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イタリア語で「風」を意味する30~60代を中心にした
バイシクルフリークたちのクラブチーム

“Inlet & Outlet”  ~ぢ転車は行く~

2007年01月24日 | ティールーム
昨年末、右奥歯に違和感を覚えてしばらく経ち、なかなか治まるどころか、硬いものを噛むと痛みすら感じるようになったので、15年以上前に一度親不知の治療をして以来久しぶりに歯科に行った。
原因は「噛み合わせ」の問題で、右下奥歯が他の歯に比べて上下の当たりが強いために歯茎にストレスが生じている状態のようだった。右下の奥歯の上面をほんの僅か削って治療は終わったが、本当に微妙なものだと驚いた。
ということで、治療はあっけなく終わったが、永らく治療をしていなかったため、歯石が溜まっており、歯も歯茎の状態もまずまずの状態ではあるけれど、急激に衰えが始まる60代になる前にシッカリ予防措置をすることがあなたの老後を大きく変えるであろうとの、我が友人でもあり後輩でもある某先生のご託宣に、自分としてもそろそろ年齢も年齢なので「定期点検」を受けようと思っており、ちょうど良い機会と思い、今年に入って2回にわたって通院し、歯石除去をしてもらい清清しい気分に満ち溢れる思いを満喫した。
しかし、そんな気分もほんの束の間、今度はなぜか「出口」の方に違和感を覚えるようになった。人間はいわゆる一本の「チューブ(管)のようなもの」だと言われるが、奇しくも数え56歳にして、「Inlet(入口)」と「Outlet(出口)」が同時期にトラブってしまうとは、偶然とはいえ改めて我が齢を痛感させられる思いがした。
ここに至った原因に想いを巡らすと、この暮から新年にかけて、これまでになくハードに自転車に乗りまくったせいかとも思ったが、どうも自転車のせいでもないらしい。真相は後ほど明らかになるのだが、先週末に女房が洗濯時に私のパンツについた「赤信号」を発見し、その指摘に初めて今自分が置かれている状況に気づいた。
早速、インターネットで調べると、「あるある大痔典」ではないが、詳しい情報を発見することができ、まあ症状から見て癌ではないようだけれど、私は56歳にして初めて女性の心理を理解することが出来たわけで、「多い日も安心」な「自慢のアレ」が欲しい心境とともに、とにかく処置が必要なほど急を要したのであった。
そこで、たまたまこの道では少々「先輩」にあたる某氏に電話して、その時の状況を聞いてみると、その場で「血豆」のようなものを除去するだけなので、入院も必要ないし、直ぐ終わる、ということだったので、まあ自分もその程度で納まるだろうとタカを括って水曜日の朝一番から、市内栄町のS医院を目指した。
駐車場は、裏通りの目立たない場所にあり、さすがこのような病院は閑静な場所を選ぶんだ、と勝手に納得して歩き出したが医院がない・・・アレ?っと思い振り返って見れば、国道1号線から伝馬町に抜ける人通りの激しい大通りに玄関があるではないか。しかも9時といえば、OLや学生など、なぜか圧倒的に若い女性の群れが絶え間なく行き来している大通りではないか!
もし自分が、まだ紅顔の美少年の頃であれば、恥ずかしさに身悶え、顔を伏せたまま踵を返したと思うが、そこは年の功、オジサンはいささかも怯むことなく、威風堂々病院の玄関を潜ったのだった!
さて、受付けを済ませ待つこと数十分、自分の名前が呼ばれ診察室に入れば、なかなか男前の先生による診察が始まった。まず、後半分が大きな穴のあいたデカパンをはかされるのだが、上下揃いならまだしも、上はネクタイ姿で下はデカパンというミスマッチな出で立ちで、まったくもって尊厳などない姿に、これだけは知り合いには絶対見せたくないなと思いつつ先生と向き合った。
先ず、事前に「調書」を書いてあるので、それに従って簡単な問診を受けるのだが、待合室で待つ間に、事前に症状や治療についてのVTRを見せられており、なぜ自分が今こういう状態にあるのか薄々は感づいていた・・・
そして、「トイレの時間は?」という質問に、「5分位(実はこれでもまだ過少申告)です、スイマセン『読書』してます」と答えれば、「貴方は急にこのような症状になったと思うかもしれないけれど、なるべくしてこうなったんですよ」とグウの音も出ないご指摘!ハイ、判ってます、これまで何度となくトイレ読本を女房に叱られたことか!
それから診察が始まったが、昨日までは、モダンな椅子に安楽な姿勢で仰向けになり、癒し系の音楽と環境ビデオを鑑賞しながら歯石を除去してもらい、虫歯ではないので特にどこが痛むわけでもなく、スッキリ爽やかになり行く口中を思いつつ優雅な時を過ごしていたのに、それに引き換え今日は何だ!?「野戦病院もかくや」と思わせる、硬い質素なベッドに枕がひとつ・・・「はい、仰向けになって」と看護士(婦)さんの声に、それまで他人の目の前に我が尻を突き出す格好を頭の中でシミュレーションしていた自分としては、一瞬我が耳を疑い、瞬時には体を反転させることができなかった。
「あ・お・む・け」ですよ、と再度促されて、「あ、はい」と返事はしたものの、頭の中ではマッハの速度で「エ~どうなっちゃってんの?」との思いが駆け巡る中で、モタモタとベッドに這い上がり、仰向けになった途端、今度は背中に枕を押し込まれ、エビゾリ状態に・・・「う~ん、ますます判らん!」と戸惑っていると、今度は看護士さんが二人がかりで左右の脛の辺りをそれぞれに掴むと、膝が私の胸の近くまで来るように脚を上方に押し曲げ、次に左右の手を両膝の裏に誘導し、自らの脚を左右の手で抱えるような姿勢をとらされた。
またまた、56歳にして「出産に臨む女性の状況」を体験することとなった私は、もう成す術もなく、医師の診察を待つのみだった。まさに「まな板の上の鯉」だ・・・そこにおもむろに先生登場! 患部を観察しつつ、予想通りの「外痔核」との指摘があり、これはいわゆる「血豆」のようなものが火口外輪山周辺に出来ており、これは今直ぐこの場で除去できる、とのことだった。入院の必要もないらしいので、ほっと一安心する。
お次は、看護士さんに促され今度はトイレに連行されたが、そこでは、クラウチングスタイルをとるように要求された。骨盤を立てて走り慣れている自分ではあるが、今度は何をされるのかという不安が先行し、ひとり寂しくまさにこれぞ元祖「うんこ座り」の格好のまま、不安と共に待つことしばし、そこに手鏡を持った先生が現れ、初めて見るローアングルからの初めてのご対面をさせられることになった。せめてもの救いは、オジサンのおケツにしては、色白で滑らかでポッチャリしているので、ちょっと許せる気もしたが、良い眺めとはお世辞にも言えない。
「え~い、控え居ろう、この御方をなんと心得る!この御方こそ、先の徳川三代将軍、水戸光圀公なるぞっ、控え、控え~い!」てな感じで、鏡の真ん中には、恐れ多くも「菊の御紋」の水戸様が鎮座ましまし、その脇には「核」さんが、ハッキリ映っているではないか。
観察を終え、またエビぞり開脚膝抱えスタイルに戻り、場面は診察から即治療に変わった。患部周辺をつつかれているのか、揉まれているのか、つい声にならないうめきが出てしまう。来るべき痛みに備えて守りの態勢をとる間もなく、ウッとくる痛みの一瞬の後、「ハイ元気な男の子ですよ!」みたいなノリで、取れたての赤いお豆を目の前に突き出され、その小指の先ほどの我が分身に、「はじめまして、私がパパよ!」の挨拶もそこそこに患部にガーゼを当てて一丁上がり!
しばらく安静の後、出血がないか確認するため「出ケツ」を要求され、異常のないことが確認されて治療は終わった。「持たず」「作らず」「持ち込ませず」の「非核三原則」を貫いてきたとの痔核・・・もとい自覚は儚くも消え去り、今は「サイスポ(サイクルスポーツ)」を便座の上で長時間耽読した日々を反省し、今後の更正を誓いつつ病院をあとにした。
そして今、マイ・ボトムには、厚く折った滅菌ガーゼが、絆創膏で出入り禁止のバッテン印のごとく貼られ、少々内股歩きを強いられながら、無粋なパッドが取れる時を心待ちに過ごしているのだが、先日話題になった、ローディーの脛毛剃りの話題ではないが、どうせ脛や腿の毛を剃るなら、もっと上まで剃っておいた方が良いと思う次第。なぜって、絆創膏で貼られた周囲の毛が歩いたり、座ったりする度にひっつり、患部の痛みはないのに、毛のひっつりが妙にヒリヒリと痛むのだ!あれだけいろいろなパッド類が巷に溢れている時代に、絆創膏でバッテンもないとは思うが、ファッションに無縁な箇所ゆえに商品開発の目も向けられないのだろうか? 今度、自分が経験を生かして、実用新案でも出願してみるか? 「多い日も安心、歩いても、座っても、ひっつらない、デリケートなボトムに優しいパッドです」・・・と。
さて、この土曜日に果たして伊豆侵攻作戦を計画中の自分にとっては、今やギリギリの選択を迫られてはいるものの、核を持ち込まないと決まった今となっては、妻良の皆さんもきっと非核武装の私を歓迎してくれるものと、天気予報がますます怪しい状況を帯びつつある中で、今一度作戦の決行を固く誓うのであった!

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
デリケートなボトム (massimo)
2007-01-25 22:44:02
ボトムは強い力が加わる反面、緩みやすいしデリケートなんですね。ベアリングがゴロゴロしたりもしますね。勉強になります。
何歳になっても初体験!新鮮!カルパッチョ!駿河湾!
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後日談 (Tosh)
2007-01-30 09:27:09
1月29日に、三度目の診察を受け、患部を一瞥した先生から、「はい結構です!」ということで完治宣言がだされました。 The end(痔エンド)・・・
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後日談 その2 (Tosh(ヂもT))
2007-02-05 23:36:40
その後の「水戸様」のご機嫌は大変麗しく、1月27日~28日にかけて実施した「伊豆ツーリング」と2月4日クラブランなど、長距離走も「無痔」完走できましたし、患部も全く異常ありません。
以上、術後の「ケツ末」のご報告まで・・・
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