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ときたまブログ

時々たまに気が向いたら近況を書くブログです。

恩田陸『きのうの世界』

2009年01月31日 | 読書録
豆乳白玉ぜんざい

豆腐料理店の「茂蔵」でデザート半額サービスをやっていたので、つい豆乳白玉ぜんざいを注文してしまいました。
太る太る…!

先々週に図書館から借りた恩田陸『きのうの世界』を読了。
面白かった~!
自分的には80点です。
(以下ネタバレ注意)





「塔と水路の街」として、昭和の風景を残すことでちょっとした観光地となっているM町。
その町の外れにある川の中州の丘、その頂上にかかる”水無月橋”で殺人事件が起きる。
その事件の裏には、町の重大な秘密が隠されていた――

丘で死体となって発見された男、その男について調べる者、誰も由来を知らない町の三つの塔、丘を見張る洋館、焚き火の神様、殺された男と同じ顔の男、町の秘密を知る一族…と挙げだしたら、きりがないくらいに謎がちりばめられています。
 章ごとに主人公が変わり、彼らの持つ断片的な情報をつなぎ合わせていくと、読者には町で起こった事件の全容が見えてくるという仕組みです。

色々張り巡らされた伏線は時々乱暴に解決されてしまうのですが(同じ顔の男が見せたビデオテープとか、最後の章のカラスとか)、三つの塔の意味については壮大な秘密が隠されており、その秘密が明かされる章は満足感が得られます。
あとは、焚き火の神様のシーンは読んでて怖かった。
『六番目の小夜子』の文化祭シーンもそうだけど、恩田陸は姿の見えない恐怖の描写とかうまいよな~。


最初はちょっと冗長なのですが、読みすすめて行くと後半からノンストップに読ませる力のある作品でした。

読書メモ

2009年01月11日 | 読書録
今週末は三連休なんですよね!
今日は日曜だけど、明日まで休みだ~!

昨日は図書館に行ってきました。
直木賞候補作になった恩田陸の『きのうの世界』を借りようと思ったのですが、既に貸し出し中でした。
昨年9月に出たばかりだし、仕方ないか…。

代わりに、有栖川有栖の『暗い宿』を借りてきました。
火村英夫シリーズの短編集です。
有栖川有栖は8年ぶりくらいに読んだなあ。
短編なんでさくさく読めました。

あと、最近読んだのは恩田陸『Puzzle』
『六番目の小夜子』で活躍した関根秋の兄、関根春が活躍するお話。
トリックが「そんな偶然ありえねー」的トリックなんですが、ちらばしてある謎の一個一個は悪くなかった。

おそろし!

2008年12月08日 | 読書録
この週末からめっきり寒くなった気がします。
もっと厚手のコート出そうかなあ…。
寒いと同時にチョコの食べ過ぎで顔にできた吹き出物が気になる…。

個人的な大仕事が終わって、今日は久しぶりに心に余裕を持って出勤できた気がします。
夜も早く帰れたし。
ようやく肩の荷が下りたなあ。


昨日はようやく宮部みゆきの『おそろし』を読みました。
一応オムニバス形式なので、一話ずつ読もうとか思ったけど、全然止まらなかった。
結局、ラストまで一気読みです。
宮部みゆきは読みやすい。
そして、適度にキャラ萌え(という言い方は変かな。肩入れしやすい人物像とでも言えばいいのか?)交えつつ、得意の江戸、怪異という舞台を活かしていると思います。
そして、ご都合的に全ての登場人物を書き捨てない。
今回のお話の根底にはつい悲劇の主人公達の影に隠れて、もっと割の合わない目にあった人の存在への指摘が溢れています。

ところで、『おそろし』のラストは、主人公が聞いた悲しいお話の中に出てくる人達(死人)が、主人公を助けに来るという超王道展開でした。
こうゆうお約束だけど熱い展開は大好きで、大河『篤姫』でも、幾島が篤姫のために西郷さんに嘆願に行く回は本当に泣きました。
あれは、主人公と別れた昔の友が、主人公の窮地に現われる王道展開なんですよ!
「昔の約束を果たしに来た(約束してないけど)」、「俺達の友情は永遠だぜ!(友情ではないけど)」的な少年漫画の王道に近い。
もう篤姫と幾島の絆に泣いた。

上様(堺雅人)や殿(高橋英樹)の回想回も泣いたし、直五郎さんとの再開の回も泣いたけど、やっぱり幾島が直訴に行く回が一番熱かったです。
『篤姫』も来週最終回だなあ。
直五郎さんは話の途中で死ぬだろうと思っていたのですが、結局篤姫周辺の男性としては、最終回まで生き残りましたね。
篤姫とW主人公みたいなものだからかな。
ところで、直五郎さんは初恋の篤姫をずっと引きずってる上に、京都のお姉ちゃんとうっかり子供まで作っちゃって、正妻のおちかさんにしてみたら結構酷い人なんですけどね…。

結局、『おそろし』から大河の話になってしまったよ。

今日買った漫画

2008年02月27日 | 読書録
(gooブログはアドバンスじゃないとamazonの紹介機能使えないそうです。アフィリエイトはいらないから、表紙画像を表示させたいのですが…うーん)

親戚から貰った百貨店のギフトカードがあったので、漫画を買いに行きました。
(ここで漫画を買ってしまう辺りが、何とも言いがたい…)

まずは一冊目。
漆原友紀『蟲師 9巻』

表紙画像を見ていただくと一目瞭然ですが、今回の表紙は蓮!なのです。
淡い朱色と草色がいい味出してる。
(別に表紙が蓮だから買った訳じゃないですが…)
『蟲師』の表紙は色合いが落ち着いていて好きです。

収録作品は以下の5話(と一言感想)。
「残り紅」…おじいさん切ない。
「風巻立つ」…ハーメルンの笛吹ギンコ。
「壺天の星」…同じ場所にいるのに次元が違うというと、何となく『世にも奇妙な物語』の「帰れない」を思い出す。
「水碧む」…タキはギンコを詰るかと思ったのだが。
「草の菌」…若ギンコ。

『蟲師』ももう9巻です。(何故か1~4巻とこの9巻を持ってる)
一番好きな話は「残り紅」。陽吉おじいさん切ない。
次点が「水碧む」です。カラーページの涌太はちょっと怖い。実は展開が予想できませんでした。
各話満足のいく短編集です。


実はこんな漫画も買いました。↓
(ギフト券はおつりが出ないって言うんだもの)
色んなブログやサイトで評判を聞き、前々から気になっていた作品。
中村光『聖☆おにいさん 1』(聖と書いてセイントと読む)

目覚めた人ブッタと神の子イエスが、天界から下界に遊びに来ているというぶっ飛び設定。
二人(?)は立川の安アパートで暮らしています。
細かい笑いツボが各所に織り込まれている聖人の日常生活漫画です。
私の一番のツボは「名前が一番日本人的だから」という理由でマルコに保証人を頼むコマ(5話)でした。

ところで、この漫画も実は口絵カラーに蓮の絵(というか蓮に乗ったブッダとイエス)があるのです。
意図せぬ所でも蓮。

秋なので。

2007年11月12日 | 読書録
食欲の秋と言いますが、毎日焼き芋を食べているせいか、ぶくぶく太ってきました。
腹の肉の摘める具合がまずい。
それにしても、焼き芋は美味しいですね。
最近はスーパーでも石焼き芋が売っているのが嬉しいです。
あの石焼き芋機(?)が欲しい。

さて、秋と言えばもう一つ。
読書の秋、ということで私にしては本を読んでます。
とは言っても、時間の都合もあり毎日ちまちまと読んでいます。
最近読んだのは、以下の二冊。
三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)
大原まり子『やさしく殺して』(徳間書店)

両方とも図書館で借りました。
最近は検索・予約・他の館からの取り寄せをネット上でできるシステムがあるから便利です。
三浦しをんの直木賞受賞作と大原まり子のSF。
『やさしく殺して』はイル&クラムジーシリーズの4作目。
分類上SFらしいのですが、分類不能な感じです。
(そもそもSFに詳しくないから、SFとは何たるかがわからない。人に聞いてみたら「少し不思議」と藤子F先生の名言でかわされ脱力です)

この大原さんがSFCソフト『ガイア幻想記』の脚本していたと知って驚きました。
『ガイア幻想記』はインカや万里の長城、アンコールワット等の世界の遺跡を舞台に冒険するRPGです。
ドット絵なのでよくわからないけれど、実はキャラクターデザインが萩尾望都さん(※少女漫画界の「花の24年組」を代表する漫画家。未だ現役)だったりして二重にびっくりします。

『ガイア幻想記』で一番記憶に残ってるのは、海で遭難した主人公の友達からのモールス信号を受信する場面。
その友達は海を漂流する内に、体が海の怪物リヴァイアサンに変わっていってしまうのですが、最後に残った理性で自分が怪物になってしまうことをモールス信号で主人公達に伝えてくるのです。
もうすぐ人間としての意識が消え、完全に怪物になってしまう、という友達の言葉を淡々と解読するシーンは子供心に恐ろしく思ったものでした。


何かまた話が脱線した…。
先週が意外と忙しく、今週はまた忙しいことが予想されます。
まだ読みたい本が色々あるんだけどなあ。
せっかくの秋の読書だし、時間を有効に使う工夫をしないといけません。

漫画版『皇国の守護者』1~4巻読了

2007年09月29日 | 読書録
漫画版『皇国の守護者』(原作:佐藤大輔、漫画:伊藤悠)を読了。
火曜日から金曜まで一日1冊のペースで読んでいきました。
(一気に買って読むと、睡眠不足になるから)

以下、若干のネタバレ注意。

龍と人が暮らす架空の世界を舞台に、「皇国」と「帝国」の攻防を書くお話。
緊迫するストーリー展開と説得力ある作画とで読み応えありました。
読んでいて後味がいいお話ではないのに(特に2巻の辺りとか)、続きが気になるという漫画です。
どう読んでも、主人公の新城直衛が善人ではないです。「戦争」という状況下では、善悪も正義も無用になってしまうという現実をつきつけられます。
単純にかっこいい!と思えるシーンもありつつ、容赦なく敵味方の人が死んで行くのでとても爽快な気分にはなれません。
1巻~4巻の毎巻で名前のある味方がどんどん死んで行きます。
西田と隕鉄(※剣牙虎(けんきこ)…主人公達はもともと「剣牙虎」と呼ばれる猛獣サーベルタイガーを使う隊なのです)も、個人的にお気に入りだった伊藤少佐も、金森も漆原少尉も死んでしまいました。
あゝ無情。
捨て駒にされた西田と隕鉄の決死の戦闘シーン、「やっぱり猫が犬死には駄目だ」から最期の「来る…か 隕鉄…」の流れが最高です。
隕鉄…!!(泣)
余談だけど、小さい頃と若かりし頃のユーリア(帝国軍の姫将軍)がすごい可愛い。今でも美人だけど。
あと、カミンスキィが家に戻った時の母と姉達の態度は酷いよ。

4巻ラストで味方が逃げる時間稼ぎを終えた新城は、帝国軍に投降するのですが、別れた味方の隊の安否が不安。
兵藤少尉と妹尾少尉は帝国軍に惨殺されていそうで怖いです。
諸事情により11月発売の5巻が最終巻になるようですが、5巻を見るのが楽しみのよであり不安であり。
とりあえず発売までやきもきしてます。

『容疑者Xの献身』読了

2007年08月30日 | 読書録
東野圭吾著『容疑者Xの献身』を読みました。
これにて現在書籍化しているガリレオシリーズは全て読了のはず。
私的夏の目標も達成です。

思えば、数年前に友人に『探偵ガリレオ』を薦められたのが始まりだった。
当時住んでいた市の図書館の『探偵ガリレオ』は常に貸し出し中(人気があったというより、借りた人が返してなかったみたい)で、全く借りられなかったのです。
区立図書館で予約かけてようやく読むことができました。

以下、話の内容について少々触れますので、ネタバレ注意。

この話のメインは人の思いのやるせなさにあるように思います。
人間はそれぞれの気持ち・思惑を抱えていて、それは他人のものとは重ならない難しさを思い知らされた気がします。
勿論、推理物としての面白さもありますが、それ以上に人間の思惑の絡み合う様と、石神、湯川の思いのやるせなさがよかったです。
ラストで花岡靖子のとった行動は理解できます。
あの立場に立たされたら、たいていは重みに耐えきれずにあの選択をするんじゃないだろうか。自首せずに、あの重い秘密を抱えて生きていくとしたら、その後の人生はかなりつらいものになると思います。
結果、石神の願いは叶えられず、誰一人幸せにはなれなかったけれど納得の行くラストでした。
それにしてもやるせないなー。

地球へ…

2007年04月09日 | 読書録
買ってしまいました。

TVで「地球へ…」を見ていて、ついつい先が気になり新装版全3巻購入。
厚さの割に一冊の単価はそれ程高くないです。

若干ネタバレ注意。
監督も言っていたけど、ソルジャー・ブルー格好いいな。
アニメじゃきらきらしてるし。
原作読んでからアニメOPを見ると、映像と歌詞で若干今後の展開がネタバレしているのがわかります。
(というかOPは話の流れの要約)

同じ竹宮作品の「イズァローン伝説」のティオキアでも感じたことだけれど、指導者になったジョミー(主人公)が超人すぎてあまり親近感が湧かなくなってしまうのが難点です。
ソルジャー・ブルーは最初から「理想的な指導者」と描かれているのでいいんですけど、ジョミーは最初は普通の少年だったわけです。
しかしブルーの遺志を継いで登場する二部ではジョミーじゃなくて、すっかりソルジャー・シンになっちゃってるんですよね。
冷酷と評されるキースの方が色々ばたばたしていて人間味を感じる。
でもそれは、ジョミーがミュウ(新人類)の長で、キースが人間なのだから狙って描かれているとは思うんですが。
それにしても、「地球システムによって感情を平均にならされた人間達」代表のキースに人間味を感じ、「感情的になりやすいミュウ」の長ジョミーが超人的に感じるというのも不思議な話です。

追記。
色んな人の評を読んだら、色々な解釈をしていて面白いです。
目から鱗。
因みに、キースの方が人間味があるというよりは、キース周辺の方が人間関係が面白いってのも魅力的に思える要素だと思う。
(ジョミーも闘うことに葛藤してるんだけど、彼の場合周囲の人間関係には比較的達観しているから)

匂いをかがれるかぐや姫。

2007年03月11日 | 読書録
笑いかナンセンスか、紙一重。

色々あって、現実逃避に読んでみた本です。

文・原倫太郎 絵・原游『匂いをかがれるかぐや姫 ~日本昔話remix~』

先週の読売新聞で紹介されていたこの絵本。
日本の有名な昔話『一寸法師』、『かぐや姫』、『桃太郎』の簡易現代語版を自動翻訳機にかけて英文にし、さらにその英文をまた翻訳機にかけて日本語になおしたら、どうなるか?というもの。
誰でも一度は遊ぶ(?)翻訳機遊びを昔話で試して、並列してみようという本です。
前のページに白黒イラストで書かれた現代日本語の昔話が掲載され、次のページでは英文と並列して、翻訳された日本語文が載っています。
因みに、翻訳ページのイラストは、はちゃめちゃな日本語に合わせてカラーのシュールな絵になっています。

翻訳機にかかると、
『一寸法師』→『少量法律助言者』
『かぐや姫』→『匂いをかがれるとすぐに、プリンセス』
『桃太郎』→『桃タロイモ』
こんな感じ。
…かぐや姫は固有名詞として認識されてないし、桃タロイモって何だ。

自動翻訳機の不完全な訳しっぷりが、笑いを誘います。
言語って難しいよね。
しかしこの作品、遊び心としてはよくわかるし、実際翻訳の暴走っぷりが面白いのですが、ナンセンスと紙一重です。
これを笑いあふれる遊び心ととるか、意味ないよ!ととるかは正直微妙な所です。
こういう発想は大好きなのに、何故かふと白けそうな自分がいた事に驚きでした。
何がひっかかるのかは自分でも謎。

因みに、私が一番うけたのは下記の文。

元の日本語   『うーむ』
翻訳語の日本語 『浮動皮。

何でうなり声が「浮動皮」…!?

読書録1

2006年06月20日 | 読書録
最近通勤中に読むように本を借りてます。
で、先日読み終わったのは恩田陸『球形の季節』

恩田陸といえば、(私的には)『六番目の小夜子』の作者、というイメージです。
『六番目の小夜子』は日本ファンタジーノベル大賞第三回佳作。この回はメンバー見ると豊作なイメージですね。

この回で大賞受賞を逃した恩田陸はこの『球形の季節』でノベル大賞再挑戦しました。
話の筋としては、東北の谷津という町の高校生の間で奇妙な噂が流れ始める。やがて噂が現実になってゆき…という感じ。

『六番目の小夜子』と同じ学園ホラー+青春みたいな話ですが、両者ともに序盤~中盤までの盛り上げがいいのに、ラストがいまいちです。
『六番目~』はラストでの真相解明が曖昧で、ちょっと釈然としない感じ。
『球形の季節』は曖昧というか、潔いまでに読者の想像にお任せ。しかし、あんな所で切られたら私的にはもやもや感がいっぱいです。読後がすっきりしませんでした。
やはり同系作品としてどうしても『六番目~』と『球形~』を比べてしまいます。そして、個人的には文化祭のシーンの迫力が凄かった小夜子に軍配あげます。
でも『球形の季節』も先はどうなるんだろう?と読者に思わせる急進力はかなりあり。だからこそラストに納得いかない…。
散々『六番目の小夜子』と『球形の季節』を比較しといてあれですが、恩田作品(しかも学園ホラー系)としては『蛇行する川のほとり』が一番好きだったりします。

今恩田陸関連の感心といえば『夜のピクニック』の映画でしょうか。地元が舞台なので。