廃油ストーブひまわり有限責任事業組合

経済的で環境にやさしい廃油ストーブ「ひまわり」をお届けします
組合員: MMS 水澤 章 & (有)工北サーモ 

2017年4月25日から2日間 モンゴル国ウランバートル市のS社に廃油ストーブの燃焼デモを行いました

2017-07-07 15:58:13 | 廃油ストーブひまわりLLP

  2017年4月24日夜、ウランバートル市のチンギスハーン空港に到着し、ホテルへチェックインしました。空港からホテルまではS社のAさんがマセラッティで送ってくれました。

 翌朝、S社を訪問しました。そのあとはウランバートル市の大気汚染削減庁の事務所(?)を訪問したあと、市内観光をしました。事前に送ってあった廃油ストーブひまわりⅢ(以下「廃油ストーブ」)の税関(?)からの受け取りに手間取っており、ただちに燃焼実演と排気ガスの成分測定ができなかったのです。夕方になって、市内のレストランでS社のG社長らと会食しました。

 翌日は、廃油ストーブの受け取りが終わって大気汚染管理局の研究室(?)に廃油ストーブを持ち込み、燃焼ガスの測定を行いました。研究室は、コンクリートブロックを積み上げた平屋です。そこでは、自動車の排気ガス分析も行っているそうです。測定装置は日本製で、様々なモードを選べるようになっていました。JICAが2013年12月から4年余りウランバートル市の大気汚染対策能力を強化するための大規模な支援プロジェクトを実施しており、そのときに導入された装置なのでしょう。測定者には現地の方が2名いらっしゃって、日本人のEさん(一般財団法人石炭エネルギーセンター)が測定モードの選択など、細かい指示を出してくださいました。
 
 測定対象は、排気ガス中の煤塵、窒素酸化物、硫黄酸化物、それと一酸化炭素です。測定は、窒素酸化物、硫黄酸化物、それと一酸化炭素については基準ガスで測定装置の校正を行うなど、あらかじめ決められた手順のとおりに実施されたようで、厳密さを感じました。測定者の皆さんはよく訓練されていて、きびきびと動いていました。

 燃料は、廃食油と廃エンジンオイルの2種を試しました。廃食油はAさんの奥さんが、廃エンジンオイルはAさんが用意してくれました。着火は、軽油を染ませたティシュペーパーにライターで火をつけて行いました。ウランバートル市内では、灯油が入手できないためです。

 最初に、廃食油です。軽油で着火するのは、今回が初めてで、消炎しないかどうか心配しましたが、うまく立ち上がってブルーフレームを形成するところまで行きました。15分くらいでしたでしょうか、燃焼が安定するまで待ってから測定してもらいました。

 回転燃焼を適用している廃油ストーブは、円筒の燃焼室の側面から強い輻射熱を発します。廃油ストーブは、煙突に接続するため壁際に設置したので、コンクリートブロックの壁が非常に高温となり、危険と判断されたので間に合わせのアルミ板で遮蔽しました。石炭ストーブではこうはならないのでしょう。測定が終わってから煤塵を捕集するフィルターを取り出して重量を測定していましたが、ほんの少ししかついておらず、測定者の一人は驚いた様子でした。

 次に廃エンジンオイルの燃焼を行いました。廃油ストーブは、消した後、筐体が少なくとも300℃以下まで冷えてからでないと、再点火は危険です。15分ほど待ってから着火しました。廃エンジンオイルには微量のガソリンが混じりこんでいるので、その燃焼温度は高温になります。非常にきれいなブルーフレームが現れ、排気ガスの温度も600℃以上まで上がってしまい、煤塵捕集用のフィルターを痛めないか、と懸念されたので、バルブを調節して、燃料供給量を減らして対応しました。

(測定データは、日本に帰国してから受け取ったものですが、廃エンジンオイルと廃食油の順に記載されていました。4つの測定成分はいずれの燃焼でもモンゴルの環境基準の概ね1/5以下であり、廃油ストーブは石炭ストーブよりもはるかにクリーンな燃焼を行えることが実証されました。注:TSP Total Smoke Particle)


 測定が終わったあと、ベンツのジープでモンゴルの国会議事堂に移動しました。モンゴルのB国会議員を表敬訪問するためです。廃油ストーブの事業展開にあたり、ウランバートル市内に敷かれている廃油の燃焼禁止令を解除してもらうためには、国会議員の支援が必要、ということでS社の社長Gさん以下3名とLLPの2名で訪問したのです。小畑からモンゴル語に翻訳したLLPの資料をもとに、廃油ストーブを使った暖房は石炭ストーブとの比較において、ウランバートル市の大気の浄化に役立つ、是非廃油ストーブを市内で燃やせるように規制を解除してほしいと懇請しました。B国会議員は、できる限りの支援をする、といってくださいました。



  そのあと、S社で打ち合わせを行い、チンギスハーン空港の近くのレストランで帰国の便の離陸すれすれの時間(深夜)まで酒を飲みながら談笑してきました。

今回の廃油ストーブの燃焼デモンストレーションは、北海道モンゴル経済交流促進調査会のご好意により実現しました。ここに謝意を表します。


(文責 小畑)



 



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