ST祭、それは北大柔道部の中でも「男子校出身者のつどい(通称男子校)」会員のみに参加が許された、男達による聖夜祭である。これまで、数々の歴史が刻まれてきた伝統あるこの聖夜祭。今回はどのような事が起こったのか、その一部始終をここに記そうと思う。
12/24 14:45に、現男子校筆頭であり、男子校で且つ全寮制の中高一貫校出身のサラブレッドである長尾がLINEにて、今年のST祭の開催を呼びかけた。部室に18時に集合との事。
集まったのは、現役部員から長尾・桑村・門馬・ぼごん・彬・福田。そしてOB枠で前筆頭の大脇さんに北川さんというラインナップ。
読者はここでお気づきかも知れないが、男子校という組織は、必ずしも高校が男子校だった者の集まりという訳ではない。中高と共学にいたのに男子校会員の者もいれば、橋本のように高校が男子校でも男子校会員になれない者もいる。男子校会員は、入部してから半年間かけての厳正な審査をクリアした精鋭のみが所属できる集団なのである。
~閑話休題~
18時に集まり、我々はまず、部室にて各々好きな事をして時間を潰していた。というのも、門馬が朝9:30から部室にこもりひたすら年賀状を印刷していたが、340枚という枚数が思いのほか時間がかかっていた為である。
時間の潰し方としては様々であった。
ある者は道場内でドローンを飛ばし、
ある者達は大脇先生主導のもと、WHITE ALBUM2の鑑賞会を行っていた。私は、聖夜に見るアニメといえば、SCHOOL DAYSであるという固定観念があったのだが、WHITE ALBUM2を見ると、この主人公は伊藤誠とは違い、滅茶苦茶良いやつなのだが、良いやつであるが故に引き起こされる悲しい出来事もあるのだなと感じられる作品であった。SCHOOL DAYSとはまた趣の違う良い作品であると年賀状作業をしながら思ったものである。今回は最初の2話くらいまでしか見れなかったが、いつか全話みたいものである。ちなみにdアニメストアなら全話見れるらしい。
また、途中森本さんから男子校への差し入れをいただいたりもした(森本さんごっつあんです)。
さて、そうしているうちに年賀状作業も終わり、我々は北18条駅より地下鉄南北線ですすきの駅に到着した。目的地はノルべサの観覧車。なぜ男達で観覧車に乗る流れになったのかはよく覚えていない。
乗っている間は思いのほか楽しかったが、いざ降りるとなぜこのような事にお金を使ったのだろうかと考えさせられた。だが、「その場のノリ」というほか無いのだろう。
予約していた焼肉食べ放題のお店の時間がまだだった為、一同は同人誌などが多く販売されている店に行った。流石は男子校というべきだろうか。この手の店では皆生き生きとしていたように思う。特に、大脇先生による「自分好みの同人誌の探し方講座」は非常に為になった。いつかコミケで実践する機会があれば面白いと思う。
時間になり、焼肉食べ放題の店に入った。ここでの写真がないのが残念だが、お店が我々に似つかわしくないほどにオシャレな内装であったのを覚えている。筆頭の長尾による乾杯の音頭で食事会がはじまり、各々食事を楽しんだ。
「普段野菜を食べないから、ここで沢山摂らないと」とサラダばかり注文する大脇さん
福田とぼごんはお酒を中心に楽しんでいた。ただしこの2人は酔うとかなり面倒である。ぼごんは同じ話を繰り返す上にトイレに行って帰ってきたら頭がリセットされてまた同じ話をする事をひたすら反復する。福田は普段の会話が9割方テキトーなのに更に会話がテキトーになる。更には先輩にダル絡みする。それより、福田は横森より禁酒を言い渡されていたと記憶していたが、良かったのだろうか。まあ彼が後でどうなるかは私の知る所ではない。
桑村も諸事情より七帝戦が終わるまでの禁酒を言い渡されていたのだが、彼はその言いつけをきっちり守っていたようである。まあそれだけの失態をしたので当然であるが、ちゃんと約束は守るあたりは律儀である。
門馬はひたすら食べまくり、長尾と彬は静かに食事を楽しんでいた。
そうしていると、北川さんから「玉本がデートなうとかLINEで言ってきたんだけど」という発言が。それを受け、玉本さんに電話をかけた所、電話には出ず、「今ジャマしないで」と返信が来たとの事。嬉しいのは理解できるが、玉本さんも以前は男子校会員であったにも関わらず、我々にこのような仕打ちをするのはひどいのではないかと思った。
そうして食事を楽しんだ後、大脇さん・ぼごん・福田とはそこで分かれた。大脇さんは、WHITE ALBUM2の続きを布教すると言い張っていたが、その後彼らがどうなったのかは分からない。
その他の者達は、地下通路を通り札幌駅まで帰っていた。
皆楽しそうである。しかし直後、韓国人の人に「写真撮りましょうか?」と聞かれて撮影をお願いしたのが間違い、写真を撮った後に、キリスト教?なんか良く分からない宗教の布教に遭遇してしまった。とりあえずテキトーに相槌を打って話が終わりそうなタイミングでそそくさと逃げたのだが、そこで彬がだまって何か考えていそうな表情をしていた時は上級生一同少し肝を冷やしたものである(良く考えれば、彬は元々そういうジャスチャーを取る事がたまにあるし、本人も「大丈夫ですよあんなのマトモに聞かないのが正解だって分かってるんで」と言ってたので一安心した。)。
こんな感じでST祭は終了した。来年のST祭ではどんなドラマが待ち受けているのだろうか。
そんな事に思いをはせながら、今回のキーを打つ手を止めようと思う。