フェアトレード生産者訪問 ベトナム編 2

2017年03月21日 | フェアトレード生産者訪問
ハノイ2日目はタイビン市タイフォン村のシルクスカーフの生産地を伺いました。

ハノイから約2時間半~3時間、田園風景やたくさんのバナナの木を見ながらの車での移動でした。
日本の風景と違う点はどの方向を見ても山が全くみえないことです。




やっとたどり着いたこの村は何百年も前から伝統的に手織りの技術が受け継がれてきました。




クラフトリンクは伝統産業を持つ団体を探していた際、地域の政府からの紹介で1998年からこの村と取引することになりました。
(※クラフトリンクとはあいねが取引するベトナムのフェアトレード団体です。詳しくはまたご紹介します。)


ベトナムの村の人々は食べていくために農業も行っています。しかし、農家としてだけの生活は貧しいのでこの村のように手仕事を片手に行い、収入を得る手段とします。また、農地を持っていない人もいるようで、彼らは手仕事のみで収入を得ます。

代表のターさんは村の人々に仕事を割り振ります。染め、プリント、織りなど様々な工程の仕事があります。村中から織り機のカタカタという音が響いていていくつかの家族がスカーフを作っているそうです。また、違う村ではシルクとコットンやリネンを混ぜたスカーフを生産しているとのこと。ちなみにターさんの作業場の横の作業場は娘さんのコットンのタオルの生産場でした。海外に輸出もしているそうです。





シルク糸について

蚕の繭からシルク糸を取り出します。蚕は桑の葉を食べて大きくなり、糸を吐き出し繭を作ります。その繭を煮てシルク糸を取り出します。
蚕は違う村で作られているとのことです。

写真の中で穴が空いている繭は、蚕が繭の中でサナギからガになり繭の外に出てしまった状態です。
このような繭からはきれいなシルク糸が取り出せないとのことで、蚕が繭の中にいる間にシルク糸を取り出します。



一つの繭から3つのタイプのシルク糸が取れるそうです。

繭の外側から取れるシルクは太い糸


内側のシルクは細い糸


内外混ざっているのは中間の糸


それぞれどの部分の糸を使ってスカーフを織るかで生地の感じや肌に触れる感覚も違います。
また、糸の時点で染めてから織ると生地は固く、織ってから染めると柔らかいそうです。
工程の違いでも生地に違いがあるので自分の好きな肌触りのスカーフはどんな糸や染め、織り方をしているか知ることも面白いですね



生産現場の見学

織り機6台のある部屋へ。



織り機は半分電力を頼り、半分は脚でコントロールします。





各それぞれの家庭で作られた商品はターさんの作業場に運ばれ、すべての商品の最終工程や商品のチェックはターさんの作業場で行われています。



ターさんの工場から少し離れた場所で染色を行っている工場にも行きました。

織った生地を煮る。洗練といって生地の表面についているごみなどを取り除きます。
その後、洗い→脱水を行います。




染色は染料の入った液に生地を入れます。
染めた後の廃液は外にシステムがあり、そのまま流れないようになっているそうです。


その後、洗い、脱水、乾燥させます。


染色の現場では石炭で火をおこして作業をしていたため、熱いですし体力仕事になります。



仕事の間のお茶で一服中。



また、乾燥させた後のスカーフをアイロンします。
アイロンは8台、最終チェックに1人、スカーフをたたむのに1人と作業を行っていました。





お昼ご飯

ここでもまたごはんのおもてなしを頂きました。ターさんの奥さんの手料理です
揚げ春巻き、蒸し鶏、エビ、きゅうり、インゲン、揚げ豆腐、フォーなど、たくさん頂きました。


ターさんはビールを飲んで少し酔っ払いに(笑)



ターさんの奥さんはごはん中、ずっと店主のことを見つめていました(笑)
ターさんと奥さんのお二人は60代、店主の方が年上ですが、似た年代で現役でまだ仕事を続けていることに共感したのか、奥さんは食後もずっと店主をひっぱり作業場などを案内しておりました。ターさんも奥さんも陽気で楽しい方です



さて、ここで私が驚いたことがあります。
ターさんの作業場と染色や最終チェックの工場を見せて頂きましたが、
どちらも作業場とご飯を食べたり、寝たりする寝室が同じということです。
商品が山積みになっている横にベッドがあったり、商品のチェックする場所でさっきまでご飯を食べていたり。
仕事と生活が同じ場所というベトナムの田舎の暮らしを見る機会となりました。

ターさんのお家の台所です。作業場と併設しております。



フェアトレード生産者の訪問記はまだまだ続きます




あいね・谷町九丁目店
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フェアトレード生産者訪問 ベトナム編

2017年03月13日 | フェアトレード生産者訪問
こんにちは、スタッフのNです。

2月末~3月初めにかけて店主とともに
ベトナムとネパールに新たな商品のオーダーや生産者の訪問の為行ってまいりました

現地の生産者の紹介やベトナムやネパールで見てきたこと等
皆様にお伝えしていきたいと思います。




さて、まずはベトナム、水牛アクセサリーの生産者についてご紹介します

ハノイから約2時間、ヴィンイエン市のハドン村という場所。

道中、田園地域や町や村をいくつも通り過ぎました。
ベトナムの道はベトナム戦争時に敵に侵略されないよう、複雑に作られているようです。また、学校では地図の見方を教えないらしく、ベトナムの人は地図を読めないようです。タクシーの運転手はこの村に行ったことがないので生産者代表のフォンさんが途中で迎えに来てくれました。

辿り着いた場所はフォンさんの自宅兼作業場となっていました。
ご自宅の居間でお茶を頂きながら、まずフォンさんにベトナムの水牛製品の歴史についてお話を伺いました。






水牛製品の歴史

ベトナムでは100年以上前、水牛製品が盛んに作られていました。
1972年にベトナム戦争が始まり、水牛製品の生産は減少しました。また戦後、プラスチック製品の流通により、水牛製品の市場は減りました。ベトナムの市場のみ水牛製のくし、たばこ箱や茶筒があり、いくつかの生産者が製品を作っておりました。
2000年前後、多数の旅行者がベトナムに来ることによって、水牛製品が売れるようになりました。
フォンさんは町に出て、水牛製品の作り方を勉強し、村に戻って一家で仕事をし始めました。


フォンさん一家の働き方

フォンさん一家と親戚合わせて4~5家族、全員で約25人で生産を行っています。
就業時間は午前7時~11時半、午後は13時半~17時までとなっています。ベトナムは朝がとても早いですね。
11時半~13時半の2時間はそれぞれ家に戻って昼食休憩となります。この村の子供たちは学校は午前中のみで、昼食は家族みんなで食べるようです。


作業場を見学

さて、水牛のネックレスやブレスレット、ピアスなどのアクセサリーの生産現場を見学。

これが水牛の角です。



水牛の角を食用油とともに熱し。水牛の角を柔らかくする。



柔らかくなった水牛を機械にて圧力をかけ、平たくする。



水で冷やし、機械で商品の大きさに合わせて切断する。

ここでブレスレットを作るなら、再度、食用油にて熱して柔らかくし、写真のようにハンマーで輪の型に入れて丸の形にする。


左の平らにのものが右のブレスレットの形になります



水牛の角を切断する機械です。


これはブレスレットになるもの


この大きさのものは指輪になります。


ここでは研磨機にて水牛のパーツを磨いていました。


彼はフォンさんの甥っ子さんだそうです。




ここではさらにパーツを細かく磨きます。
ちなみに彼は日本に仕事で来日していたことがあるそうです。簡単な日本語で少し会話。


綿のようなものを機械に合わせ、さらにブレスレットなどの大きさのものは内側も磨きます。




この部屋では細かなパーツを作るのに、精密機械で水牛を切り抜く作業が行われています。PCで操作しております。



ご自宅の2階にはショールームがあります。サンプル商品や小さなパーツが保管されていました。
ネックレスはパーツとパーツを組み合わせて作られます。
パーツには切り目を入れているものと切り目が入っていないものがあります。小さいパーツはカッターで切り目を入れます。
切り目が入っているところからつなげ、切り目の箇所は接着剤でつけます。





ひとつひとつ手で作る。手作業だからこそ細かい作業がでますし、
フォンさん一家皆さんの仕事の機会になります


昼食のおもてなし
フォンさん一家の輪に入れていただき、フォンさんの奥さんの手料理を頂きました。
蒸した鶏肉
ウリ(ピーナッツとゴマのふりかけのようなものをつける)
卵焼き(魚のソースをつける)、
お肉と野菜の炒め物
白米
うりを茹でた煮汁はそのままスープとして飲んだり、最後にお茶漬けの感覚で白米の上に煮汁をかけて食べるようです。
大皿におかずが盛られ、器に白米を入れて、おかずをとって食べる形式。味付けも日本人に合う感じで濃くも薄くもなく、どのお料理もおいしかったです。たくさんおかずを作っていただいて食べきれずでした。家庭料理を頂く貴重な機会となりました。





訪問させていただいた日は村のお祭りの日でした。村でどなたか亡くなるとその人の命日に毎年その方を思い出すという意味で村人が集まり、お酒を飲み、ごはんを食べるのだそうです。フォンさんのグループの若い男のワーカーさんたちは昼食休憩で戻ったきり、お祭りに出向いて仕事には戻って来ませんでした。私たちが帰る間際に集合写真を撮ろうとしましたが、みんな揃わず残念でした

フォンさんのお母さん(82歳)は今でも家事をしたりとお家の中でも動き回っています。とてもお元気ですね。途中、店主と言葉は通じませんが、仲良く居間でストレッチ(笑)
ベトナムの女性の家事や子供の世話をしながら、家族の仕事や生活をサポートしている姿も見えました。

フォンさん一家の皆さんありがとうございました







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2017年03月04日 | あいね 谷町9町目店
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