宝泉寺 ブログ

臨床仏教公開講座第6講


今夜は、臨床仏教公開講座第6講で本郷由美子先生「生きることをつなぐ いのちをつなぐ」を聞いた。すごい、ホントにすごいと感じた。
大阪教育大学付属池田小学校で、児童が殺傷された事件が2001年にあった。衝撃的な事件だったから、記憶からは消えないほどだ。その事件で、娘を殺害された本郷先生が、今は被害者遺族を支える活動をしていることと、加害者を支援する活動をするまでにいたった経緯を、実体験を元にしてお話しをされたのだから、とてもインパクトがあった。
事件などで家族などを失った人が、どういう形で時間が過ぎていくのかを聞くと、遺族のためと言うよりは、行政・警察などが、その立場で動いていくことの辛さ、裁判の準備に追われること、知人などからの言葉の無意味さ(励まそうとか応援しようとする気持ちから行われるのだが)、遺族のことをおきざりにした形で進んでいったことが語られた。亡くなるとモノ扱いになってしまう悲しみも話された。
娘さんの戒名を付けるに当たっても、遺族の気持ちを聞こうとせずに勝手に付けられてしまって残念だったという体験談も、私には痛く感じる。そういうことが、あるのかもしれないな。
被害者遺族にとって、僧侶は早期から関われる(介入できる)立場なので、その特徴を生かすことが、僧侶の大切な役割というのは納得できる。
現在、宝泉寺で勤める葬儀では、亡くなられたときにご遺体のお顔を拝見すること、通夜のお話し、通夜後のご遺体拝顔、葬儀中にするお話し、収骨後のお話しをいている。それは遺族のお気持ちに寄り添いたいからだ。葬儀は寺が主役ではなくて、遺族が主役にならないといけないな。
新本堂が完成したら、寺での葬儀を広報する予定だ。それは、お寺という落ち着いた静かな空間で、遺族に寄り添える葬儀が、ひょっとすると出来るのかもしれないと考えるから。
今日のお話は、すごかった。

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