第3話「時計」見直し感想
(3話以降のネタバレを含む可能性があります。ご注意ください)
●決めゼリフ
「たとえ残り少ない命でも人には生き抜く権利がある」とか、「お前にその女は渡さない」とか、こうやって書いているだけでも盛り上がってしまいそうな決めゼリフの格好よさが印象に残った第3話。
いきなり女子校の更衣室に飛び込んで行くという傍若無人ぶりを発揮する鋼牙さんなのに、一時的に憑依された人間を切れない「甘い」一面も持っていることが露呈される話でもありました。
そういえば鋼牙さんは、基本的には、憑依された人間を人間体のまま切ることはしてないんですよね。必ず追い詰めてホラーとしての姿を現したところで切っていますね。(4話を除く。この辺は4話感想でもう少し書いてみます)
掟では殺さなくてはいけないはずのカオルちゃんをなかなか切れない鋼牙さんの優しさは、カオルちゃんに対してだけのものではなくて、鋼牙さんの本質だったんですね。
●モラックス
時計になっているときの動きが何ともかわいいモラックス。
細っこい手足を器用に動かしてちょこちょこ動き回る姿に「カサコソ」と擬音をつけたくなります。
次から次へと手にとってしまう犠牲者たちに、普通拾った時計は身に付けないよなあと思ってしまいましたが、よく考えれば、そこはホラーですから、何か人間を惑わせる魔力がある、ということなんでしょうね。
どうでもいいことですが、カオルちゃんというごちそうを見つけたモラックス、自転車になんとかとりつくまではわかりますが(ここの動きがまたかわいくてお気に入り)、そのあと一体どうやって、本体内に取り込んだんでしょう?
しかも、追ってきた鋼牙さんが見たカオルちゃんは縄でぐるぐる縛られていました。
謎だ……
●冴島邸における調べ物の意味
かなりどうでもいいことなんですが。
冴島家は代々伝わる魔戒騎士の家系だそうで。
とすると、対峙してきたホラーの数も相当なはず。
それに、ほかにもたくさん魔戒騎士がいるのだから、そちらの記録もあるはずなので、それはもう膨大な量の書籍があるのではないかと思うんですね。
しかもそれは日々増え続けているわけですよ。
とすると、おそらく、『既出ホラー総覧』なんて感じの本があってまずそこを見て、出没年代、概要、なんかを頭に入れてから、それを頼りに詳細な記録(鋼牙が最後に見ていたページ)に辿りつくと思われます。
#そうでなければ、そのページを見ている鋼牙さんに、「いにしえの記録では、一晩で村をひとつ~」というさらに別の情報を出せないはずです。
こういった書物の肝心な点は、常に更新し続けなくてはいけないということです。
でないとあっと言う間に情報は古くて役立たなくなります。
では魔戒騎士たちの情報を記録し、管理するのは誰か。
魔戒騎士からのレポーティングという可能性もあるけれど、そうすると
零くんみたいなケースでは情報が上がってこないんですよね。
とすると、一番適任なのは騎士たちが必ず剣の浄化で訪れる場所、つまり番犬所の可能性が高いですよね。
もしかしたら魔戒書記なんていうお仕事のプロもいるのかな。
それと、劇中でモラックスは、「長い歴史の中で、ホラーの胎内に飲み込まれた魔戒騎士はお前が初めてだ」とかなんとか語っていました。
それが本当なら、あとでモラックスの項に鋼牙さんの名前の入った記述が追加されたりするのかもしれませんね。