青野流の破壊力・2

2015-02-27 11:26:25 | 日記

▲34飛△33桂と進んだ局面。








前回はここから、▲36歩~▲37桂とし、△45桂を防ぐとどうなるか?


について調べました。



結論はやや危険。



状況により、構わず△45桂とタダ跳ねされ、強襲されてしまう。



ここは強く対抗します。


▲55角







前例は多くあり、定跡ともいえる一手。




まずは△82歩と防いでみる。一見自然にみえますが・・








▲24飛△14歩▲77桂△72金







▲24飛と回り、△26飛の転換を防ぐ。同時に▲23歩を見せています。


△23歩と打つのは弱気。端を空けて受けて、将来△13角を見据える。


▲88銀△62銀▲87銀△75飛▲66角






ここは▲38金・▲48銀とするより、△73銀~△64銀など


整備される前に、左辺を制圧しておくのが好着想。



図はこちらが良し。

飛を逃げると▲74飛。角の働きの差も歴然としています。





再掲





△33桂と跳ねている以上、ここで止まるとリードできません。

ここも定跡化されている手で対抗。




△88歩





手裏剣が飛んできました。かまわず▲91角成は、△89歩成で銀が逃げれない。

ここは▲同角か、▲77桂の二択。


まずは普通に取ってみます。


▲同角△73桂▲38金△65桂






一見、△88歩はタダで取られたようですが、

▲55角と出た手を、1歩を犠牲にして▲88角と引かせています。



その一手の得を生かし、△73桂。


▲38金は一瞬危ない形ですが、


先に▲48銀は△26飛や△28歩があります。



△65桂と飛んで、宣戦布告。一見、無謀に見えますが・・



▲66歩△45桂







桂取りを目指す▲66歩に、△45桂が好手。


▲65歩は△88角成。▲48銀と防ぐよりありませんが


△57桂成から清算されて、攻めが炸裂しています。


さすがに危険でした。







では、△88角成を防ぐべく、▲77歩と打つとどうなるか?




△87歩








飛車を逃げず、△87歩が鋭手。▲76歩と取ると、


△88歩成▲同銀△45桂で、集中砲火を浴びます。


ここは▲同金と取るよりありませんが・・





△26飛▲27歩△86歩






▲87金の形にさせ△26飛。▲27歩と受けますが、そこで△86歩を刺す。


図は先手側の良し。


取られる寸前で最大限に活用され、技をかけられた格好です。



再掲







▲66歩、▲77歩のいずれも攻めを防ぎきれませんでした。

開き直って、ここは▲48銀と自然に受けてみます。


▲48銀△86歩







△86歩は、タイミング良く△87歩成と形を乱したり、

△75飛~△85飛の狙いを作っています。


そこでこちらは、△45桂がこないうちに▲35飛と引きます。



▲35飛△75飛





合わせるように、先手側も△75飛。


次の狙いは△57桂成!▲同銀△35飛の素抜き。


これを食らったらまずいので、工夫して受けますが・・


▲66角△57桂成▲同角△35飛▲同角△55飛






△57桂成に▲同角と取り、▲35飛にヒモがつくので上手いようですが



最後の両取りが決め手。▲57角も△45桂で収容困難です。




いずれにしても、攻めを防ぐことができませんでした。







◇結論◇


・ここで△82歩は▲24飛と回り、主導権を握れる。


・代えて△88歩が攻めの好手。


1歩を犠牲にし▲同角と戻させ、△73桂~△65桂と活用して良し。






本記事では、前回よりパワーアップした青野流の破壊力を紹介しました。



△65桂自体は軽いようでも、技を組み合わせれば恐ろしい破壊力になります。




ということは、こちらも受けてばかりではダメ。




次回は、△88歩に対して、



こちらも一歩も引かない順で対抗していきます。





長くなりましたが、最後までお付き合い感謝しますm(__)m























青野流の破壊力

2015-02-26 16:49:09 | 日記




前回は、ここから△77飛成、△77角成以下の強襲が


成立するかについて調べました。


結論は無理筋。


そこで先手は構想を立て、より確実に攻撃する方針を選びます。



△74歩







歩を突き出し、△73桂の跳躍を目指します。


この攻め方は「青野流」と呼ばれ、青野照市九段が考案・愛用し、徐々に大流行

している型。数ある型でもトップクラスの攻撃力を誇り、少し気を抜くと

一気に決着をつけられるほど、です。




とはいえ、どう攻められるかの判断は初見では難しい。


まずは普通に駒組みしてみます。



▲38金△73桂▲48銀






中住まいと呼ばれる陣形に整備。


しかし、ここでの駒組みは危険でした。


△88歩





この手が好手。


▲同角と取ると△同角成で、どちらで取り返しても飛車を成られる


よって▲同銀と取るが、そこで△65桂が決め手。



▲88銀・▲78金の形にさせたことにより


金が浮き、角を逃げると成り込まれてしまう。




この順は応用が利くので、注意が必要です。




再掲







普通の駒組みではつぶされる。



先に攻められる前に、こちらから動いて行きます。




▲34飛△33桂







△33桂は一見奇特だが、こちらが何もしなければ



△73桂~△65桂~△45桂








このような集中砲火を秘めています。


この型はとにかく、桂が舞う将棋。受ける側としては常に予断できない。


逆に攻めを防げたら差が開きやすく、楽な展開になりやすい。



このあたりの攻防が勝敗を分けるといっても、過言ではないのです(--*)




再掲





図より


▲36歩








この▲36歩は、▲37桂と跳ね、△45桂を防ごうという意味。


とはいえ、△33桂と跳ねた以上動かないとダメなので、戦いが始まります。


△65桂▲66角△88歩





構わず△65桂と跳ね出し、開戦。

▲68角と逃げるのは形が悪く、△25桂~△99角成、じっと△75飛でも

不満なし。

よって▲66角とと逃げるが、△88歩が軽手。▲同角の一手ですが・・・




▲同角△45桂





▲88角の位置にさせ、タダ捨ての△45桂。ここでは既に技がかかってます。


▲同桂と取るのは△88角成で、▲同金とも▲同銀とも取ることが出来ない。


よって▲22角成としますが・・


△78飛成





△57桂成ではなく、先に飛車を切り飛ばし、即詰み。


手数にして30手ちょっと。これはほんの一例で、これくらいの攻撃力を

秘めている、というケースでした。


再掲





◇結論◇


▲36歩~▲37桂とし、△45桂を防ぐのは効果が薄い。

△65桂と活用されたのち、構わず△45桂と跳ねられ、技がかかる。




次回は、▲36歩に代えてどう対抗するか?について調べていこうと思いますm(__)m

横歩取りの基礎知識

2015-02-26 01:05:35 | 日記


初手より

△34歩▲76歩△84歩▲26歩△85歩▲25歩△32金▲78金






△86歩▲同歩△同飛▲24歩△同歩▲同飛△76飛




当ブログでは、主に「後手側」を持って指し進めていきます。


盤面は反転させ、先手番の符号表記は△、後手は▲で記します。

あしからずm(__)m




お互いの歩を突き合って交換。しかし先手は1歩得。



一見は損しただけににみえますが







図は先手からみた局面。

この飛車の定位置は、主に▲26飛か▲28飛。


▲34飛ととって早くも1歩得ですが、定位置に戻るまで数手かかってしまいます。


後手は、1歩を取らせる代わりに手得して駒組み・構想を

進めることが出来るというのが主張。



昔からいわれる格言では、この手損をとって「横3年の患い」とも言われるとか。

3年=3手ということですが・・(--?



・・3年も盤には向かっていられるのだろ(以下略








・・と、いうことで



再掲






▲77角






ここで先手の選択肢は、主に△74飛か△52玉。


その変化に入る前に、一番基本的な変化を踏まえておきます。


もしここで強襲をかけるとどうなるか?


△77飛成▲同桂△33角打






飛車をぶち切り両方取りへ据える。一見困ったようですが・・


▲22飛成△同角▲83飛





角と刺し違え、すぐさま▲83飛。整備されないうちに放っておく。


△82歩は▲86飛成で良し。ということで、△82飛と受けますが・・


▲84歩△72金▲82飛成△同銀▲83角





ここで一息ついたら△89飛や△27飛で混戦になる。一気に決着をつけにいく

▲83角が好手で、先に攻めに着手した後手がリードできる展開です。


再掲





今度は別の強襲を考えてみます。


△77角成▲同桂△33角






要領はさっきと同じ。大駒を切り、代償に両取りをかけ一点突破。


▲21飛成△77角成▲同金△同飛成





お互い一歩も引かず終盤へ。ここで好手があります。


▲31竜







取れば▲33角の王手竜。よって△41金と受けるが、


そこで▲78歩と受けて良し。こちらの駒得がはっきりした展開です。



再掲






◇結論◇


ここでの強襲は無理筋。


次回からは、



△52玉





この型について研究していこうと思います。


最後までお付き合いありがとうございましたm(__)m

ブログの内容について

2015-02-25 22:58:09 | 日記

本日より、居飛車のエースともいえる「横歩取り」についての研究ブログを

スタートしようと思いますm(__)m


「今から指せる!横歩取り研究ノート」


ブログ名の通り、記事を読んで、今からさっそく指してみたい!と思える

内容にしていきたいです。


というのは


・横歩取り=難しい(--; と敬遠されがち

・そんなに薄い陣形でいいのか?飛車も不安定だな


プロには好まれる戦法ですが、


矢倉や角換わりと違って避けられることが多いのが現実。



本ブログでは、そのような思いを吹き飛ばし、本来の醍醐味である


「玉の囲いは最低限、スキあらば仕掛けてそのまま圧倒」

「低い構えだが、その分狙われにくく、終盤でも堅い」

「歩と桂馬の小技パレード、攻めが決まった時の爽快感」



図面を多く活用して、できるだけ良さが伝わる内容にしたいと思います。



よろしくお願いします!m(__)m