2016年7月2日公開の映画『フラワーショウ!』は、2002年チェルシー・フラワーショウで最高位の賞を獲得した、メアリー・レイノルズ女史(アイルランド出身・ランドスケープデザイナー)の実話に基づいています。キャリア、資金、コネもない、無名の20代の女性が、ロンドン・チェルシーで開催されている100年以上の歴史と権威あるガーデニング&フラワーショーに挑戦する物語です。
私、カラーコーディネーターの熊谷佳子は映画の中で、メアリーの装いや顔つきが変わっていくことに注目しました。
メアリーはキャリアを積むきっかけをつかむために、すでに業界で活躍するデザイナーのアシスタント職に応募します。その面接時に、雑誌に掲載されていた流行のヘアデザインで臨みます。これは自信がないから流行に敏感なところを見せ、センスある自分であるとアピールしているのです。大事にしたいのは、本当に自分に似合っているかなのですが…。
見事メアリーは面接に合格。しかしそのヘアデザインはバッサリと、雇い主となったデザイナーから直すように言われます。また若さや見た目の美しさを武器にするように促されるのです。映画の中で、デザイナーの下で働くメアリーの装いは段々洗練されていきます。TPOにあった装い=社会性を体現しているといえるでしょう。
その後メアリーは、こき使われたあげく、デザインをかきためた大切なノートを奪われクビに。チェルシー・フラワーショウで金メダルを取ると決意した後の装いはとてもユニークです。その時々に影響されている文化や信念が服飾や顔つきに表れています。
私は仕事柄、成功を引き寄せるために見た目をコントロールする大切さをお伝えしていますが、一方で、人はそれぞれ魅力的なところがあるはずで、それを活かした生き方をしていれば自然とその人の個性が表れた素晴らしい見た目になると、この映画から教わったような気がします。
そう、成功者の装いは自然と美しく感じる、心に残るものなのです!