土壇場Beauty

観劇、ライブ、読書の感想などをつれづれに。

3軒茶屋婦人会 紅姉妹@シアタードラマシティ

2011-05-06 23:34:38 | 観劇


3軒茶屋婦人会第4弾はニューヨークを舞台にした現代劇(?)
テーマは「謎解き」三人の女たちの秘められた謎が時間を遡っていくことでどんどんあかされていく。

とはいえ、殺人とか大きな事件がおこるわけではなく、3人の日常会話であれれ?って思うところが何カ所かあって時間が遡ると解消される。
で、最後に3人の出会いが描かれてずっと疑問だった3人のなれそめがあかされる。すっきり。という流れ。
時間の遡り方も自然で軽い疑問はみてる方がわすれないタイミングで解決されて、物語の根幹を示す大きい疑問は最後にああなるほどというタイミングであかされる。物語を最後まで退屈せずにみさせるテンポが早くもなく遅くもなくちょうどよかった。

うーん、でも女三人いればヴァニティーズみたく嫉妬とか見栄とか男のとりあいとか陰険な争いがありそうなもんなんだけど、そういうのが全然なかった。長く密にいっしょにいるからそれぞれに対する不満みたになのはあるけどそれは家族なら当然のことだし。
なんだかその辺あっさりしてた。
敵国人として差別された日系人同士生きるのに精一杯でそんなくだらない争いをしてるヒマなかったってことかな?

うーーんでもウドンゲがすごいよかったから、あっさりしすぎてて物足りない。

出演者は女3人なんだけど息子が一人いて(誰の息子かは最後にあかされる。)3人からよってたかってあーだこーだ世話やかれたらそりゃダメ人間にもなるわなとちょっとかわいそうになった。
第2次戦争中にアメリカにいた日系人の話なんだけど、「お父さんは勇猛果敢な軍人で~あなたはその血を引いてるんだから~」と二言目にいわれ続けたらうっとおしいだろうし余計自分がダメ人間に思えるだろ。しかもあったこともない父親なら自分の父親像がないからただでさえ自分という存在の基盤があやふやになってるのに。

はっ物語の本筋とは関係ないことを長々とかたってしまった。

篠井さんの女形はさすが圧巻。90代から20代の女性をみごとに演じ分けていた。ちゃんとその年代の女の人に思えるから篠井マジック!!
時代が遡って若返っていくにつれフェロモンムンムン。アメリカ生まれの日系2世の奔放な女性をみごとに体現してた。なんなんだろう。所作なのかな。ほんと見惚れてしまうくらいきれいなんだよ、たち姿も座り姿も!
大谷さんは20代の女性はさすがに無理があった(^^;着物のせいかごつい体つきのせいか、やっぱ所作なのかな?演劇は観る方の想像力ありきになっていたw
演技はさすが圧巻なんだけどね。
女中たちの感想でもかいたけど、大谷さんが女を演じると男女こえた人間というかなんか抽象的な存在になる。演じるキャラクターの本質を捕らえて本質を体現する感じ。すごく巧い役者さんなんだよね。もっと世間に知られてほしい。

なんだろう、篠井さんがインスタンスで大谷さんがクラス?そんな感じ。局所的な人にしかわかんない例えですんませんw

深沢さんはこれ書くとネタバレになってしまう。篠井さんとはちがった意味で性別をこえてる。体型のせいかな。おばちゃんが自然すぎてどうしようw

楽日なのに両端のブロック再前列半分くらい空いてて観てるこっちが申し訳ないきもちになった。関係者席だったのかな?
後ろの方までだいたいうまってたぽいんだけど。

あとチャリティサイン色紙買ったらポスターついてきた。ポスター家に飾らないんですorz
つか帰省中なのに・しかも魔除けアイテムだしwww

拡大版3軒茶屋婦人会楽しみにしています~

港町純情オセロ

2011-05-06 23:31:09 | 観劇
オセローを戦中の昭和のやくざ社会の物語にアレンジ。
なんちゃって昭和にシェイクスピアがベストマッチング!すごいはまりようだった。

原作では悪意の塊だったイアーゴはたたき上げのやくざになっててインテリやくざにとってかわられた恨み+個人的な恨み(たぶん勘違い)でオセロに復讐する意味合いが原作より自然だった。きっちり物語をつくりこんでたせいか、蜷川版をみたときに感じた萌えは全然感じなかった。

石原さとみちゃんはお金持ちの箱入りだけど凛としてて無邪気でお子さまなんだけど肝がすわってる。ただただ純粋だったデズデモーナよりちょっとたくましい感じかな。
でもかわいい。もう清純できらきらしてた。

エミリーにあたる役が姉弟に分離されててデズデモーナの不貞のねつ造に協力するのは弟の方だった。大東くんおねえキャラ熱演。すばらしす。姉のほうは松本まりかさん。ちょうどファフナーみてたから真矢ちゃんの中の人だあと思ってみてた。しゃべり方も同じ。でもほかの役者さんとくらべて単語がクリアな気がするw
クライマックスのこけっぷりがすばらしかったまりかさん、パンツみえるかとおもた。
そうか姉の方のキャラはいろんなことをあきらめたり乗り越えたりして達観してる部分があってもともと聡明だから伊東がよからぬことをしているのをうすうす気づいてる。そこでもなの負利になることはしない気がする。だから純粋でおバカで傷つきつづけてる弟が伊東に協力しちゃうんだね。
なんかその方が納得できる。

オセローの橋本じゅんさんはいつものじゅんさん。冒頭自身のヘルニアネタで自虐ネタかますなど。あと楽日ではっちゃけたのか、田中さんにむかってアドリブ連発で田中さんわらってセリフいえないときも。やりすぎだよwww
たたき上げのやくざの親分の冷静なところとか、初恋に浮かれるバカな男とか嫉妬のあまり狂気にかられるところとか圧巻でした。

冗長なセリフとかばっさりきってたけど、ここぞってセリフは原作のまま持ってきてたり取捨選択がうまい。
なんにでもアレンジできちゃうシェイクスピアがすごいのかアレンジしちゃった脚本家の人がすごいのか。

新感線らしい、笑いあり涙あり人情あり絶望ありの極上エンタテイメントでした。

千秋楽のせんべい撒きは自粛でかわりに役者さんがお見送り&笹蒲鉾手渡しだった。