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グローバルシャッターについて

2025年04月28日 | 今月の残念
グローバスシャッターについて整理してみたいと思います。グローバルシャッターは、センサーの全画素で同時に露光をおこなうシャッターです。今レンズ交換式のカメラではローリングシャッターを使うものがほとんどです。ローリングシャッターではセンサ上をスリットが動いていくことで、露光をおこないます。この構造にすることで、スリットの移動速度は一定でも、スリットの間隔を変更することでシャッター速度の調整をおこないます。高速で動くメカニズムがなくても、高速のシャッターを実現できるので、カメラ創成期の20世紀初頭からこの考え方のシャッターは使われています。
電子シャッターでは、センサからの読み出し動作で露光終了としていますが、その読み出しの時間は一定です。その完了時間に合わせて露光開始のタイミングを調整することで露出時間を決めています。
メカシャッターでも電子シャッターでもこのタイプでは露光するスリットが動くのですから、画面上の位置によって違うタイミングで露光が行われることになります。なのでこのスリットが動くよりも速く、被写体が画面上で動くと画面の場所によって違うタイミングの画像が写ってしまうわけで変形した画像になってしまます。これをローリングシャッター歪みと呼びます。シャッタースピードをいくら速くしてもスリットの移動速度は一定ですからこの歪みは起きてしまいます。
ただ人の目は1/30秒以下の変化は検知できませんから、ある程度の速度が出ればあまり問題になるようなことはないと思います。というのもメカシャッターは1970年代までは15msec程度動作にかかっていましたが、問題視されることは無かったように思います。(大型のカメラで30msec程度かかってしまうものについては、注意が必要とは言われていましたが)
現在グローバルシャッターでコンシューマカメラで実用されているのはソニーα9Ⅲのみですが、その前のα9Ⅱに比べセンサ性能が低下しています。これはグローバルシャッターをセンサと同じ構造のコンデンサをセンサ上に配置し、こちらにセンサの電荷を移すことで実現しているからです、つまり実質的なセンサ面積が小さくなってしまったので、その分センサ性能が低下していると思います。センサ技術に関してはソニーはもちろんトップメーカーですし、α9クラスであれば、コストの制約も少ないはずですが、それでもセンサ性能の低下を避けられなかったというのは技術的にたいへん難しいのかも知れません。
グローバルシャッターのメリットとしてあげられるのがストロボの同調スピードが高速になることです。ストロボの発光時間は大型のストロボで数ミリ秒、小型のもので数百マイクロ秒です。先に説明したようにローリングシャッターでは画面上の位置によって露光のタイミングが異なっているので、画面よりもスリット幅が広くなるようなシャッタースピードでないとストロボ撮影ができません。
α9Ⅲでも高速同調は可能になったのですが、ストロボの発光時間より短いシャッターでは当然ストロボ光を有効に生かせません。つまり内蔵ストロボのような超小型なストロボか、短時間で十分な光量が可能な新規な光源がグローバルシャッターを生かすためには必要になりそうです。
個人的はキヤノンがAPS-Cに新ストロボシステムとグローバルシャッターを導入する可能性はあると思っています。センサ性能がざっくりマイクロ43並みになったとしても実用上の問題はあまりありません。暗い場所での撮影性能はどちらにしてもフルサイズにはかないませんから、そこは内蔵ストロボでカバーするというイメージです。メカシャッターレス化で現状よりコンパクト化はできるはずですし、コストダウンも期待できます。年内には発表されているR7の後継機、どうなるか期待を込めて待っています。まあ予想は裏切られるのでしょうがいい意味で裏切られるといいのですが。
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