羊の歌

見たこと。聞いたこと。考えたこと。
感じたこと。・・・思いのままの手記

強制起訴

2010年10月05日 19時21分48秒 | 政治

 東京地裁の第5検察審査会は、民主党の小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、2004~2005年分の政治資金規正法違反容疑で告発され、東京地検特捜部が不起訴とした民主党の小沢一郎元幹事長を強制起訴すべきだと議決した、と公表した。「強制起訴」になったところで、まともな証拠もなく、検察官役となる指定弁護士にとっては“負け戦”をしなければならない異常な公判で、小沢氏の無罪は目に見えている、との声もあり、今後の行方が注目される。


 野党自民党はじめ、与党民主党の中にも、小沢氏は、「議員辞職すべきだ」との声が上がる一方で、出処進退は自己の問題だ、とする声もあり、開会されている国会での審議に大きな影響を及ぼしそうだ。小沢氏自身は、潔白と確信をもっているようだが、多くの国民は、小沢氏の納得し得る“説明責任”は果たされていない、と思っており、そのことが、検察審査会の結論になったものと思う。だが、法治国家の下で、「疑わしきは罰せず」という、“原則”がある中で、プロの検察当局が「証拠がない」ということでは、公判を維持することはなかなか困難であるのではないか。そんなふうに思える。


 仮に、裁判の結果、“無罪”ということになったら、検察審査会自体の権威にも影響しかねない。裁判員裁判とともにはじまったこの制度が適用されるのは4件目だそうだが、政治家が対象となるのは初めてということだ。裁判の行方が注目されるところだが、国民の意思を反映させようと始まったこの制度が、取り扱いを誤ると、ややもすれば、“えん罪”を生じさせる危険になりかねないことにもなろう。


 「政治とカネ」の問題は、古くて新しい問題であり、根の深い問題でもある。クリーンを標榜する管内閣にとって、身内の“不祥事”に毅然たる態度で臨まなければ、国民の気持ちが、離れて行ってしまうことは間違いない。悩ましい問題ではある。私は今度の動向に注目したい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お召し列車 | トップ | キノコ騒動 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

政治」カテゴリの最新記事