2月9日の夜は、東京工業大学 中島岳志さんの「利他のススメ。それって、自己満足?それとも?」を聞いた。(NGOアーユス主催)理科系の大学ではあるが、人文系の研究を大切にしているということで、未来の人類研究センターを設けて、哲学とか政治学・社会学の視点での考察をすすめているとのこと。
基調講演の中では、利他とは、受け取られることで起動する、つまり、利他は何かをした側から始まるのではなくて、受け取った側から始まるということも話された。何かをしたから利他になるのではなくて、受け取った側が感謝したりポテンシャルが上がったりしたときに、利他となる。
利他は、既に受け取っていることに気づくこと。太陽とか大地とか、死者からの縁で日常が成立していること、つまり生かされていること、過去に思いを馳せること。
ヒンディー語には、主格(~は)とともに、与格(~に)がある。「私は嬉しい」を与格で言うと、「私には嬉しさか留まっている」。自分を器と考えて、外からやってくるものがあるとする。それが、どこからやってくるのかを見ると、他力になる。
なるほどと感じた90分でした。