ひさらのきまぐれ。

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虎・獅子・ライオン ―日本美術に見る勇猛美のイメージ(三の丸尚蔵館)

2010年07月22日 | 展覧会(美術館・博物館)
虎 竹内栖鳳 (六曲一双のうち)




久しぶりの三の丸です。

→宮内庁・三の丸尚蔵館 公式HP

そういえば今年は寅年だったんだなぁと改めて思い出しました。
年初は年賀状などで干支を気にしますが(ほぼそれだけ?)、半年も経つと忘れています。年末になるとそういえば来年はなんだっけ?とまたぞろ思い出そうとするという…。
そんな程度だと言いながら、年齢の話になると生まれ年の干支の話も出ることが多いですし。どことなく干支の動物に対する何らかの思い入れが染み込んでいるようです。

外国の人にこの干支を説明するのは大変難しいです。
守護聖人ならぬガーディアン・アニマル?というのとも違うし。
年だけでなく、時刻も方角もこれで示しますし。
いつだったか「馬とランチがどう関係するのか?」と聞かれたことがあります。
ランチ→お昼→正午→午の刻…確かに馬の時間だけれども。馬と弁当には何の関係もないわけで。説明に苦労しました。

さてさて展示は、虎とライオンと獅子という動物(空想含む)をモチーフにしたものを並べた、といういたって単純なものなのですが。
一緒に見学していたイギリス人にはなんで虎なのか?という大前提は全然理解されてはいませんでした。まぁ、作品そのものは楽しんで見ていたようなので無問題です。

ところで、今回あえて虎と獅子とライオンを並べてあったのですが。これまた「獅子」というモチーフをあえてここに入れてきたところが、混乱の元で((^^;;
作品名の英訳を見ると、唐獅子は「chinese lion」、”唐”がついてない単なる”獅子”の場合は「shishi」なんですよ。
獅子とライオンは違うのか、という。当然の疑問がわきますね。
今回の考え方で行くとこの二つを区別しているのですが、英訳で見るとchinese lionはshishiなわけで。
かなり混乱してました。

獅子は想像上の動物なので、実は虎でもライオンでもないのだけど。どちらに見える?と聞いたら、「タイガーだね」と笑っていました(笑

一応頑張ってみた説明。

中国で吉祥の文様として好まれた動物に、獅子というのがいる。犬のような大型の猫のような動物だが、想像上のもの。これが日本にも伝わってきて、獅子として定着。
虎は、日本にはいないので、中国から渡ってきた絵や毛皮を見て覚えた。伝わり方が間違って、虎がオスで、ヒョウがメス、つまり雌雄で柄が違うのだと思われていたほど。
実際どんな動きをするどんな動物かは分からなかったので、江戸時代の虎の絵は猫みたいだったり、犬っぽかったりする。当時の日本人にとっては獅子も虎も似たような想像上の動物だった。
ライオンは西洋の画集などを見て知ったようだ。

そのうえで、「獅子のことはなんと訳せば良いと思う?」と聞いたら「それはshishiでいいのでは?」という返事でした。
ふむぅ。言葉って難しいのぅ。

今、江戸城についての説明を英語化するのに苦労している私です。


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