前回は、ここから△77飛成、△77角成以下の強襲が
成立するかについて調べました。
結論は無理筋。
そこで先手は構想を立て、より確実に攻撃する方針を選びます。
△74歩
歩を突き出し、△73桂の跳躍を目指します。
この攻め方は「青野流」と呼ばれ、青野照市九段が考案・愛用し、徐々に大流行
している型。数ある型でもトップクラスの攻撃力を誇り、少し気を抜くと
一気に決着をつけられるほど、です。
とはいえ、どう攻められるかの判断は初見では難しい。
まずは普通に駒組みしてみます。
▲38金△73桂▲48銀
中住まいと呼ばれる陣形に整備。
しかし、ここでの駒組みは危険でした。
△88歩
この手が好手。
▲同角と取ると△同角成で、どちらで取り返しても飛車を成られる
。
よって▲同銀と取るが、そこで△65桂が決め手。
▲88銀・▲78金の形にさせたことにより
金が浮き、角を逃げると成り込まれてしまう。
この順は応用が利くので、注意が必要です。
再掲
普通の駒組みではつぶされる。
先に攻められる前に、こちらから動いて行きます。
▲34飛△33桂
△33桂は一見奇特だが、こちらが何もしなければ
△73桂~△65桂~△45桂
このような集中砲火を秘めています。
この型はとにかく、桂が舞う将棋。受ける側としては常に予断できない。
逆に攻めを防げたら差が開きやすく、楽な展開になりやすい。
このあたりの攻防が勝敗を分けるといっても、過言ではないのです(--*)
再掲
図より
▲36歩
この▲36歩は、▲37桂と跳ね、△45桂を防ごうという意味。
とはいえ、△33桂と跳ねた以上動かないとダメなので、戦いが始まります。
△65桂▲66角△88歩
構わず△65桂と跳ね出し、開戦。
▲68角と逃げるのは形が悪く、△25桂~△99角成、じっと△75飛でも
不満なし。
よって▲66角とと逃げるが、△88歩が軽手。▲同角の一手ですが・・・
▲同角△45桂
▲88角の位置にさせ、タダ捨ての△45桂。ここでは既に技がかかってます。
▲同桂と取るのは△88角成で、▲同金とも▲同銀とも取ることが出来ない。
よって▲22角成としますが・・
△78飛成
△57桂成ではなく、先に飛車を切り飛ばし、即詰み。
手数にして30手ちょっと。これはほんの一例で、これくらいの攻撃力を
秘めている、というケースでした。
再掲
◇結論◇
▲36歩~▲37桂とし、△45桂を防ぐのは効果が薄い。
△65桂と活用されたのち、構わず△45桂と跳ねられ、技がかかる。
次回は、▲36歩に代えてどう対抗するか?について調べていこうと思いますm(__)m
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