裏板、側板の製作 1
使用される材料
裏板と側板には色々な材料が使用されている。
クラシックギター、フラメンコギターとなると、日本ではあまり多くの
種類の材料は使用されていないようだが、外国のギター製作家の
ホームページを検索すると、それはもう数多くの種類の材料を使って
ギターが製作されていることがわかる。
日本ではクラシック系ギターは、ほとんどローズウッド系か、稀に
メイプルが使用され、フラメンコ系にはシープレスか、稀にメイプルが
使用されている。
値段の安いものになると、クラシック系はほとんど合板になって
しまうようだが、一昔前のものには、オバンコール、ナトー、
マホガニーなど単版を使用した物が数多く造られていたようだ。
フラメンコ系になるとカヤやスプルースを代用品として使用したものがある。
一般的に使用されている材料を書き出してみると
ブラジリアン ローズウッド 産地 ブラジル
マメ科の広葉樹 現地名 ハカランダ
木目は赤褐色、紫褐色、黒などが混ざりあって綺麗な縞模様がある。
腰のある硬質な音がでると言われる。
ギター用材としてはメインの材料として使用されてきたようだが、
ワシントン条約で取引が制限されてからは、入手困難になってしまった。
乾燥に長い年月がかかり、硬くて重く、加工するのには難がある。
日本の製作家は昔輸入した残り少ない材料を小出しに使用しているようだ。
また昔は柾目で使用されていたギターが多かったが最近では高級ランクの
物でも板目の板が使用されているようだ。
我々アマチュアが入手するには、プロの製作家からゆずり受けるか、
海外の木材商から購入するしかないようだが、個人的に輸入しようとすれば、
輸入禁止材料だけに役所に出頭して手続きをする必要がある。
仮に我々アマチュアが購入できたとしても想像を絶するほどの金額がする。
1本分のギターに使用する材料で10万円~20万円というところか。
日本製のギターでは、一般的に材料取りを板目材で造った物が平均50万円以上、
柾目材で造った物が70~80万円以上で販売されているのではないだろうか。
日本では和室に使用する 床柱 に使用する場合がある。
スペインの、マルセリーノ・ロペスがこの条約で引っかかり、すべての材料と、
完成した全てのギターを当局に没収されたと言う話がある。

ハカランダ材の板目の裏板
インディアン ローズウッド 原産地 インド南部 東南アジア
パリサンダーと呼ぶこともある
赤紫褐色から紫を帯びた縞模様がある。
ギターの材料としては、非常にポピュラーな材料で名前の通りバラの甘い
香りがする。
綺麗な高音と力強い中低音が出るといわれている。
ハカランダより幾分軽いが、やはり硬く重いので加工するには難がある。
アマチュアとしてギターを造るのには非常に手軽な材料だ。
また、ハカランダを使用したギターとの明確な音の違いはよくわからない。
日本製のギターでは、量産メーカー品が20万円以上、作家物が30万円以上で
販売されているようだ。
日本でこの材料を購入すれば問屋さんで、1本分の材料は1万円以下で
購入できる。
日本の建築業界では、この材料を紫檀(シタン)と呼ぶ場合がある。

インディアン ローズの柾目板の裏板
ココボロ ローズウッド 原産地 メキシコ 中米
比重が大きく重い。
また、油分が多いので接着や塗装に注意が必要だ。
マダガスカル ローズウッド 原産地 マダガスカル
ホンジュラス ローズウッド 原産地 ホンジュラス
これらのローズウッドは、性質がハカランダに非常に似ているので、
ニューハカランダとしてインディヤン ローズウッドより上位品として
使用されている。
中南米ローズウッドと明記されている場合は、これらの材料を使用した
ギターを示す。
日本でこの材料を購入すれば、1本分2~3万円ぐらいで購入できる。
スペイン シープレス 原産地 スペイン
日本で言う糸杉。
非常に軽くサスティーンが少なく明るく歯切れがよい音が出るので、
伝統的にフラメンコギターの材料として使用されてきた。
最近では、スペイン政府が保護政策を取っているため、海外には出ていない。
先日、日本のあるルートに問い合わせると1本分の材料を7万円なら販売すると
いうことだった。
最高級の碁盤には、カヤが使用されているが、新カヤとしてスプルースを
使用したものを代用品としている。
フラメンコギターの場合も、シープレスの代用としてカヤを、またその
代用としてスプルースを使用している。
また、シカモアを代用としている場合もある。

スペイン シープレスの裏板
カナディアン シープレス 原産地 カナダ
レスター・デュボーなどがフラメンコを造るときにこのカナディアン
シープレスを使用している。
私が勤務する会社の取引先に、カナダの木材業者があるので問い合わせて
みたが、カナダではヒノキのことをシープレスと呼んでいるらしく、
説明を聞くとまったくスペイン シープレスとは別物の材料だとわかった。
メイプル ( ハード メイプル ) 原産地 北米北東部
カエデ科の落葉広葉樹
線状の木目を持つカーリー メイプル、うろこ状の木目を持つキルティッド
メープル、鳥の目のような玉杢を持つバーズアイ メープルなど。
サスティーンが少なく歯切れの良い音が出る。
昔のギターにはよく使用されたが、最近ではあまり使用されなくなってきた。
どうやら完成した時の見栄えがローズウッド系の材料を使用した方が
良いので取って変わられたらしい。
その他の マメ科の樹木として
アフリカン パドーク 原産地 西アフリカ
オバンコール 原産地 アフリカ 東南アジア
ウェンジ 原産地 アフリカ
ブビンガー 原産地 西アフリカ
また、ハカランダよりも高級品として
アフリカン ブラックウッド 原産地 アフリカ
などが使用されている。

アフリカン パドークの裏板
カエデ科の樹木として
ホワイト シカモア (グレート メイプル) 原産地 ヨーロッパ中部
ストラディ・バリウスがバイオリンに使用した高級品。
センダン科の樹木として
マホガニー 原産地 中南米 中央アフリカ
この材料はフォーク系のギターを造るのに多く使用されているようだ。
昔のスペインのギターにもよく使用されていた。
その他色々な材料が使用されている。
どの材料をとっても、イザ購入しようとすればそこそこの値段がする。
アマチュア製作家は、ギターを販売しているわけではないので、どんな材料
でも試す事ができる利点がある。
いずれ、建築廃材でヒノキや黒柿、ケヤキなども試してみたい。
つづく
使用される材料
裏板と側板には色々な材料が使用されている。
クラシックギター、フラメンコギターとなると、日本ではあまり多くの
種類の材料は使用されていないようだが、外国のギター製作家の
ホームページを検索すると、それはもう数多くの種類の材料を使って
ギターが製作されていることがわかる。
日本ではクラシック系ギターは、ほとんどローズウッド系か、稀に
メイプルが使用され、フラメンコ系にはシープレスか、稀にメイプルが
使用されている。
値段の安いものになると、クラシック系はほとんど合板になって
しまうようだが、一昔前のものには、オバンコール、ナトー、
マホガニーなど単版を使用した物が数多く造られていたようだ。
フラメンコ系になるとカヤやスプルースを代用品として使用したものがある。
一般的に使用されている材料を書き出してみると
ブラジリアン ローズウッド 産地 ブラジル
マメ科の広葉樹 現地名 ハカランダ
木目は赤褐色、紫褐色、黒などが混ざりあって綺麗な縞模様がある。
腰のある硬質な音がでると言われる。
ギター用材としてはメインの材料として使用されてきたようだが、
ワシントン条約で取引が制限されてからは、入手困難になってしまった。
乾燥に長い年月がかかり、硬くて重く、加工するのには難がある。
日本の製作家は昔輸入した残り少ない材料を小出しに使用しているようだ。
また昔は柾目で使用されていたギターが多かったが最近では高級ランクの
物でも板目の板が使用されているようだ。
我々アマチュアが入手するには、プロの製作家からゆずり受けるか、
海外の木材商から購入するしかないようだが、個人的に輸入しようとすれば、
輸入禁止材料だけに役所に出頭して手続きをする必要がある。
仮に我々アマチュアが購入できたとしても想像を絶するほどの金額がする。
1本分のギターに使用する材料で10万円~20万円というところか。
日本製のギターでは、一般的に材料取りを板目材で造った物が平均50万円以上、
柾目材で造った物が70~80万円以上で販売されているのではないだろうか。
日本では和室に使用する 床柱 に使用する場合がある。
スペインの、マルセリーノ・ロペスがこの条約で引っかかり、すべての材料と、
完成した全てのギターを当局に没収されたと言う話がある。

ハカランダ材の板目の裏板
インディアン ローズウッド 原産地 インド南部 東南アジア
パリサンダーと呼ぶこともある
赤紫褐色から紫を帯びた縞模様がある。
ギターの材料としては、非常にポピュラーな材料で名前の通りバラの甘い
香りがする。
綺麗な高音と力強い中低音が出るといわれている。
ハカランダより幾分軽いが、やはり硬く重いので加工するには難がある。
アマチュアとしてギターを造るのには非常に手軽な材料だ。
また、ハカランダを使用したギターとの明確な音の違いはよくわからない。
日本製のギターでは、量産メーカー品が20万円以上、作家物が30万円以上で
販売されているようだ。
日本でこの材料を購入すれば問屋さんで、1本分の材料は1万円以下で
購入できる。
日本の建築業界では、この材料を紫檀(シタン)と呼ぶ場合がある。

インディアン ローズの柾目板の裏板
ココボロ ローズウッド 原産地 メキシコ 中米
比重が大きく重い。
また、油分が多いので接着や塗装に注意が必要だ。
マダガスカル ローズウッド 原産地 マダガスカル
ホンジュラス ローズウッド 原産地 ホンジュラス
これらのローズウッドは、性質がハカランダに非常に似ているので、
ニューハカランダとしてインディヤン ローズウッドより上位品として
使用されている。
中南米ローズウッドと明記されている場合は、これらの材料を使用した
ギターを示す。
日本でこの材料を購入すれば、1本分2~3万円ぐらいで購入できる。
スペイン シープレス 原産地 スペイン
日本で言う糸杉。
非常に軽くサスティーンが少なく明るく歯切れがよい音が出るので、
伝統的にフラメンコギターの材料として使用されてきた。
最近では、スペイン政府が保護政策を取っているため、海外には出ていない。
先日、日本のあるルートに問い合わせると1本分の材料を7万円なら販売すると
いうことだった。
最高級の碁盤には、カヤが使用されているが、新カヤとしてスプルースを
使用したものを代用品としている。
フラメンコギターの場合も、シープレスの代用としてカヤを、またその
代用としてスプルースを使用している。
また、シカモアを代用としている場合もある。

スペイン シープレスの裏板
カナディアン シープレス 原産地 カナダ
レスター・デュボーなどがフラメンコを造るときにこのカナディアン
シープレスを使用している。
私が勤務する会社の取引先に、カナダの木材業者があるので問い合わせて
みたが、カナダではヒノキのことをシープレスと呼んでいるらしく、
説明を聞くとまったくスペイン シープレスとは別物の材料だとわかった。
メイプル ( ハード メイプル ) 原産地 北米北東部
カエデ科の落葉広葉樹
線状の木目を持つカーリー メイプル、うろこ状の木目を持つキルティッド
メープル、鳥の目のような玉杢を持つバーズアイ メープルなど。
サスティーンが少なく歯切れの良い音が出る。
昔のギターにはよく使用されたが、最近ではあまり使用されなくなってきた。
どうやら完成した時の見栄えがローズウッド系の材料を使用した方が
良いので取って変わられたらしい。
その他の マメ科の樹木として
アフリカン パドーク 原産地 西アフリカ
オバンコール 原産地 アフリカ 東南アジア
ウェンジ 原産地 アフリカ
ブビンガー 原産地 西アフリカ
また、ハカランダよりも高級品として
アフリカン ブラックウッド 原産地 アフリカ
などが使用されている。

アフリカン パドークの裏板
カエデ科の樹木として
ホワイト シカモア (グレート メイプル) 原産地 ヨーロッパ中部
ストラディ・バリウスがバイオリンに使用した高級品。
センダン科の樹木として
マホガニー 原産地 中南米 中央アフリカ
この材料はフォーク系のギターを造るのに多く使用されているようだ。
昔のスペインのギターにもよく使用されていた。
その他色々な材料が使用されている。
どの材料をとっても、イザ購入しようとすればそこそこの値段がする。
アマチュア製作家は、ギターを販売しているわけではないので、どんな材料
でも試す事ができる利点がある。
いずれ、建築廃材でヒノキや黒柿、ケヤキなども試してみたい。
つづく