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ネタバレ

見た映画について。大体旧作。格安DVD物多し。ネタバレ多し。

ショウボート

2006-01-22 18:47:37 | Weblog
51年作のミュージカル映画です。カラーです。とてもきれいな絵でした。ミシシッピ川を旅するショウボートの話なのですが、こういう世界は独特のにおいがあって好きです。生活臭さが余り出てない作品なのですが、人の出入りは結構描かれていて、人生を凝縮している感じがあってとてもよい。いい映画だな。

歌がいいのです。「オールマンリバー」と言う歌がテーマソングですが、これはミシシッピ川に託した黒人の生活の歌です。奴隷制度はなくなっていたかも知れないけど、まだまだ根強い差別の残る時代だから、黒人は綿花畑で働いたり、重い荷物を運んだりして貧しく暮らしているわけです。そんな可哀相な黒人達がミシシッピ川の流れに己を預ける歌なのです。今時のラップをがなっている黒人たちとは全然違う人達だったわけでした。

この映画の真の主役というべきエヴァ・ガードナーも黒人との混血ということが理由でショーボートを追われます。彼女の話はサブストーリーなのですが、大きなテーマになっている感じです。しかし、ゲイロードと言う奴はとんでもない奴で、可愛いマグノリアを残して博打の旅に出てしまうのですが、こいつが後に成功して大金持ちになった上に改心してショウボートに戻ってくる、と言う展開が何ともアメリカ的だよなぁ。普通戻って来ないでしょう。戻ってきてもそこでハッピーエンドなどになるわけがなく、1週間もしたら又出て行くことになるでしょうに。この脳天気さがアメリカだよなぁ。天真爛漫と言うか、単純馬鹿と言うか、嫌いな人から見たら単なる傲慢さにしか見えないところでありましょう。こういう発想が国中に満ちているから、わざわざイラクまで出かけて言って2千人くらい若者を死なせているわけだし、日本に危ない牛肉を平気で輸出できるわけです。でも、アメリカって好きだけどね。

久々に見た正統派ミュージカル映画でありました。踊りも楽しかった。アメリカ人は19世紀からこういうことをやっていたのか、と思うと、アメリカ根性というのも結構年季の入ったものであることがわかります。しかし、エヴァはきれいだったな。

哀愁

2006-01-21 20:20:15 | Weblog
うちの近所のお店ではまだまだ500円DVDシリーズが華々しく売られていました。適当に4個くらい買ったのですが、これはそのうちの一つ。1940年の映画です。「Waterloo Bridge」と言う原題で、これはこれで素晴らしいタイトルですが、日本語のタイトルもなかなかよろしい。公開当時は「ウォータールー橋」と言う題名じゃぁ観客には何のこっちゃわからんかったでしょう。

主演がヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーです。27歳と29歳ですから、二人とも若いのですが、白黒映画なので何となく実年齢より老けて見えるね。でも、ヴィヴィアンはきれい。「風とともに去りぬ」の翌年の作品ですが、女の人の美しさのピークは20台後半なのでしょうか。ただただ見とれます。

お話は戦争によって引き裂かれた愛、と言うことで、古典です。「君の名は」のモデルになった作品らしいです。いかにもこうなりそうだなぁ、と言うとおりの展開ですが、それほど悪人は出てこなかったですね。この映画最大の悪人は、バレエ団のおばちゃんです。あの人が優しい人だったら、マイラもキティもああいう風にならずに済んだのに。ロイの家族はみんな良い人でした。ただ、お母ちゃんが今ひとつボケなので、ラストが悲劇になってしまったような感もあります。あそこでもう一踏ん張りしてくれたら、ハッピーエンドだったかもしれん、と思いますが、田舎の金持ちのおばちゃんにはそれは無理でしょう。おじさんはとてもよかった。彼女のことをサポートする為に踊ったことにされていましたが、やはり単純にマイラと踊りたかった、マイラの手を握ってみたかった、と言うのが本音でしょう。俺でもそうしたいもん。(ダンスは出来んけど)

マイラが持っていた変なマスコット人形(ラッキーチャームだと言っていたが)はビリケンらしいですね。ビリケンに似ているな、とは思ったものの、ビリケンは大阪のものだろう、と思っていたので、びっくりしました。あれは元々アメリカ人の発明だったのですね。勉強になります。あのビリケン人形をいとおしそうに眺めているじじいになったロイはちょっと異様なものがありましたが、映画を見ると何故ビリケンがいとおしいのか良くわかります。ロンドンに行くことがあったら、是非私もウォータールー橋を渡ってみたいと思います。自殺した恋人はいませんが、昔々に別れた恋人を思い出しながらじじいが渡る橋としては、実にふさわしいような気がするから。

Mr.&Mrs.スミス

2006-01-21 20:05:08 | Weblog
飛行機の中で見たのでした。珍しく最新鋭の飛行機に乗れたのです。座席が色々とリクライニングするやつで、あれやこれやとボタンを押していると殆どベッドのようになったのでびっくりした。途中まで座席にスクリーンが付いているとは気づかなかったのですが、何やこれ、と試しているうちにスクリーンがポップアップしたのでした。飛行機の中で見る映画はPAが入ると音が中断されるので好きではないのですが、最新鋭の飛行機だけあって、PAの間はポーズになっているのです。PAが終わるとその直前の状態から再開されるので、見逃すということがありません。技術は着実に進歩しているのでした。

この映画は着想がすべてですが、はっきり言って面白い。史上最強・最凶の夫婦喧嘩です。アンジェリナがいかにも強そうで本当に強いのもいいし、ブラピがいかにも頼りなさそうで弱そうなのに、実は強くて頼もしいところも良い。かない良い取り合わせです。

しかしわけのわからん場面もありました。ブラピが爆破されたエレベーターからどうやって逃げ出したのか。他にも何回となく死んでいなければいけないようなシーンを何食わぬ顔して生き延びている展開がありますが、ハリウッド映画だからしょうがねぇよな、と言う感じですか。銃撃戦あり、カーチェイスあり、の面白アクション映画でした。

それにしてもジョン・スミスなんていいネーミングだよなぁ。日本で言えば山田太郎です。ジェーン・スミスってのはそうすると山田花子なのだろうか。そういう風に考えると笑えます。思いっきり秘密を持った人が思いっきり平凡な名前を使う、と言うのも古典的な設定なのでしょうが、山田太郎・花子夫妻だったら、あまりお洒落っぽくないよね。スミス夫妻ってのもアメリカ人にとってはお洒落には聞こえないのかもしれんけど、イメージに落差がありそうな気がします。

ニューシネマパラダイス

2006-01-08 18:05:02 | Weblog
いい映画でしたね。何と言っても子供のトトがかわいい。イタリア人の子供は何故かかわいいです。アルフレード親父が又いい味出しまくっていました。イタリア人の親父も愛すべき人達が時々います。そして、映画館に来る観客の皆さんが弾けまくりです。これはどこの映画館でも昔はそうだった、と言うことはないと思いますが、イタリア人は凄いよ。飲み食いしたり煙草吸ってたり赤ちゃんに乳あげてたり、くらいまでは日本でも多分あったと思うけど、大声でわめいたり、下に唾はいたり、暗がりだからと言ってやりたくなるようなことを堂々とやったり、と言うのはイタリア人ならではではなかろうか。1940年代、50年代というの映画の全盛期なのでしょうが、ここまで盛り上がっているとはびっくりしました。

昔のフィルムは自然発火するんですね。トトが宝物にしていたフィルムの切れ端が燃え出して妹が火傷してしまったり、映写室が火事になってアルフレードが死に掛けたり、とても危険なものだったようです。そのうち技術の進歩によって燃えないフィルムができた、と喜ぶシーンがありました。勉強になるなぁ。

トトが青年になると、トトの初恋物語になります。これもなかなかいい話ではありますが、印象に残ったのは新年明けました瞬間イタリアでは道歩いていると危ない、と言うことです。家々から物が投げられる。トトは地元だけあって、何食わぬ顔して歩いていましたが、素人には危険そうでした。

完全版では彼女とのエピソードが詳しく語られるようですが、私が見たバージョンでは、兵役に取られている隙に行方不明になってそれっきりですが、これはこれで良い感じです。その後のトトの人生は初恋がトラウマになって結婚出来ない人になったみたいですが、そういうこともイタリア人ならあるだろう、と思えるので、OK。

最後アルフレードの葬式に田舎に帰ってくる中年になったトトのエピソードが又いい。時代が変わってみんなが映画館に来なくなり、映画館を壊して駐車場にするその日が、アルフレードの葬式の翌日だったりする。母ちゃんは30年間帰ってこなかったトトの部屋を昔の思い出でいっぱいにしているし、アルフレードの未亡人のおばさん(妙に若かったな)は、形見だと言って素晴らしいフィルムをくれる。これが又素晴らしい。涙無しには見れません。イタリア人は基本的に泥棒で図々しくて馴れ馴れしくてチーズ臭くくてワイン臭くていやらしそうで、それほど好きではありませんが、映画は良いな、と思います。タイトル忘れたけど、戦争で捕虜収容所に送られたユダヤ人一家を描いた映画はとてもよかった。確かイタリア映画だったような。だから、イタリア人は良い映画は沢山作れる才能があるのです。イギリス人より偉い。

勾魂谷

2006-01-07 19:20:45 | Weblog
「The Most Horrible Story Ever Happened in a Battlefield」とDVDのカバーに書いてあったので、これは怖い映画に違いない、と思って買ったのだが・・・。近来まれに見るつまらない映画でした。

2002年のイギリス映画らしいですが、(英仏独伊合作?)イギリス映画というのは何故こうも暗いのでしょう。この映画も泥と雨が90%、しかも夜が殆どで色彩感ゼロです。よくもこんな退屈なシーンを延々とつなげていれるな、と感心します。意識を失った回数は数え切れません。こんなものを金払って映画館で見てしまったら、悔いが残るだろうなぁ。

「デス・フロント」などと言う邦題がついて日本でも公開されたんだか、少なくともDVDは出ているみたいですが、見た人は殆ど私と同じ感想を持ったみたいです。みんながつまらない、と思う映画をどうして作ったり売ったりするのでしょうか。壮大な無駄遣いでしょう。

ストーリーは単純なんです。イギリス軍が突撃したら結構やられてしまって、ドイツ軍の見捨てた塹壕に10人くらい生き残りが集結するんだけど、この塹壕に何か邪悪なものがいるらしく、変な声が聞こえてくるは、有刺鉄線が踊りだすは、仲間内で殺し合いを始めるは、と言うことになります。ただそれだけ。しかも雨だらけ、泥だらけで何が起こっているのだか、誰が誰なのかよくわからない。唯一記憶に残ったのはほっぺたから有刺鉄線がにょきにょきと生えて出てきたシーンだけだな。あとはつまらんかった。

戦争映画は面白くない。ホラーだから買ってみたけど、これはホラーと戦争映画のミックスだから面白くなかった。何しろ女が出てこない。ホラー映画は女の人がキャーキャー怖がらなければ成立しない。そうだった。最初に挽き句を見た瞬間につまらない映画だと判断しなければいけなかった。判断ミスでした。