色彩の道具箱

熊谷佳子が発信するニューノーマルな色彩活用情報。ご感想は、soudan@color-d.sakura.ne.jpへ。

マスクのカラーコーディネート

2012-02-27 | 商品にみる【衣】

先日、電車の中で見かけた女性のファッションコーディネートを紹介します。ピンク色したマスクをしていたのですが、その姿が何とも美しく感じられました。

失礼を承知で観察すると、カラーコーディネートが絶妙なのです。ピンク色のマスクに、同じような色のストールを首に巻いていて、マスクと一体化したように見える着方をしていました。(写真はイメージです)

Dscf1025

花粉やウィルス対策でマスクが放せない方も多いと思いますが、マスク姿はファッション的にスマートでもエレガントでもありません。しかしマスクの色を利用してファッションコーディネートになじませてしまうやり方もあるんだと感心しました。

さて今時のマスクの色がどのくらいあるのか、ネットで検索してみました。和柄やキャラクターマスクがありましたが、カラーバリエーションはまだまだでした。白が一般的で、マスクをおしゃれにコーディネートする時代は遠いようです。


空色・そらいろ

2012-02-19 | 色の名前

「空色」は、晴れた日の昼間の空の色をいいます。外来色名では「スカイブルー」という呼び方があります。ただしこの呼び方はある色名辞典によると、ニューヨーク近郊で夏の昼間、晴天時に見える色と規定されているそうです。

Photo

「空色」という表現は好ましいというか、良いなと思います。空の色は季節や時間、地域によって変化し続けているので、その様子を言い当てるには「空色」はぴったりの言葉ではないかと感じるのです。それに対し「スカイブルー」は、その言葉から青色系統だと容易に察してしまい、急に創造力がしぼむというか、広がりが感じられないのは私だけでしょうか。

写真に空の色を留めようとしても、見たまま、つまり自分が感じた色は写し取れないことが多いですし、今日もそうでした。きっと写真技術がないからというのもあると思います。とは言いつつも今日の写真のように、空の色はそんなに簡単に留められないのが本来の姿だと思います。

子どもの頃、空の色がどうして青いのか、赤いのか疑問に思ったことがありました。その理由は光の散乱のためなのですが、(色彩検定やカラーコーディネーター検定で学びます)もし同じ質問を今、ちいさな子どもたちから質問されたら私、カラーコーディネーター熊谷佳子はファンタジックに回答したいと思います。

「空の神様の気持ちが色に表れているんだよ。どんな風に感じるか教えて」と。全ては子どもたちの創造力のために。


ディープトーンのお菓子

2012-02-16 | 身近な色の「カラーパレット」

身近なものを「カラーパレット」に整理しながら、モノを観察する第3弾。

今年のバレンタインデーにカラーレッスンを受講中の方から頂戴したお菓子の色彩を紹介します。ゴンチャロフの「パミエ」というゼリーのお菓子です。トーンに置き換えてみますとディープトーンでした。

Photo

女性同士でバレンタイン・ギフトがやり取りされるこの頃です。きっと色々と考えて選んでくださったのでしょう。嬉しいものですね。ギフトにはその人の人柄というか、センスなどが反映されていると思います。ご本人のお話によると、パッケージの色がとても気に入ったとのこと。その話を聞いて著名な色彩学者の、色彩と人間の性格に関する<科学>を追い求める書籍のことを思い出しました。

さてこのゼリーのお菓子、日持ちがするタイプのお菓子なのでもっちり、むっちりした食感です。口の中では濃厚なフルーツの香りが広がります。以前にこのブログでご紹介した「ペールトーンのお菓子」に引き続き、こちらもまた色のイメージと一致したお菓子でした。

ちなみに、ディープトーンには濃い、深い、充実した、などのイメージがあります。

※カラーツール提供:日本色研事業株式会社「PCCSカラートーンサークル」


色彩検定とパーソナルカラー

2012-02-13 | 色彩検定

某専門学校での色彩学の授業中のこと。色彩検定を合格した学生から、「この資格はどう役立てたらいいのでしょうか?」と質問がありました。

どんな資格もそうだと思いますが、その活かし方は資格をもつ人の創造力と行動力によります。たとえば、就職活動の場面では資格取得欄や自己アピールに活用し、かつ面接場面での服飾に配慮できれば、色彩に関する能力がある人物だと周囲に伝えられます。

最近、私が運営するカラースクール(カラーディレクション)の、パーソナルカラーアナリスト養成講座で受講中の方とこんなやりとりがありました。

その方は東商カラーコーディネーター2級資格をお持ちの方なのですが、パーソナルカラー診断技術をプロとしてお客様に提供できるようになるには、講座に加え「色彩検定での勉強が必要な気がします」とおっしゃいました。おそらく履歴書のためではなく、パーソナルカラーアナリストとして活躍するために、もっと色彩の技術面を高めたくなったのでしょう。

Dscf1024

といいますのも色彩検定(特に1級)は、配色カードを活用できる能力を要します。公式テキストにも配色カードを切り貼りし、配色を具体的に学ぶページが設けられています。ですから講師指導がない独学の方も、少なくとも一度は配色カードを使うことがあるはずです。ちなみに東商カラーコーディネーターの公式テキストにはそのようなページがありません。

色彩は記憶や理論だけでは扱いきれませんから、そういった意味で色彩検定の学びはお勧めです。それ以上に指導者のいる学びの場では、さまざまな工夫と独自性のある教材などで色彩の実践的な講義が展開されているはずです。


バレンタイン・デー 2012

2012-02-11 | 流行のはなし

バレンタイン・デーまであと少しですが、女子の皆さんは義理チョコから本命チョコまで準備に力を入れているのでしょうか?私にとって初めてのバレンタインギフトの経験は小学生の時。恥ずかしくて直接どうしても渡せなくて、大好きな男の子の家のポストに入れた時の、心臓の高鳴りを懐かしく思い出しました。

さて大人になった今は、クールにこの日を見つめる視点があります。写真は2012年大丸東京店のショーウィンドウです。

Photo

このディスプレイのテーマは、大丸の女性販売員が選ぶ、バレンタイン・デーに男性に着て欲しいデート服です。草食系男子、肉食系女子…など最近の恋愛事情を反映し、今どきの女性目線がコンセプトになっています。

女子は今やチョコとプレゼント選びでワクワクして、ギフトを贈るドキドキを楽しむだけでは飽き足らず、「男子にはこんなファッションで居てよねー」とご教示か?それとも要求か?ディスプレイから女性のはっきりモノを言う姿勢を感じてしまいました。

さらに下の写真は同じく大丸東京店の、2009年バレンタイン・デーのショーウィンドウです。

Photo_2

3年前はピンクで統一されたかわいらしい印象です。スプーンで「おいしいチョコを食べさせてあ・げ・る」という感じでしょうか?いえいえ沢山のイスに男性が並んで座って女性から選ばれるのを待っている、女性による恋愛主導の図でしょうか?

バレンタイン・デーに関する商品やサービスは、「その時」の女性の気持ちが流行牽引しているのは確かです。