「太平洋の向側 3」 固ゆで料理人
Chapter3 深夜プラス缶 Part1
二人は
「サバ?」
「サバ ヴィアン」
フランス語も日本語も解からない俺には理解ができない冗談で、二人で何度も笑っている。
国は違っても、子供じみた冗談は何度も繰り返しても可笑しいらしい。
「サヴァ・ビア~ン!ハハハハハ・・・」
まあ、仲良きことは美しきこと哉だ。
タナカサンはドロテを連れて、日本の水産加工船「コバヤシ丸」の船長に会いに行くことにした。
タナカサンは船長と知り合いなので、彼女を連れて行き、彼女がカンドーしたのが日本のサバカンかどうかを確かめに行くことになった。
タナカサンは何故かとても楽しそうだった。
大方の日本人男性は、美少女キャラが好きなのかもしれない・・・俺には理解するのが難しい趣味だ。
二人は
「そうですか、ドロテさん、貴方は竜巻に巻き込まれたですか。」
「ウィ、竜巻で目的地が変わります。」
「昔々、私は読みました。カンザス州で竜巻に吸い上げられて、知らない土地で案山子を作ったり、機械油を街角で売ったり、ライオンの飼育をしたりして何とか故郷に歩いて帰った少女の旅のドキュメンタリーを。」
「それはかわいそうなハナシですね・。」
「そうですね・・・あなたはその人よりラッキーです。なんと言ってもその女の子のハナシは前世期の初期の物語なのですから・・・。」
そうしゃべりながら二人はタナカサンの前世紀初期の英国車で波止場に向かった。
タナカサンがなんでこんな古い車に乗っているかと言うと、これはドン・コレステローレの親父さんが使っていた車を譲り受けたからだ。
ドンはサンマ缶とオカラのダイエットレストランが大当たりしたので、御礼にこの車をタナカサンに譲った。
ドンの親父さんの先代のドン・コレステローレはこの車をイタリアに行った際に現地の足用に購入し、そのまま気に入ってアメリカまで持って来たそうだ。
俺はドン・コレステローレに今度の仕事の終了の電話をするために、一度事務所に帰ることにした。
電話を入れて、全て終わりだ。
それから朝食を摂ろう。
事務所に帰り、机に腰掛けて机の上の電話を取り上げる。電話をするときはデスクに腰掛けるのが俺の仕事の伝統だ。
ドンの電話をすると、後でかけ直すとのこと。
俺はドンからの電話を待ちながら何か朝食になりそうなものを探す。
着替えやら歯ブラシやら銃やら弾やらを入れたバッグに、今回の仕事で貰ったJapanese秋刀魚の缶詰があった。
これでサンドウィッチでも作ろう。
秋刀魚の缶詰と玉ねぎはとても良く合う。これは本当だ。あまり見た目は良くないが、玉ねぎと炒めてもウマイ。
玉ねぎ、レタス、マヨネーズが基本だが、秋刀魚の味だけでサンドウィッチを作ると味が薄いので、マスタードやオリーブオイル、ビネガーなんかも少し使うのが美味い。ドレッシングなんかを使えば楽だ。
醤油系のドレッシングなんかもとても合う。
オーブントースターで軽く焼いてもウマイが、ホットサンドウィッチメーカー等で焼いてやると尚ウマイ。
又、これを焼き鳥缶や牛の大和煮缶で作ってもウマイ。
野菜が多目のサンドウィッチはウマイ。この国には美味いものは少ないが、色々な野菜の入ったサンドウィッチは凄くうまい。
サンドウィッチを一齧りしたところで電話が鳴った。
呼び出し音が3回鳴ったところで受話器を取り上げる。何故そうするのか今となっては思い出せないが、俺はいつも3つ数えてから電話を取り上げることにしている。
「おい、気をつけろ」
電話の向こうのドンが言った。
「今、カンザスの仕事に一緒に行ったハーヴェイから電話があって、奴は狙われたそうだ。」
「誰に?」
「狙ってきたのはコウ兄弟の弟の方のコウ・ケツアツだったそうだ。」
「兄貴のニョウサンの仇討ちか?」
「多分そんなところだろう・・・このままで済ましちゃ連中のメンツが立たないからな・・」
「ジョニーたちは大丈夫なのか?」
「ああ、うちの兵隊たちを護衛に付けている。」
「ならひとまず安心だが・・・・」
「なにかあったら連絡を取る。携帯を持ち歩けよ!・・じゃあな。」
「ああ・・・。」
携帯も重要だが、ワルサーも大事だ。
俺はこれからどんなときにも足首に括り付けておかなければならないヘル・ワルサーの作った芸術品に弾を込めながら、今回のカンザス行の仕事を思い返した。
依頼の電話が鳴ったのは、もう1週間も前のことだった。
二人は
「サバ?」
「サバ ヴィアン」
フランス語も日本語も解からない俺には理解ができない冗談で、二人で何度も笑っている。
国は違っても、子供じみた冗談は何度も繰り返しても可笑しいらしい。
「サヴァ・ビア~ン!ハハハハハ・・・」
まあ、仲良きことは美しきこと哉だ。
タナカサンはドロテを連れて、日本の水産加工船「コバヤシ丸」の船長に会いに行くことにした。
タナカサンは船長と知り合いなので、彼女を連れて行き、彼女がカンドーしたのが日本のサバカンかどうかを確かめに行くことになった。
タナカサンは何故かとても楽しそうだった。
大方の日本人男性は、美少女キャラが好きなのかもしれない・・・俺には理解するのが難しい趣味だ。
二人は
「そうですか、ドロテさん、貴方は竜巻に巻き込まれたですか。」
「ウィ、竜巻で目的地が変わります。」
「昔々、私は読みました。カンザス州で竜巻に吸い上げられて、知らない土地で案山子を作ったり、機械油を街角で売ったり、ライオンの飼育をしたりして何とか故郷に歩いて帰った少女の旅のドキュメンタリーを。」
「それはかわいそうなハナシですね・。」
「そうですね・・・あなたはその人よりラッキーです。なんと言ってもその女の子のハナシは前世期の初期の物語なのですから・・・。」
そうしゃべりながら二人はタナカサンの前世紀初期の英国車で波止場に向かった。
タナカサンがなんでこんな古い車に乗っているかと言うと、これはドン・コレステローレの親父さんが使っていた車を譲り受けたからだ。
ドンはサンマ缶とオカラのダイエットレストランが大当たりしたので、御礼にこの車をタナカサンに譲った。
ドンの親父さんの先代のドン・コレステローレはこの車をイタリアに行った際に現地の足用に購入し、そのまま気に入ってアメリカまで持って来たそうだ。
俺はドン・コレステローレに今度の仕事の終了の電話をするために、一度事務所に帰ることにした。
電話を入れて、全て終わりだ。
それから朝食を摂ろう。
事務所に帰り、机に腰掛けて机の上の電話を取り上げる。電話をするときはデスクに腰掛けるのが俺の仕事の伝統だ。
ドンの電話をすると、後でかけ直すとのこと。
俺はドンからの電話を待ちながら何か朝食になりそうなものを探す。
着替えやら歯ブラシやら銃やら弾やらを入れたバッグに、今回の仕事で貰ったJapanese秋刀魚の缶詰があった。
これでサンドウィッチでも作ろう。
秋刀魚の缶詰と玉ねぎはとても良く合う。これは本当だ。あまり見た目は良くないが、玉ねぎと炒めてもウマイ。
玉ねぎ、レタス、マヨネーズが基本だが、秋刀魚の味だけでサンドウィッチを作ると味が薄いので、マスタードやオリーブオイル、ビネガーなんかも少し使うのが美味い。ドレッシングなんかを使えば楽だ。
醤油系のドレッシングなんかもとても合う。
オーブントースターで軽く焼いてもウマイが、ホットサンドウィッチメーカー等で焼いてやると尚ウマイ。
又、これを焼き鳥缶や牛の大和煮缶で作ってもウマイ。
野菜が多目のサンドウィッチはウマイ。この国には美味いものは少ないが、色々な野菜の入ったサンドウィッチは凄くうまい。
サンドウィッチを一齧りしたところで電話が鳴った。
呼び出し音が3回鳴ったところで受話器を取り上げる。何故そうするのか今となっては思い出せないが、俺はいつも3つ数えてから電話を取り上げることにしている。
「おい、気をつけろ」
電話の向こうのドンが言った。
「今、カンザスの仕事に一緒に行ったハーヴェイから電話があって、奴は狙われたそうだ。」
「誰に?」
「狙ってきたのはコウ兄弟の弟の方のコウ・ケツアツだったそうだ。」
「兄貴のニョウサンの仇討ちか?」
「多分そんなところだろう・・・このままで済ましちゃ連中のメンツが立たないからな・・」
「ジョニーたちは大丈夫なのか?」
「ああ、うちの兵隊たちを護衛に付けている。」
「ならひとまず安心だが・・・・」
「なにかあったら連絡を取る。携帯を持ち歩けよ!・・じゃあな。」
「ああ・・・。」
携帯も重要だが、ワルサーも大事だ。
俺はこれからどんなときにも足首に括り付けておかなければならないヘル・ワルサーの作った芸術品に弾を込めながら、今回のカンザス行の仕事を思い返した。
依頼の電話が鳴ったのは、もう1週間も前のことだった。