羊の歌

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金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員来日

2010年07月21日 09時33分42秒 | 国際問題

金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員が昨日来日した。金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏は、1987年に発生した「大韓航空機爆破事件」の実行犯の一人として韓国で死刑判決を受けたが、後に特赦され、今日に至っている人物である。北朝鮮で工作員として訓練を受けていた頃、日本人拉致被害者の一人である田口八重子さんから日本語を学んだとされ、当時の状況の把握に役立つのではないかといわれている。30数年前のことなので、記憶も定かではない部分があるにしても、ある意味で、参考にはなるに違いない。


 それにしても、物々しい対応である。韓国を発ったのは、おそらく昨日の朝未明であり、羽田に到着したのも午前4時ころである。それから一路軽井沢の鳩山前総理の別荘へ2時間半かけて走り、24日までそこに滞在するという。その間数人の関係者と面会するようだが、今後の「拉致問題」の前進に参考になることがどの程度出てくるのかは、まったく分からない。「大山鳴動してネズミ一匹」にならないようになればいいと思っている。


 「拉致問題」の解決は、時間のかかる問題で、生易しいものではない。日本と北朝鮮は、依然として「戦争状態」が続いている。日本と韓国との間では、「日韓条約」の締結によって、一応過去の忌まわしい思いを清算し、最近では文化交流も盛んになっており、「韓国ドラマ」の人気はますます高まっている。一方、北朝鮮との間には、まだ大きな“溝“が横たわっている。すでに陳腐となっている「封建制度」的な独裁体制が敷かれており、「将軍様」の代替わりが行われようとしている。国内経済も疲弊しているとのことで、中国ではいつ“暴発”するかもしれないと警戒を強めているという。


 そんな国の体制では、単純に圧力を強めるだけでは、問題は解決しない。小泉政権のとき、どのような“取引”があったのかはあずかり知らぬところだが、現実に5名の「拉致被害者」が帰国できたのは事実だ。「拉致被害者家族」に残された時間は乏しい。現状では解決の糸口さえ見つけることができない。政府も、ただ圧力をかけることだけに終始するのではなく、現実的な対応ができるのか、そのためにはどうするのか、韓国や中国と真剣に協議する必要がある。一方的に北朝鮮に譲歩する必要はない。いや、すべきではない。しかし、このままではそれこそ“埒”が明かない。民主党政権には、北朝鮮側との“パイプ“がないという。小泉元総理に当時の対応を教えてもらって、問題の解決に向けた現実的な方法を模索することも必要ではないだろうか。
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