「翠星のガルガンティア」公式サイト
やっちまったな~これ。やっちまったな・・・
はい、観てまいりましたよ「翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か」後編。
ため息しか出てきませんがな・・・
ところで劇場パンフレットですが、昨年9月公開の前編のときは販売されていませんでした。60分程度の作品ですし、そもそもがOVAでしたので、作成しなかったんだろうと思っていましたらば。
このたび後編のパンフと共に劇場ロビーで販売されていましたので、「なんやわからんけど、ラッキー♪」と両方購入。
前編パンフの方には、以下のようなメッセージカードが入っていました↓
本パンフレットは、2014年9月27日に前編上映劇場にて販売を予定しておりましたが、諸般の事情により、販売を中止させていただきました「翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か~前編 劇場パンフレット」をそのままの形で復刻したものです。(以下略)
んんん?なにかビミョーな文言ですぞ?
そこはかとないトラブルのにおいがする、っていうか
でもなあ、中身をさっと読んでみても、問題になるような事はなさそうなんだよなあ。
それよりも気になったのはですね、先着特典で「翠星のガルガンティア 続編小説 序章」と題した小冊子をいただいたんですが、これが本来のTVシリーズ2期の物語なんですと。当初、公式サイトが「2期、決定」っていってたのは、本当にTVシリーズ2期を制作する予定だったんですね。
それが何故か頓挫し、OVA前後編に変わった、と。はい、巻末の谷村大四郎さん(脚本家)の言葉↓
この小説は「翠星のガルガンティア」第2期TVシリーズとして準備されていた脚本の一部を元に執筆しました。(以下略)
さらに、告知ページにはこのような予告が↓
幻のTVシリーズ第二期、2015年夏、エンターブレインで書籍化決定!「続編小説 企画進行中」
うううう~む・・・ますますビミョーなトラブルのにおいが
正直、村田監督はじめスタッフの皆さんが未練タラタラなのがわかるんですよ。TV2期、やりたかったのに─とか、もっともっとこのシリーズを続けたかったのに、という。
書籍(続編小説)として世に出して、再びスポンサーがついて制作委員会が立ち上がるのを待ちます、という本音が透けて見えます。
ですが、もしも私が制作員会の主要スポンサー企業の担当者ならば(失礼)、この続編小説の内容での2期は、絶対にGOサインは出しませんね。っていうか「もう、おしまいにしましょう」って言いますね。
それは、このOVA前後編の内容が、それまでの物語の世界観を根底から否定し、ぶち壊すものだからです。
続編小説はこの「めぐる航路、遥か」の延長線上にあるお話ですから、こんなん到底認められません。
それでは、どこがそれほどにトホホなのかということを、これから書きます。
が、その前に。毎度のことですが、これよりソーゼツなネタバレをしますから、まだ観ていない人、ネタバレを避けたい人はここから引き返してください。読む、読まないは自己責任でお願いしますよ。
また、これはあくまで私個人の感想であり、それ以上でもそれ以下でもないことを心に留めておいてください。
じゃあ行きます。
例によって少し下げます。
皆様すでにご存知かと思いますが、私は伏線フェチです。何より伏線を重視します。
従いまして、突然、新設定が出てきちゃったなんてのは論外です。このたびの後編、水球となった地球に関する新設定、てんこ盛り状態です、なんじゃそりゃ。
まず、竜宮城なんつー名前の「メガフロート(超大型浮体式構造物)によって銀河道上に構築された海上貿易拠点」(劇場パンフより)ってのが突然、登場します。
まあそりゃね、各船団がそれぞれ物々交換のために集う場所、ってのはね。あってもおかしくないと思いますし、TVシリーズの中ではここまでの設定は必要なかったので出さなかった、でいいでしょう。
でも、せめて前編でちらっと会話の中にでも出すべきだったのでは?とーとつ感、パネェんですけどぉ。
そして、降って湧いたように登場する新設定は、実は若干の陸地が残っていて、そこには複数の大国が存在していて、例によって例の如く戦争してまぅっす!っていうね。
あのさあ・・・・
いやいや、TVシリーズ本編の中でね、船団長の執務室の壁に陸地らしき地図がありましたから、そりゃ少々の陸はあるんだろうとは思ってましたよ。
それが延々と戦争を続ける、少なくとも二つの大国ですくわぁ
私は以前、この作品のキモは対比の妙にある、と書きました。
極限まで進化したテクノロジーを有し、人間さえも「効率」で峻別する全体主義の人類銀河同盟と、テクノロジーは退化したけれど、様々な人間たちが互いに補完し合い、あるいは折り合いをつけながら共存共栄を続ける地球の子孫たち。
さらに言えば、人類銀河同盟vsヒディアーズの対立は、そっくりそのまま地球に残された人類とクジライカの緊張関係と同じ構造です。ただし、前者が不倶戴天の敵同士なのに対し、後者は「難しいけど、なんとか上手くやっていける」という思想に貫かれています。つまり徹頭徹尾、共存共栄(相手が海賊であっても)なのが、ガルガンティアをはじめとする現地球です。厄介な異物であるレドをも、共存共栄の思想の下に受け入れたのです。
水球となった地球は、人類銀河同盟とは違うのだよ、人類銀河同盟とは!
しかし、ここで人類銀河同盟と同じように憎み合い、戦争を続ける陸地の強大な国家なんてのが登場したら?
「な~んだ、やっぱ地球も人類銀河同盟と同じじゃんよ!」
これはガルガンティアの思想そのものの全否定であり、ここまで丁寧に紡いできた物語を破壊する行為でしょう。他ならぬ作り手たちが、物語をぶっ壊してどーすんの?
そして、あのラストね。
呆れました。もうどっちらけです。
レドとチェインバー、涙の別れと、まーったくおんなじことやってるでやんの
スタッフの皆さん、「二番煎じ」って言葉はご存知かな?
ないわぁ・・・
そんなわけで、私は続編小説なんか読みませんし、アニメ化希望!─なんて死んでも言いませんから。
私にとってのガルガンティアは、TVシリーズ13話で完全完結しました。あしからず。
~余談~
なにかアルペジオの後編も心配になってきた・・・
い、いやいや!森田繁さんが完璧な仕事をしてくれる!はずだ!
それにアルペジオは伏線ぬかりなし、ですから、ええ。
総集編部分に3話の墓参シーンを入れたのは、イオナの急激な進化の様子を際立たせるためだけじゃなく、千早群像が父の戦死を信じている、という意味でもありますから。霧との戦いで死んだ人を悼むといいつつ、その筆頭は父・千早翔像です。それ故に、父が生きていたと知って顔面蒼白になり、「くっら~」となってたんですから。
うん、大丈夫だ。
アルペジオは大丈夫・・・大丈夫か・・・うっわぁあ~ん頼むよ~。・゜・(/Д`)・゜・。
やっちまったな~これ。やっちまったな・・・

はい、観てまいりましたよ「翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か」後編。
ため息しか出てきませんがな・・・

ところで劇場パンフレットですが、昨年9月公開の前編のときは販売されていませんでした。60分程度の作品ですし、そもそもがOVAでしたので、作成しなかったんだろうと思っていましたらば。
このたび後編のパンフと共に劇場ロビーで販売されていましたので、「なんやわからんけど、ラッキー♪」と両方購入。
前編パンフの方には、以下のようなメッセージカードが入っていました↓
本パンフレットは、2014年9月27日に前編上映劇場にて販売を予定しておりましたが、諸般の事情により、販売を中止させていただきました「翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か~前編 劇場パンフレット」をそのままの形で復刻したものです。(以下略)
んんん?なにかビミョーな文言ですぞ?
そこはかとないトラブルのにおいがする、っていうか

でもなあ、中身をさっと読んでみても、問題になるような事はなさそうなんだよなあ。
それよりも気になったのはですね、先着特典で「翠星のガルガンティア 続編小説 序章」と題した小冊子をいただいたんですが、これが本来のTVシリーズ2期の物語なんですと。当初、公式サイトが「2期、決定」っていってたのは、本当にTVシリーズ2期を制作する予定だったんですね。
それが何故か頓挫し、OVA前後編に変わった、と。はい、巻末の谷村大四郎さん(脚本家)の言葉↓
この小説は「翠星のガルガンティア」第2期TVシリーズとして準備されていた脚本の一部を元に執筆しました。(以下略)
さらに、告知ページにはこのような予告が↓
幻のTVシリーズ第二期、2015年夏、エンターブレインで書籍化決定!「続編小説 企画進行中」
うううう~む・・・ますますビミョーなトラブルのにおいが

正直、村田監督はじめスタッフの皆さんが未練タラタラなのがわかるんですよ。TV2期、やりたかったのに─とか、もっともっとこのシリーズを続けたかったのに、という。
書籍(続編小説)として世に出して、再びスポンサーがついて制作委員会が立ち上がるのを待ちます、という本音が透けて見えます。
ですが、もしも私が制作員会の主要スポンサー企業の担当者ならば(失礼)、この続編小説の内容での2期は、絶対にGOサインは出しませんね。っていうか「もう、おしまいにしましょう」って言いますね。
それは、このOVA前後編の内容が、それまでの物語の世界観を根底から否定し、ぶち壊すものだからです。
続編小説はこの「めぐる航路、遥か」の延長線上にあるお話ですから、こんなん到底認められません。
それでは、どこがそれほどにトホホなのかということを、これから書きます。
が、その前に。毎度のことですが、これよりソーゼツなネタバレをしますから、まだ観ていない人、ネタバレを避けたい人はここから引き返してください。読む、読まないは自己責任でお願いしますよ。
また、これはあくまで私個人の感想であり、それ以上でもそれ以下でもないことを心に留めておいてください。
じゃあ行きます。
例によって少し下げます。
皆様すでにご存知かと思いますが、私は伏線フェチです。何より伏線を重視します。
従いまして、突然、新設定が出てきちゃったなんてのは論外です。このたびの後編、水球となった地球に関する新設定、てんこ盛り状態です、なんじゃそりゃ。
まず、竜宮城なんつー名前の「メガフロート(超大型浮体式構造物)によって銀河道上に構築された海上貿易拠点」(劇場パンフより)ってのが突然、登場します。
まあそりゃね、各船団がそれぞれ物々交換のために集う場所、ってのはね。あってもおかしくないと思いますし、TVシリーズの中ではここまでの設定は必要なかったので出さなかった、でいいでしょう。
でも、せめて前編でちらっと会話の中にでも出すべきだったのでは?とーとつ感、パネェんですけどぉ。
そして、降って湧いたように登場する新設定は、実は若干の陸地が残っていて、そこには複数の大国が存在していて、例によって例の如く戦争してまぅっす!っていうね。
あのさあ・・・・

いやいや、TVシリーズ本編の中でね、船団長の執務室の壁に陸地らしき地図がありましたから、そりゃ少々の陸はあるんだろうとは思ってましたよ。
それが延々と戦争を続ける、少なくとも二つの大国ですくわぁ

私は以前、この作品のキモは対比の妙にある、と書きました。
極限まで進化したテクノロジーを有し、人間さえも「効率」で峻別する全体主義の人類銀河同盟と、テクノロジーは退化したけれど、様々な人間たちが互いに補完し合い、あるいは折り合いをつけながら共存共栄を続ける地球の子孫たち。
さらに言えば、人類銀河同盟vsヒディアーズの対立は、そっくりそのまま地球に残された人類とクジライカの緊張関係と同じ構造です。ただし、前者が不倶戴天の敵同士なのに対し、後者は「難しいけど、なんとか上手くやっていける」という思想に貫かれています。つまり徹頭徹尾、共存共栄(相手が海賊であっても)なのが、ガルガンティアをはじめとする現地球です。厄介な異物であるレドをも、共存共栄の思想の下に受け入れたのです。
水球となった地球は、人類銀河同盟とは違うのだよ、人類銀河同盟とは!
しかし、ここで人類銀河同盟と同じように憎み合い、戦争を続ける陸地の強大な国家なんてのが登場したら?
「な~んだ、やっぱ地球も人類銀河同盟と同じじゃんよ!」
これはガルガンティアの思想そのものの全否定であり、ここまで丁寧に紡いできた物語を破壊する行為でしょう。他ならぬ作り手たちが、物語をぶっ壊してどーすんの?
そして、あのラストね。
呆れました。もうどっちらけです。
レドとチェインバー、涙の別れと、まーったくおんなじことやってるでやんの

スタッフの皆さん、「二番煎じ」って言葉はご存知かな?
ないわぁ・・・

そんなわけで、私は続編小説なんか読みませんし、アニメ化希望!─なんて死んでも言いませんから。
私にとってのガルガンティアは、TVシリーズ13話で完全完結しました。あしからず。
~余談~
なにかアルペジオの後編も心配になってきた・・・

い、いやいや!森田繁さんが完璧な仕事をしてくれる!はずだ!
それにアルペジオは伏線ぬかりなし、ですから、ええ。
総集編部分に3話の墓参シーンを入れたのは、イオナの急激な進化の様子を際立たせるためだけじゃなく、千早群像が父の戦死を信じている、という意味でもありますから。霧との戦いで死んだ人を悼むといいつつ、その筆頭は父・千早翔像です。それ故に、父が生きていたと知って顔面蒼白になり、「くっら~」となってたんですから。
うん、大丈夫だ。
アルペジオは大丈夫・・・大丈夫か・・・うっわぁあ~ん頼むよ~。・゜・(/Д`)・゜・。