真実であること、そして有益であること。
それ以外のことはお伝えする意味合いが薄いと思っております。
昨日は『健康住宅』、『自然素材の家』を手に入れたいと思っていらっしゃる消費者(建てる、または購入する方々)へお伝えしたいことを書きましたが、本日は『健康住宅』、『自然素材の家』を建てている、または販売している設計事務所の方や工務店の方々へお伝えしたいと思います。
私は大地を守る会の自然住宅チームに在籍させていただいていたことから、建築に強い弁護士さんとお話しする機会も持つことができました。
訴訟に関して、以前は、欠陥住宅、その後、化学物質やシックハウス、音(低周波なども含む)、温熱環境などが焦点だったそうですが、シックハウス法が施行されてからは、この法律にのっとった素材を使用していることであまり言われなくなったようです。
しかし最近は「不法行為」、「説明義務」が焦点になっているようです。
・自然素材の家とうたっているので、信じて自然素材だけを使っていると思っていたら合板を使っていた、
・合板を使っていると説明を受けたけれど、素人にどこにどれだけ合板が使われているかなんてわからない
・合成の接着剤が使われていたなんて知らなかった
などなど
いまは無垢のフローリングやしっくい壁が比較的人気ですね。そして無垢のフローリングやしっくい壁を前面に打ち出し、自然素材の家としてうたっている設計事務所さんや工務店さんもおられることと思います。それはそれで戦略です。みなさまのお考えがあろうかと思います。しかしお客様が自然素材の家と信じてお願いしたのに合板を使っていた、と万が一裁判になった場合、消費者保護の観点からさまざまなリスクが考えられます。
設計事務所は比較的設計料も数百万円ですので賠償責任も少ないかもしれませんが、設計事務所が指示をしてこの素材やこの納まりになった、ということになれば、責任の所在は大きくなるかもしれません。また工務店さんは請け負う金額も大きいですし、実際に作り手としての責任は大きくなる場合が多いようです。
そこで、お客様が優良誤認しないようにきちんとHPや資料を作成する、また仕様などについては説明義務をきちんと果たすことは前提ですが、保険にきちんと入っておくこと、またその保険がどのようなときにおりるのか、またおりないのか、を確認しておくことがとても大切になってきます。
場合によりましては数千万円のやり直し工事が発生する場合もあります。
既に自然素材を手がけている設計事務所さんや工務店さんにとりましては、私のような人間(一応健康住宅を長年続けてきた建築士ですが)からとやかく言われるのは好まないと思います。各社さんそれぞれの想い、今までの実績がございますので。
しかし、少しだけでも話を聞いてみようかな?と思われましたらご一報ください。
また今までは自然素材の家などはつくってこなかった、興味がなかった方でもしもこれから健康住宅を志向していこうかな?と思っておられる方がおりましたら、ぜひご一報ください。
未来の子どもたちのために、化学物質や農薬、電磁波など、子どもの脳に与える影響を考えた家づくりを広めて参りましょう。
子どもたちの笑顔のために。
よろしくお願い申し上げます。
ひと・すまい・くらし
新井 伸宏