近所のおじいちゃん

2019年10月08日 | 思いのままに...
今朝ゴミ捨てに行ったら、
この春に奥さんを亡くされ
ひとり暮らしをしている近所のおじいちゃんに会った。

秋の彼岸前にお墓が出来て納骨を済ませたばかりだ。



最近は日が短くなって朝晩も寒くなってきて
もうすぐ冬が来るかと思うとなんだかイヤだね。

俺なんか母ちゃんいなくなってから
やけに家の中が広く感じちゃって
こんなに広かったかなって最近思ってんの。
母ちゃんがいた時はそんなことなかったのに。

それでね、母ちゃんがうんときれい好きだったから
毎朝掃除機かけて廊下にワックスも塗ってんの。
汚くしとくと母ちゃんに怒られそうでさ。



このおじいちゃん、
町内で行方不明になった末に、
数か月後に変わり果てた姿で見つかった
若者のお葬式でこう言った。

夏は夏で暑い時に一人ぼっちで暑かったろうな。
そんで冬は冬で寒い時に一人ぼっちで寒かったろうな。
どっちにしても一人ぼっちで寂しかったろうなって。

三日七日の席で誰にともなくそう言った。




東京にいる娘が一緒に住もうって言うんだけど
俺は母ちゃんと一緒にやってた畑と花の世話しながら
まだまだ元気なうちはこっちにいたいの。
いま畑も花もダメにしたら母ちゃんに叱られるもの。



このおじいちゃん、実は耳が遠くて
人が多いと話の流れについて行けず
かなり遅れてあさっての方から答えが返って来るので
それがなんだか可笑しくもあり
とっても可愛らしいおじいちゃんなんである。


別れ際に、
風邪引かないようにしてくださいね
風邪は万病のもとって言うから。
といつもよりかなり頑張ってデカい声で
おじいちゃんの耳元で言ったら
ありがとう、あんたもねって目を細めてくれた。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする