舞台演出&舞台衣装:田中秀彦のブログ第一集『PLASTIC DIARY』

身体装飾デザイナーグループ
iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA
2006年1月2009年8月

■大阪ファッションデザイン専門学校ショー2009”enbryon”@堂島ホテルチャペル

2009-02-14 | 2:演出 [DIRECTION]
大阪ファッションデザイン専門学校のショーの演出を今年も担当いたしました。
校長先生はじめ、熱心な先生方、そして何よりも
作品への情熱とエネルギーにあふれている学生の皆さんとの
コラボレーションが楽しみなこのイベント。

去年は心斎橋のクラブバー「11(オンジェム)」のラグジュアリーな空間で、
古い館のそばにある湖に立ち上る幻想をテーマにショーを展開しました。

今年はなんと、チャペル。



堂島ホテルの14階にあるチャペルをステージ空間に、
作家=母体から生まれる作品の「芽吹き=enbryon」をテーマに
受胎~出産、胎児の見る夢をモチーフにショーを展開しました。



ヘアメイクチームは我がアイロニックエディットデザインオーケストラが担当。
長田宏典と歯朶原諭子がチーフ、
高橋未来、須山智未、井上玲菜、霜野由佳、小田高章が参加。
難解なテーマと、厳しい時間の制約の中で三回のショーを見事にメイクアップしてくれました!



スタイリストに大野知英。
アシスタントの森田君と一緒にモデルの最終チェックをこなしてました♪



そして今年も参加のミーム・コーポレル・ドラマティックのパフォーマー古田敦子さん。
作品のインスピレーションに出会い、十月十日の苦悩の挙げ句
作品を受胎し出産する女性を見事に演じ、オープニングを飾ってくれました。
何度となく共同作業してきましたが、純粋に二人で作品を創作したのは今回が初。
リハーサルで彼女の演技を見ているだけで涙がこぼれてしまいました。

さらに、マイム俳優の青木はなえさんも今回は参加していただきました。
ショー本番にではなく、6階の受付サロン、展示会場でロウビングパフォーマンスを行っていただき、
ご来場のお客様を動くオブジェのように楽しませてくれました。
チャペルのドアをオープンして迎え入れ、オープニングの女性=古田さんを
チャペル内にエスコートする重要な役割!
少ない打ち合わせで見事に演じきってくださいました!



さらにさらに!
ショーが始まってからはサックス奏者の西本淳さんの生演奏でショーが展開する演出を行いました。
楽譜の曲ではなく、船の汽笛のようなロングトーンに始まり、ショーが進むにつれ音楽性を増し、
最後にはフェルドハウス作曲の人間の声をミックスした音源との合奏にまで進化。
乳児が知識を得て成長する過程を音楽の歴史になぞらえた音楽構成にしました。



バリトン、テナー、アルト、ソプラノと四本のサックスを持ち替え
見事に吹ききる西本さんの演奏と、素晴らしいモデルたちの身体表現、
そして素晴らしいデザイナーたちの誕生が融合するショーでした。

校長先生と学生の皆さんの手作業で、ロビーに無数に置かれたろうそくでつくられたインスタレーションや
学生の皆さんのファッション作品の写真がなくて本当に残念です。
帽子、靴、バッグに至るまで、すべてが学生の手作りの本当のオートクチュールショー。
完全招待制で一般公開がないのが惜しい程、クオリティーの高い作品群でした。

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