Apple Lossless(略称ALAC)、あるいはFLACなどの可逆的圧縮音声コーデック(PCなどでの音声保存フォーマット)に対する誤解や古い情報を元にした記事が多く、現状をまとめておく。
音声データの可逆的圧縮とは、簡単に言えばCDから取り込んだ圧縮形式の音声ファイルが、元のCD音質のファイルに戻すことができるというものだ。
ALACは、アップルが開発した可逆的圧縮オーディオコーデックだ。量子化16,20,24,32bit、サンプリング周波数は1kz〜384kz、という仕様。iTunesでCDからの保存形式をALACを指定すると、自動的に16bit、44.1kzの組み合わせになり、通常の音楽CDが、16bit、44.1kzなので、原理的にはCD音質のファイルに戻すことができる。
・ALACは音質が落ちる
CDの音質のファイルに戻すことが可能なので、この指摘は間違っている。
・ALACはApple社の独自規格でAppleが倒産すると使えなくなる
これも大きな誤りで、ALACは2011年に技術仕様、ソースコードが公開されている。しかもApache Licenseだ。Windows7の標準付属のWindows Media Playerで再生できる。Windows10ではFLACとともに標準でサポートされた。
・ALACは他のファイルに変換できない。
これも誤り。以下に述べる。
WAVとALACとFLAC相互のファイル変換にはXrecodeというソフトで出来る。ALAC、FLACからMP3への変換も可能だ。その逆の変換は可能ではあるが、元のCDと同じ音質にはならない。
WAVやFLACの変換時間の方が短く、ノイズが出にくいということはあるかもしれないが、PCの処理速度が年々上がっていることを考えれば、無意味な気がする。
MP3には日本語タイトルが文字化けする、という問題点がある。タグのエンコードがUTF-16でない時に起きる現象だ。詳しい解説は他のサイトに譲るが、文字化けの可能性があるMP3を避けてmp4(AAC)にしておくのもアリだ。
ALACも音楽ファイルの保存形式として選択肢の一つだ。
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