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化学物質過敏症の方の家づくり、リフォーム工事で実際にあったこと




化学物質過敏症の方のリフォーム工事で実際にあったことをお伝えします。

その方はご実家に戻られ、お家を安心素材でリフォームすることを考えておりました。
ただやっかいなことに以前リフォームしたバルコニー部分から雨漏りがありました。
バルコニーの下には和室があり、和室の壁の上部には雨漏りの跡があります。
そしてその和室は私はそれほど感じませんでしたが、カビ臭が気になると仰っておりました。
できればそのカビ臭も取り除きたいとお考えでした。

いろいろな工務店さんや設計事務所さんに話をしましたが、化学物質過敏症という病気のことをご存知の工務店さんや設計事務所が見つからず困っておられましたそうです。
たまたま知り合いの過敏症の方のつながりで私に連絡をいただきました。

しかし私がお伺いする段取りをしていた時に、その方は地元でとても話を聞いてくださる工務店さんを見つけられた、との連絡がありました。そして、その工務店さんに過敏症についてと材料などのお話をしてほしいと言われました。
実際にその方のご実家にお伺いし、まずは私とお客さまのふたりで話しをしたあと、その工務店さんも同席の上、話し合いを持ちました。

その工務店さんは過敏症の方のリフォームはしたことはないが、誠心誠意対応させていただきたいという姿勢でした。
しかし私は敢えて、過敏症の方の家づくりやリフォームは通常の工事とは異なり、材料についても試しながら進めなければならないため工期も伸びること、職人さんの柔軟剤のニオイやタバコの臭いなどはNGであること、その他も私がいままでに経験したことなどをお客様と工務店の両人に伝えましたが、その工務店さんは「わかりました、大丈夫です、徹底します」との回答でした。
私は正直にお客様と工務店さんに過敏症の方のリフォーム工事はそう簡単なものではないこと、まして雨漏りとカビの課題があるので慎重に進められた方が良いことをお伝えましたが、お客様はその工務店さんを信じて工事を依頼することとなりました。

工事の前に事前に調査をしたいとのことでしたので、お客様と一緒に、どのような調査を行うのか?ホコリなどにより住めなくなる可能性もあるため、壁や天井を一部壊す際はビスを外して壁や天井をとるなどの手段をとることおすすめしました。
私はあくまでアドバイザーという立場でしたので工務店さんには私から提案して、お客様から工務店さんに正式に調査方法などを依頼する形をとりました。

しかし実際に行われた調査は壁や天井を無造作にカッターなどで穴を開け、しかもその穴を開けたまま放置、訪れた職人さんもタバコや柔軟剤のニオイがしたそうです。
調査に関しては私は同席はしなくても良いとお客様に言われておりましたので、同席はしませんでしたが、それほどお客様が信頼して依頼した工務店さんにこのような対応をされてしまいお客さまも相当ショックを受けておられたようです。

残念ながら建設業界はまだまだこのようなお話を聞くことがあります。
本当にここに頼んで良いのか?信頼に足る工務店、設計事務所か?家づくりにしましてもリフォーム工事にしましても一生のうちでそう何度もあることではありません。きちんと見極めてから進めましょう。

その見極めのためにはどうしたらよいのでしょう?
私は実際に建てられたり相談されたお客様の声を聞くことが良いと思っております。
また職人さんの声、態度もその工務店さんや設計事務所の本質を教えてくれる手がかりとなります。
タバコのニオイや柔軟剤のニオイが好きではないと伝えているにも関わらず平気でタバコを吸ったり、柔軟剤を使用する工務店さんや設計事務所さんは本当にお客さまのことを思って工事をしてくれる方でしょうか?

依頼する前にいま一度立ち止まって考えてみることも大切かもしれません。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

ひと・すまい・くらし研究所

設計事務所のWebサイト

ひと・すまい・くらし研究所

 



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