな〜〜と思い出させてもらった本でした。

晶子の詩「君死にたもうことなかれ」は今でも色あせない魂からの言葉です。
こちらのサイトなどでも読む事ができます。


 長くなってしまいました😅
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

 読書アプリ・ビブリアによると9月は22冊読んだそうです。
『のだめカンタービレ』25巻は入れていません。。。

10月も新しい本は買わずに積読本&再読を続けてみようと思います。
フラフラと本屋さんに行って買ってしまうかもしれませんが😉




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