こんなことがありました。

趣味の写真に関するブログです。
毎日写真を投稿しています。

センササイズと解像度

2024年10月07日 | 機材について
最近価格.comの口コミ掲示板で盛り上がっているスレッドです。
価格.com - 『壮大な間違い』 デジタル一眼カメラのクチコミ掲示板
スレ主の主張は「デジカメのフルサイズやAPS-C、m4/3の画質の差はない」なんですが、反論とかみ合わずスレッドが伸びる一方です。

この手の議論で欠けていると思うのは下記2点です。
一つ目は画質を解像力に限定したとしても、影響する要素はたくさんあります。自分の場合だと、まずブレ、ピント、それからレンズでしょうか?解像はそのとき一番影響が大きい要素でほぼ決まってしまいます。例えばブレブレの写真では、ピントが合っているかどうかはわかりません。まずブレないようにするしかありません。センササイズによって画質の差があるかどうか確かめようとするなら、まずその他画質に影響を与える要素を良くするしかありません。これは結構大変な作業です。適当に撮られたセンササイズの異なる2枚の写真に差がないとしても、他の画質に影響を与える要素がバラバラではセンササイズが影響しないと判断することはできません。
二つ目は画質を判断するのは最終的にその画像を見る人だということです。スレ主は以前から、プリンタの解像度がここ30年来、ちっとも進化しないといって嘆いていましたが、プリンタの解像度が進歩しないのは、安価なプリンタでも人の目の解像を十分カバーするようになってしまったからです。安価なプリンタは4色、2値で600dpi程度です。カラーの解像度が明らかに不足しているようにも思えますが、人の目が明るさに対する解像力は高く、色にたいする解像力はそれよりずっと低いことを利用して、見た目はまったく不自然さを感じることはありません。銀塩の写真プリントは400dpiで3色それぞれ8bit程度の諧調を持っているはずですが、安価なプリンタと銀塩で解像力の差は見ただけではわかりません。
レンズの解像力を表すのに仕様表では良くMTFチャートが表されます。あるピッチの濃淡の縞模様の再現性がどうなるかを、画面の中央から周辺に向かってプロットしたグラフなのですが10本/mmと30本/mmという2つのピッチで表されます。
MTF曲線とは | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
なぜ2つのピッチで表す必要があるのか、不思議に思っていたのですが、これは人の目の特性で説明できます。実は人の目も周波数特性があり、一番強く感じることができる周波数(ピッチ)があり、これより低くても、高くても感じにくくなり、あるところで全く感じなくなります。ぱっと見の印象は、目が一番感じる10本/mmのピッチの再現性の影響が大きく、30本/mmを越えたピッチは人の目で識別できる限界付近と言えます。
この10本/mmというのは撮像面上の値なので、センササイズが変わるとその分変更しないといけません。なのでフジフィルムのAPS-Cは15本/mmと45本/mmでOMDSのμ43は20本/mmと60本/mmの値を表示していますが、これは仕様としてフルサイズと同じ土俵で比較するという意味でしょう。

センササイズで画質が変わるかどうかは、先ほど述べたように実際の画像で確認するのは難しいのですが、1点わかっているのは、全く同じレンズとフルサイズとAPS-Cで使うと解像は通常低下します。この低下の度合いはレンズによって異なります。というのはMTFはピッチが上がるごとに低下します。同じレンズでより小さなセンサで使うのであれば、MTFのピッチも変える必要がありますが、30本/mmと45本/mmでは必ず45本の方が悪くなるからです。
APS-Cセンサでフルサイズ用レンズを使う場合は少なくとも30本/mmの解像が十分高いレンズを選ぶ必要があります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2024年10月6日 淵野辺本町 | トップ | フォトコン 自由作品の部 10月号 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

機材について」カテゴリの最新記事