2024.8.15日経新聞より抜粋。
41年前、ピアニストのポロヴィッツ80歳の初来日の演奏会を
音楽評論家の吉田秀和は「骨董」に例え酷評した。
「この芸術は かつては無類の名品だったろうが
今は 最も控えめにいってもヒビが入っている。それも一つや二つではない。」
世に言う「ひびの入った骨董品」論評。
これには後日談がある。
2012年吉田の訃報を受けた読売新聞のコラムによれば
ポロヴィッツは不調であったことを素直に認め『ヨシダに聴かせる』ために再来日し
見事な演奏を披露した。
さて近年…
会議である人が述べた意見に対して見解を述べる際、どちらが正しいか
A 自分は異なる見解を持つことを明確にしてから 自分の意見を述べる
B 自分は異なる見解を持つことはあえて言わずに 自分の意見を述べる
正解は“B”だという。
「あなたとは意見が違う」と面と向かっていうのは、心理的安全性を損なうということになるらしい。
SNSなどでは罵詈雑言が飛び交い、言論空間の分断という現実を前に
表の世界のみを無菌状態にするかのような風潮に疑問を投げかけている。
そして最後に昭和時代の酒場談義の一句で〆ている。
白河の清きに魚もすみかねて 元の濁りの田沼恋しき