不定期刊ZUBORA

思い立ったが吉日と思った瞬間やめたくなる、そんな日々の繰り言を綴る不定期刊行日録

日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

2008-08-03 10:37:33 | ジャーナリスト・ネットから
日曜日の定期コーナー。読売、毎日、日経、朝日の4紙から。
福田改造内閣の支持率を各紙が掲載。読売41%(前回26%)、共同通信社31%(26%)、毎日25%(21%)、朝日24%(24%)。相変わらずだが、この数字の違いが面白い。

朝日新聞「新聞と戦争」取材班著『新聞と戦争』(朝日新聞出版、2300円)/一ノ瀬俊也『宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争』(柏書房、9500円)/西尾幹二『GHQ焚書図書開封』(徳間書店、1700円)-読売-、評者・佐藤卓己。敗戦後63年目、戦争の八月が来た。「八月ジャーナリズム」ということばを評者は使っているが、これを恒例化してしまってはいないか。
朝日は紙面で「戦争と新聞」を昨年4月から掲載、それをまとめたのが冒頭の本書だ。評者は「出色の調査報道」と書き、「満州事変を勃発を契機とした『社論の転換』など、現在との対話として読まれるべき論点も多い」と紹介する。しかし、販売競争の中で「世論(空気)を反映する新聞」は実は脆いことも明かされている。朝日は敗戦後に社告で「先ず自らの戦争責任を明かにしなければならぬ」とした。与論(公論)をリードする新聞として、その責任の自覚はできているのだろうか。特権化していないか。

戦争終結を何で知ったのか。「玉音放送」をあげる人が多いだろう。しかし、南方地域の兵士たちは、放送などない。敵機がまいたビラで知った。こうしたビラを収集し、まとめたのが次の本である。マスコミ史の資料的価値がある。最後の本は、GHQ没収図書の解読である。没収図書の版元大手3社は、朝日、講談社、毎日だったという。この3書を取り上げた評者は最後に「メディアの戦後民主主義が占領民主主義、あるいは戦争民主主義の延長戦上にあることを忘れてはならない」と書く。

 コロコロと変わり身速く行く雲や、戦雲、暗雲、キノコ雲残し

今月の岩波新書、むのたけじ『戦争絶滅へ、人間復活へ』-日経短評-は、戦時朝日の従軍記者をしていたむのたけじの渾身の思いをインタビューの形で語りおろしている。93歳現役ジャーナリストの声に耳を澄まし、聴き取りたい。

今西光男『占領期の朝日新聞と戦争責任』(朝日新聞社、1400円)-読売-、短評の扱いだが、著者は元朝日記者。敗戦後、戦争責任を問われながらも、公職追放、レッドパージなどをくぐり抜けてきたか。資料検証をしている。公職追放になっていた社主もどり、復活していくが、その間に権力、資本、組合の絡み合いの中で「言論」を維持することの困難さが伝わってくると評している。前書に『新聞資本と経営の昭和史』がある。

ヘレン・カルディコット『狂気の核武装大国アメリカ』(集英社新書、777円)-毎日-、評者・田中優子。今の核兵器はヒロシマの77倍の威力だという。その核兵器の恐怖を思う存分味わえるよう、評者の冒頭書き出しは凄まじい。「…人間の体も建物から吸い出されて時速160キロで吹き飛ぶ…八〇キロ範囲で閃光を見た人は一瞬で全盲になる」。
評者は「本書の特徴は、このぞっとするような具体性である」と書いている。「日本語版への序文」で、著者は、「日本の軍事予算が世界第5位であり、北朝鮮脅威論のもとでアメリカは核兵器生産の合法化を迫っていることや、ミサイル防衛システム共同開発のための覚え書きに調印済みであることを指摘している」と。著者は小児科医だったが、スリーマイル島原発事故を契機に医者をやめ、反核運動家としての道を歩む。
来年度予算で2000億円の社会保障費の抑制がいわれている。日本の膨大な軍事費は多くは人件費だが、それに群がる利権屋たちの食い物にされており、アメリカに貢がれている。

フレッド・ピアス『水の未来-世界の川が干上がるとき』(日経BP社、2415円)-毎日-、評者・養老孟司。石油資源の争奪戦とどうように水問題が今後大きな紛争の種になる。ジャーナリストである著は10年かけて世界各地を取材し、この本を書いた。英語のライヴァルという言葉はリヴァーから来ているという。「同じ川の水をつかうものどうし」というから来ている。イスラエルはゴラン高原を手放さないのはここにヨルダン川の水源があるからだ。この川はイスラエルだけに流れているのだという。パレスチナ紛争には水資源争奪がかかわっているということらしい。日本は島国で他国と川を分かつことがない。この点では恵まれている。しかし、世界が今後、この問題で深刻化していくことは予測できる。
「緑の革命」と手放しでは喜べない。実は新種改良し小麦は、水を大量に使う。そのために潅漑を作れば多くの水が蒸散してしまうというのだ。

細野晴臣、鈴木惣一朗『細野晴臣 分福茶釜』(平凡社、1575円)-朝日-、評者・香山リカ。YMOの細野晴臣も昨年還暦を迎え、爺むさくなってきた。いや実は彼は若いときから爺むさかった。地なのである。「年をとることはいいことなんだよ」と縁側で渋茶など飲みながら猫をなでている風が似合っている。中島みゆきに「傾斜」という歌があった。「歳をとることは素敵なことです。そうじゃないですか」とリフレインする。確か「寒水魚」に入っていた。昔、中島みゆきが好きで10枚目のLPが出たときにオマージュのつもりで『中島みゆき・ミラクルアイランド』という本づくりにかかわった。そのとき細野氏にインタビューしたことがある。彼は以前に中島みゆきのバックミュージシャンをつとめていたことがあったからだ。坂本龍一も同様である。みな喰えない頃にやっていた。
この本で「脳が老化すると、自意識を低下してくるし、それで随分楽になるんだよね」と言っている。百パーセント受け身といいながらも、ラジオで「憲法改正はいやだ」といってみたという。「小さな声でもいいから声に出さないと伝わらない」というネイティブ・アメリカンの教えを実行したのだ、と。評者は「脱力系のまま趣味人のまま、言うべきことはいい、やりうべきときはやる」そんな生き方に「いいよね」っていった感じで同意している。


1 コメント

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ビシャビシャ女wwwwww (あたる)
2008-08-03 22:33:03
先週ヤった女さ、才ナ二─見てるだけでスンゲー濡れてたよwwwww
ヌップヌプに濡れたけしからん部分に指を挿入したら大量にシオ吹いて俺の顔と体をビッショビショにしやがったwwww
仕返しにたっぷり口内発射してやったよwwwww