最近ちょっとネタに走っていてそれでいても充実させているつもりの中身が軽視されてしまうかも知れないと思った。
だから、今回はちょっと僕の経験したとても正気では考えられない行為について話す。
…あれから丁度3年あまり経った。3年前…あの時、僕はセンター試験が終わって、2次試験を控えていた。その時、世間を騒がすニュースがあったことを覚えている人も多いだろう。
うちの県は南部はほとんど雨も雪も降らないが、北部に行くと、この時期は雪が積もる事も珍しくない。3年前のこの年、県北の方で遠くからたまたま来てた姉妹が雪山で行方不明になった事件があった。姉妹はまだ8歳と5歳だった。結論を先に述べると結局行方不明になってから2週間ほど経って、遺体で発見されたと言う事件。
行方不明になったという次の日、新聞に大きく報道された。それを見た僕は、荷物を揃えて電車で遠路はるばる事件の起こった村に向かって、さっそく何気なく捜索隊に紛れる事もなくいくつかの情報をキャッチして山の方に向かった。当然僕は姉妹やその血縁の人と面識があったわけでも、その村に愛着や義理があったわけでもなかった。受験を控えた人間の奇行にしか見えないだろう。
この時の僕は、1浪していた上に色々抱えている事もあって、情緒がおかしかった。親ともよく喧嘩をしていた。何て言うのか、自分は自分が考えているより何も出来ない、と言う感じで、輝いた生き方も出来ないし、格好良くも生きれないし(何言ってるんだろう)、端的に言うと自分自身を見限ってた感じかな。だから、その記事を見たとき黙っていられなかった。
「こんなろくでもない俺なんかよりもきっと、その姉妹の方が世の中に必要とされているはず!」
そう思った僕は2次試験などすっかり忘れて家を飛び出していた。
しかし僕は馬鹿だった。助け出すために必要だろうかと考えて背負っている荷物が約20キロ、履いてきた靴はスニーカーだから雪が体温で溶けて水分が入ってくる…。そんな感じで昼から夜中まで雪山で探し続けていた。
手足が凍え始めて、体の限界を何度も超えたが、ついに本当に限界を迎えて下山…。結局自分の家に帰ってしまった。
2週間後、姉妹が遺体で発見されたという話を新聞で見たとき、言葉に表せないほど悔しかった。もしもう少し自分を押して探したら見つかったかも知れないのに…と思ったらやりきれなかった。
で、そんなメンタルで2次試験を受けて、何とか合格して今に至るわけだけど、毎年この時期になったらその事件を思い出す。