先日は『お水について』お話しさせていただきました。
今回は老後のお家についてのご相談です。
横浜市の方からの相談です。
ご夫妻でお住まいですが、今後を考え、建て替えをお考えとのことでした。
お子さんたちは独立されて、各々家庭を持っているので、ご夫婦だけのお家として平屋建てに建て替えもしくは1階だけリフォームを検討。
食事にはとても気をつけておられる方で野菜に使われる農薬や調味料などの添加物、遺伝子組み換え作物などは極力摂取しないそうです。
家も自然素材で、合板などを使わずに家を建て替えもしくはリフォームされたいとのお考えでした。
まずはご夫妻のお考え、生活スタイルなどをお聞きしました。
その後、お家の既存図面や地域の特性などを確認しました。
ご要望はかなえることは十分可能に思われます。
そのような中でいろいろと情報交換させていただきましたが、お子さんについてふたつほど、私から質問させていただきました。
【お子さんたちは今回の建替えやリフォームについてはどのようにお考えでしょう?】
ということと
【お子さんたちが盆や正月などご実家にご家族で帰ってこられることもあるのではないでしょうか?】
ということ。
ひとつ目は悪徳業者を心配されるお子さんもおられることから事前にお伝えし、どのような業者が相談を受けているか、できれば一度ご挨拶も兼ねて私どもの考え方などをお伝えさせていただき安心していただければ、ということ、もう一つは平屋建てにして、ご夫妻だけの空間に特化してもよいのですが、お子さんたちの宿泊スペースはどのようにするか?という確認のためです。
以前、私は以下のblogで、お家づくりはふるさとづくり(お子さんたちにとっては実家・ふるさとになります)というお話をさせていただきました。
家づくりはふるさとづくり - 建築士だからわかる〇〇教えます
また実際にご夫妻がご夫妻用に自然素材の家をお考えになられていると同じようにお子さんたちもお家(実家)について考えておられることも多いです。
例えば将来的に、ご実家を建替えて二世帯住宅を建てて一緒に住みたい、や、二世帯であってもご実家ではなく、別の場所でお考えだったり、将来的にはご実家にご自身が住みたいとお考えだったり、ご実家は売却をお考えだったり、お子さんはお子さんでいろいろと考えておられる場合があります。
もちろんご実家はご夫妻の財産です。ご夫妻だけのお考えで進められることもよいと思います。
しかしご縁を切っておられたり、よほど仲がよろしくない場合を除き、できるだけお子さんたちともご相談ください、とお伝えします。
と申しますのも、駅から離れた場所ですと横浜市という住みやすいまちであったとしましても売却に手間のかかる、または売却が難しい土地もあるためです。
戸建ての方が資産になるので戸建てをお勧めしますというお話について - 建築士だからわかる〇〇教えます
今回のご相談主の方に上記のお話をお伝えさせていただきますと、現在の土地は駅からも離れているので不動産屋さんに査定していただいたところ売却するにしてもなかなか難しい土地とのことでした。
そこでお子さんも交えて一度建替えやリフォームだけでなく、今後のことなどを含めてご相談されてはいかがでしょう?
とお話をさせていただきました。
もちろんこの土地に終の棲家をリフォームもしくは建替えすることはできます。
お子さんとご一緒に二世帯に建て替えるもしくはリフォームすることも一案でしょう。
しかしお子さんたちが実際にはこの土地についてどのように思われているか、にもよりましていろいろと選択肢が増えてきます。
将来的に土地や建物が売却できず、賃貸にしても借り手がつかない、固定資産税だけがかかる物件になることは避けたいところです。
実はいま売却しようとしても売れない土地や建物があります。
不動産が負動産になってしまっている物件もあります。毎年固定資産税がかかり、建物がある場合は倒壊の恐れや維持管理も必要です。
駅から離れた土地や建物は比較的手の届きやすい価格帯になっていることが多いです。
自分たちが通勤などで我慢すれば、子どもたちに庭付きの生活をさせてあげられるのでは?とお考えになられることもとても素晴らしいことと思います。
家づくりは夢の一歩です。楽しい未来が待っています。
一方、将来的なご自身の、またはお子さんの負担にならないために、売却が可能な場所かどうか、賃貸にできるか?終の棲家にあった場所か、二世帯にも可能か?子どもは将来的に住みたいと思う場所か?など事前に調べておく、考えておかれることも大切かもしれません。
実際に、売ろうと思っても売れないという土地や建物があります。そのような場所にお金をかけて建て替えをする、お子さんたちにとってその家は価値のある家になるでしょうか?それとも負動産になってしまうでしょうか?
実は大地を守る会に在籍していた時に考えていたことは、素材にこだわった家、電磁波の影響のない家を求めている方たちが一定数いらっしゃいます。その方たちの待ち行列をつくることができれば、健康住宅の売却や賃貸の際に有効ではないか?と考えた時期もありました。
健康住宅を求めている方が一定数いることが証明できれば、将来的に負動産になる心配もなくなります。
それはさておき、現在お住まいのお家について、ご夫妻で、またお子さんも交えて一度話し合ってみてはいかがでしょう。