こんなことがありました。

趣味の写真に関するブログです。
毎日写真を投稿しています。

ボケの大きさについて

2024年09月02日 | 機材について
ときどきネットでみかける質問なんですが、ピントの合う範囲についてされていました。

『ピントの合う範囲について』 SONY α7C ILCE-7C ボディ のクチコミ掲示板

μフォーサーズを使っていて、フルサイズに変更したらピントが浅くなって、思うようにように撮影できないという相談なのですが、ピントの合う範囲はF値だけでは決まらないので、なかなか話が噛み合っていかないように感じました。ちょっとボケの大きさについて整理して見ます。(何度か書いた内容ですが)

ボケの大きさ(玉ボケがあったとしてその直径と考えてもらうとわかりやすいかも)は3つの要素できまります。
1つはFNoこれは直感的にわかりやすいと思いますが、絞りの直径に比例してボケます。
2つ目は観察条件です。あまり使われない言葉ですが、センサ上の画像を写真として見るときにどれぐらい拡大して見るかということです。これも直感的にわかると思いますが、より拡大すれば、その拡大率にあわせてボケの大きさは大きくなります。
μフォーサーズからフルサイズに変更したとすると同じ条件で見るとすると、センサの大きさがフルサイズの方が大きいので拡大率は小さくなります。センサ上のボケが同じ場合、μフォーサーズの方が拡大率が2倍高いのでボケも2倍になります。
3つ目が少しわかりにくいのですが、像倍率の二乗でボケはおおきくなります。像倍率というのは、被写体がセンサ上にどれぐらい縮小されているのかという値で、ざっくりレンズの焦点距離÷撮影距離で決まります。クローズアップしたり、望遠レンズを使うと急速にボケるというのはこれがボケに対して二乗で聞くからです。またマクロレンズは35mmぐらいから200mm程度までいろいろありますが、同じ等倍にしたときのボケの大きさは大体同じ(まあどれもすごくピントは浅い)なので、望遠マクロの方がピントが浅くて困るといったことはありません。

μフォーサーズのセンササイズはフルサイズの約半分です。つまり同じ画角の場合(同じ距離で撮影した時、写る範囲が同じ)センサ上の画像はフルサイズの半分になり、このときF値が同じであれば、センサ上ではボケの大きさは1/2×1/2つまり1/4になります。これを見るときは2倍拡大してみるわけですから結局ボケの大きさは1/4×2で1/2になります。このためμフォーサーズではフルサイズの半分のボケ量となるわけです。
ただ先ほど述べた通り、ボケの大きさは撮影倍率で大きく変わるわけで、それを生かせば大きなボケを得ることも可能です。簡単な方法としてはより望遠レンズを使う方法があります。ある撮影をしようとしたとき、より望遠レンズを使い、その分撮影距離を伸ばして被写体の大きさが同じになるようにしたとします。このとき被写体の像倍率は同じですから、被写体のボケ方は同じです。異なるのは背景です。背景がずっと遠くにあったとすると、望遠レンズにしても撮影距離はほとんど変わりません。したがって像倍率は望遠レンズにした分だけ大きくなります。したがって望遠レンズにすることで、背景をよりぼかすことができるわけです。
μフォーサーズでは比較的コンパクトな望遠レンズがありますから、これを生かしてより望遠にして撮影することで、背景をぼかした写真を撮ることができます。
被写体がファインダーで見て、同じ大きさになる場合、距離、レンズの焦点距離によらず、ほぼ同じボケの大きさというのは覚えておくとボケのコントロールがしやすくなると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする