不定期刊ZUBORA

思い立ったが吉日と思った瞬間やめたくなる、そんな日々の繰り言を綴る不定期刊行日録

日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

2008-07-13 09:27:26 | ジャーナリスト・ネットから
日曜の定期コーナー。日経、毎日、朝日、京都の4紙から。

日経、毎日、朝日の三紙が取り上げている佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社、1900円)から。日経の評者は中島岳志、毎日は鹿島茂、朝日は唐沢俊一である。いずれの評者も巷間に流布されている甘粕像--関東大震災の混乱に乗じて大杉栄、伊藤野枝、橘宗一少年を惨殺した張本人、その後、満州に渡り、数々の謀略を巡らし、闇の世界のドンとして力を発揮し、満映の理事長となり、敗戦を知り、自殺した怪人物--こうした鵺のような人物像が本書によって大きく揺らぐことになると書いている。

 一つは大杉一家殺しに本当に関わっていたのかが検証される。近年発見された死因鑑定書によると大杉と伊藤の死体は殴る蹴るの暴行を受けていたことがわかった。当時の甘粕証言とは矛盾するという。甘粕の周辺取材から浮かび上がってくる人物像は、「複雑多面な性格のなかで、とくに強烈であったのは正義感であり真実を貫く心であった。不正、不義を極端に憎み、嘘、偽り、ごまかしはもとより偽善的あるいは無責任な言辞、行為に対しては鋭く反発する」そうした人間だったと。「男がほれる男」だったらしい。憲兵隊の責任者だった彼は、部下をかばって殺人者の汚名をひきうけたのか。事件から85年たつ今、核心的な証言はなかなか得られない。しかし、存命する彼を知る人物たちからの話が、当時の軍国日本の時代を浮かび上がらせる。佐野眞一の近年の満州ドキュメントとして読み応えがある労作のようだ。

ギュンター・グラス『たまねぎの皮をむきながら』(集英社、2500円)は毎日(評者・池内紀)と読売(評者・佐藤卓己)でとりあげている。ノーベル賞作家グラスは少年時代ナチ親衛隊だったと告白して話題になったが、本書は彼の自伝である。たまねぎの皮をむくようにして、自分の過去を明るみに出そうとする。その手つきは、よくある自伝、不都合を無意識に追いやる手法とは異なるようだ。彼の少年時代は戦争に明け暮れていた。生地は現ポーランドのグダニスク、15歳で招集を受け、兵士になり、武装親衛隊配属命令をうける。「制服の襟に付いた二重のルーネ文字は嫌ではなかった」と正直に書く。

今月の「文藝春秋」に佐藤優が本書の書評を書いている。グラスにはスラブ系のカシューブ人の血が入っている。カシューブ人はポーランド人とはしっくりいかない。そこで親ドイツ的になる。しかしドイツ人から同胞としては受け入れられない。そこで制服をきることで誇るべきアーリア人種として同列になれたのではないか。この指摘は面白いとおもった。

土井敏邦『沈黙を破る(岩波書店、2415円)、この本も京都(評者・広河隆一)と朝日(評者・南塚信吾)の二紙でとりあげている。副題は「元イスラエル軍将兵が語る“占領”」。著者はパレスチナを取材しているフリーのジャーナリストである。イスラエルにはパレスチナで何が行われているかを告発する元将校グループの活動がある。このグループの活動、証言をもとに書かれたのが本書だ。非武装のパレスチナ人を理由もなく撃ち殺す。道路は危険と家の壁を破って家から家へと破壊しながら進む軍隊。占領地の兵士たちの中に、このままでは自分の人格が壊滅してしまうと、重い沈黙から声をあげる人たちがあらわれた。このグループは2004年に写真展をひらき、メンバーも増えてきているという。加害者が声をあげる、この活動には未来がある。

子安宣邦『「近代の超克」とは何か』(青土社、2310円)-京都-、評者・中島岳志。著者は日本思想史の研究者で、最近、東京で「思想史教室」を開いている。大阪でも論語講義をされている。その著者が今アクチュアルな問題として、戦前、戦争遂行を追認する形で思想化された「近代の超克」論議をテーマとして取り上げている。著者は当然、批判的に論じているわけだが、とくに「中国の施策に全く触れることなく、日本が世界を主導する世界新秩序のあり方を論じている欺瞞」を追求していると、評者は書く。当時、大東亜戦争にリベラルといわれた南原繁も歓声の声をあげた。米英戦争は日中戦争の正しさの証明とみたのだ。これに批判的だったのが竹内好である。竹内好は中国でも読まれるようになった。竹内好に著者がどう言及しているか、読んで確かめてみたい。

山本まさき、古田雄介『ウィキペディアで何が起こっているか』(九天社、1995円)/青柳武彦『情報化時代のプライバシー研究』(NTT出版、3990円)-朝日-、評者・小杉泰。グーグルで検索すると、よくトップに出てくるのがウィキペディアである。この参加型百科は信用できるのか。できるという人が6割り方という調査もある。しかし、玉石混淆なのは確か。以前、官庁の役人がウィキペディアに書き込んでいた話があった。日本の場合は、匿名で民主制だと悪意のある人の勝手な振る舞いも見られなくはない。そうなると無責任で危険だという。日本ではユーザーグループの集まりが運営しているようだ。英語圏はどうなのかわからないが、組織が作られているかもしれない。便利なだけに、責任体制をきづき、信用性を高める方策が必要かも知れない。後書はネット時代にプライバシー問題を取り上げている。




1 コメント

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ヤッホ━━ヽ(´ー`)ノ━━イ (バキオ)
2008-07-19 07:02:44
T・バックのままハメて、ブ ラ付けたまま隅々まで舐めてやったYO!!
裸よりもスゲー良かった!!まっ女がそのプレイを要求したんだけどねww
フィニッシュは黒い下 着にぶっかけてやりましたwwwwwww
M女だったからもう大喜び♪終わった後興奮しながら2 0 マ ソくれました( ̄▽+ ̄)キラーン