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古代ギリシアの競技祭

2015-06-16 | オリンピック
 
 
今日の「オリンピック競技会(jeux olympiques, olympic games)」は

古代ギリシアで千年以上続いた

「オリュムピアー競技祭(olympiakoi agōnes : ολυμπιακοι αγωνεσ)」を引き継ぐものです。

古代ギリシアでは「オリュムピアー競技祭」以外にも 様々な競技祭が開催されました。

下の地図には、その中から、

古代ギリシア全市による 四つの「汎ギリシア競技祭」と

アテーナイとその同盟市による「汎アテーナイ競技祭」の開催地を挙げておきました。

さて問題です。それぞれの競技祭の開催地は下の地図の何処にあたるでしょう・・・

四つの「汎ギリシア競技祭」

1.オリュムピアー(ολυμπια)の「オリュムピアー(ολυμπια)競技祭

2.デルポイ(δελφοι:古名ピュートー(πυθω))の「(ピューティア(πυθια))競技祭

3.ネメアー(νεμεα)の「ネメアー(νεμεα)競技祭

4.コリントス地峡(ισθμοσ κορινθου)の「イストゥミア(ισθμια 地峡の)競技祭

「汎アテーナイ競技祭」

5.アテーナイ(αθηναι)の「汎アテーナイ競技祭


大きな地図はこちら






解答:左から順に1,2,3,4,5で正解です。地図上の印を叩くと 解答が出ます






---

では次に、それぞれの競技祭のスタジアムにズームインしてみましょう!

 上の地図 右下の 距離の目盛が 「100m」「50m」位になるまで「+」ボタンでズームインし、

 左上の地名をどれか押すと (出ていない場合は左上の「点 横棒」x 3 のボタン押下)

  → 古代ギリシアの 各スタジアムに 移動します

 平面図等も参考にしながら
 
 山、水辺(川や海)のありようや、
 神域、スタディオン(スタジアム)等の 配置を確認してみましょう!




(以下、各競技祭の開催地案内)

1.オリュムピアー(ολυμπια)競技祭

 紀元前776年再開 - 紀元後393年頃迄 1000年以上にわたって開催
 (キリスト国化したローマ帝国による 強制終了/神殿破壊)

 ヘーラー/ゼウスの神域とセット

 2つの川(西側にクラデオス川, 南側に大河アルペイオス川)の水辺

 勝者には 神域に生える オリーブ(κοτινοσ)の 冠 

 平面図の例





2.デルポイ δελφοι(古名ピュートー πυθω)のピューティア(πυθια)競技祭

 紀元前582年、アポルローン讃歌(παιαν)の音楽競技に、運動競技が加わる

 ゼウスの子で 音楽等の神 アポルローンの神域とセット (催し物を観る θεατρον(テアートロン)等も)

 北側に パルナーソス山(παρνασσοσ山)

 東側に カスタリア(κασταλια)の 泉と 峡谷
 南側 崖下に プレイストス川(πλειστοσ川)(→水涸中)

 勝者には本場「テンペー渓谷(*)」産の月桂樹(ダプネーδαφνη)の冠
 (*)アポルローンに追われた δαφνηが 月桂樹になった、オリュムポス山下 ペーネイオス川 河口近くの 渓谷

 平面図の例





3.ネメアー(νεμεα)競技祭

 紀元前573年頃から汎ギリシア大会に

 ゼウスの神域とセット

 エリッソス川(ελισσοσ川)(?)の谷頭の水辺(→農地)

 勝者には 芹(σελινον)の冠

 模型の例
 (地図で言うと左から右を見た構図の 写真と模型。
  写真右奥にスタディオンがありますが、模型ではカットされています。
  模型手前には、練習用走路と、馬絡みの競技に使う「馬走り(ヒッポ・ドゥロモス)」も)





4.コリントス地峡(ισθμοσ κορινθου イストゥモス コリントゥー)の イストゥミア(ισθμια 地峡の)競技祭

 紀元前582年頃から汎ギリシア大会に

 海辺の競技祭 海神ポセイドンの神域とセット

 勝者には 松(πιτυς)の冠

 「今日でも(紀元後二世紀)海沿いに松が生え」(pausanias 2.1.3)

 平面図の例





5.アテーナイ(αθηναι)の「汎アテーナイ競技祭(παν_αθηναια)」

 紀元前5世紀には、アテーナイの同盟市も参加する汎アテーナイ大会に

 処女神(パルテノス)アテーナー(ゼウスの娘)の神域である

 アクロポリスのパルテノーン神殿を見上げる イーリーソス川の水辺

 勝者には オリーブ油の入った 壺

 平面図の例




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