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別冊「バビル2世」マガジン

「バビル2世」のコミックス&アニメその他を中心に、オールドファンがあれこれ語ります。

高橋良輔監督作品その4「太陽の牙ダグラム」~前編

2009-02-16 21:12:39 | 高橋良輔監督作品関連

しかし何ですね。忙しいだの何だのという時に限って、ヘボいお絵かきしたくなるってのはどうなんだろう、なんか「ぬりえ」みたいですな・・・。

以前にも書きましたが、私は「ガサラキ」で高橋良輔監督作品に目覚めたので、この「太陽の牙ダグラム」とか、大ヒット作「装甲騎兵ボトムズ」なんかはずっと後になってからレンタルで見ました。すなわち、初回放送時は完全にスルー。

「太陽の牙ダグラム」は、1981年10月23日から83年3月25日までテレビ東京系にて放映されました。全75話です。
この初回放送時は、裏番組が「六神合体ゴッドマーズ」だったとのこと。したがって、「女子はゴッドマーズ、男子はダグラム」という図式が成立していたようです。
しかし、テレビ東京の系列局がない地方では、それぞれ勝手な曜日と時間帯の放送だったようです。当時の北海道もテレビ東京系列局がなかったので、ゴッドマーズは日曜日の早朝、ダグラムは日曜日の夕方、というわけでぶつからず。
よかったですねえ・・・って、私はどっちも見てなかった

79年に「機動戦士ガンダム」が登場して以来、ロボットアニメは新時代を迎えました。
私は、ガンダムの第1シーズンはちゃんと最後まで見ましたが、別にどうという感慨もなかった・・・です。漫研仲間の男子たちは大騒ぎしてたんですけどね、「今までにないストーリーだ!」とか「ミライ・ヤシマ、萌え~」とか言ってね(注・「萌え」という言葉は当時はまだナシ)。
でも、私はちょっとしらけてたなあ、「これがリアルな戦場なんだ」とか言ってる男子たちには。まともに戦争映画も観たことないくせに?とか生意気なことを思ってました(自分だって本物の戦場を知らないくせに・汗)。

でもまあいちおう、私は小学生の頃から戦争映画が好きで、親に頼みこんで東宝の戦争映画に連れて行ってもらったりしてました。硫黄島玉砕の話なんて、クリント・イーストウッド監督の映画を観るまでもなく子供の頃から知っていましたし、山本薩夫監督の「戦争と人間」シリーズも、小学生の時に劇場で観ました。
だから、まあほんとに生意気なんだけれど、「ガンダムで戦争のなんたるかを知りました」なんていう男子オタクにはついていけなかったです。
(ガンダムの富野監督自身も、「ガンダムで戦争を知りました」というファンがいることに対して「それはないだろうと思う」と語っています)

ガンダムで戦争を知った、はないだろう。
でも、もしも「ダグラムで戦争を知りました」というファンがいたなら・・・それはアリかもなあ、と思います。
この「太陽の牙ダグラム」は、本当に面白いです。インドシナ戦争やキューバ革命、ベトナム戦争などの要素を巧みに取り入れて、現実感バリバリな、人間臭さのあふれる物語を構築しています。
いちおうワームホールだの宇宙船だのなんだのといったSF仕立てではあるんですが、はっきり言ってSFじゃありません。SF的小道具を使った普通の人間ドラマです。
ともすれば戦場で大活躍する英雄たちの話だけになってしまいそうなロボットアニメにおいて、市井の人々の姿や背後で暗躍する人間たち、前線の一兵卒の姿まできっちりと描かれていますので、物語世界が大変にぶ厚く、奥行きがあります。
見はじめたら止まらなくなりますぞ

しかし、ならばなぜ「太陽の牙ダグラム」がそれほど有名じゃない(失礼)のか、これほどの名作なのに?少なくとも、ガンダムは日本人のほぼ全てが知っていると断言できますが、ダグラムは・・・まさに忘れられつつある名作なんじゃないでしょうか。
その理由ですが、なんといっても「キャラクターの造形がトホホ」に尽きちゃうんじゃないかと。
ガンダムは、安彦良和さんの魅力あふれるキャラクターデザインがツボでした。この当時、漫研仲間の男子たちの描くものが、ことごとく「安彦絵」になっちゃったくらい、影響力が強かったです
でも、ダグラムは・・・キャラクターデザインは吉川惣司さんなんですが・・・変なんです・・・スイマセン

一番変なのは、ヒロインたちの顔です。私の描いた似顔絵ですけど、随分美化しています。実物はぜんっぜん可愛くありません。頬骨がガッツリ出ていて、ギスギスしてます。
主人公のカノジョくらいは可愛く描いてやれよ・・・
一説によれば、望月三起也風ハードボイルド路線だそうですが・・・。
頬骨までハードボイルドにすることないじゃん!

もひとつ、主人公クリン・カシムの戦闘服のトホホさときたら。半裸にホットパンツ、なんなのこれ(号泣)。
ジャングルの冒険少年クリン、かよ!
あんまり変なので、似顔絵では「北極ポートバージョン・寒冷地仕様」の格好にしてみますぃた・・・

まあその、なんといいますか。全体的に絵が・・・燃えない・・・のです・・・。

もっと心躍るようなキャラクターデザインだったなら。少年少女の心を捉えて離さないような魅力があったなら。
テレビアニメ史に残る大名作として、燦然と輝いていたでしょう。

しかし、カルト人気作品になってしまったわけですな

以下、次回。
っていうか、ゆるゆる行きます。

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