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ほら、だんだんと

2021-02-15 13:56:56 | うんちく


   知り合いの医療関係者が「いま開業して儲かるのは眼科と皮膚科」だと語っていました。
   特に眼科は、花粉症と近眼の激増と老眼の低年齢化で患者数も増加の一途だとか。



   近眼と老眼低年齢化の原因は、パソコン、スマホ、ゲーム機などの画面を至近距離で
   凝視することによる眼精疲労で間違いないでしょう。

 

 
   「テレビは離れて見なさい」という昔日の常套句がむなしく聞こえるほど、現代人は液晶を
   凝視し続けています。

   物心ついた時から液晶画面を近くで見てきた今の小学生にとって、「離れて見ろ」という
   指示は、ダイヤル式黒電話の使い方(当ブログ21年4月15日参照)がわからないのと
   同じくらい、理解不能なことなのかもしれません。
 


   しかし、離れて見ることは目にとってかなり重要なことなのです。
   太平洋戦争中、零戦のパイロットとして64機の敵機を撃墜し「撃墜王」と称された
   坂井三郎さんは、毎日遠くの看板の文字を見る訓練を続け、視力2.5を獲得したそうです。
   レーダーのない時代、誰よりも早く敵機を発見し、太陽を背にして先制攻撃をかけると、
   負けることはなかったと、本人の手記が残されています。

 

   また、魚群探知機が発達するまでは、遠洋漁業船でマストの上部に立ち、遠方の魚影を
   見つける「物見」に高給が支払われていました。
   いつも遠くの海や島を見て糧を稼ぐ視力を鍛えた人達が居たのです。



   ちなみに、6.0の視力で遠方の猛獣から身を守ったオスマン・サンコンさんは、
   「ギニアではさえぎるものがないから、遠くを見るのが日常だ」と語っていました。

   目の健康にアントシアニンやビタミンAが必要であることは当然ですが、それ以上に
   遠くを見ること、離れて見ることが重要なのです。


   近すぎると見えないことが、離れて見てみるとよくわかるのです。
   世の中のこと、組織のこと、相手のこと…。

   とりあえず、離れて見てみましょう。


   ほら、だんだんと見えてきますよ!

 


「国際人」になれない? 私は「酷差異人」?

2021-01-15 13:55:15 | うんちく


以前、韓国で働いているキムさんを日本に招いたことがありました。
初来日だというキムさんに、5日間かけて寿司、天ぷら、うどん、そば、とんかつ、
焼き肉、焼き鳥、ラーメン等の繁盛店をハシゴしてもらったのです。



韓国でも日本食レストランは増殖を続けており、ヘルシー志向で、懐に余裕のある
韓国人の支持を得ているらしいのですが、それらの味とどう違うのか気になって尋ねると、




「全部オイシイヨ」
「韓国の日本食レストランとの違いは?」
「ウーン、スコシ塩分とMSGガ強イネ」

MSGはグルタミン酸ナトリウム。昆布に多く含まれる旨味成分で「味の素」と
ほぼ同じと考えてもらっていい成分です。とにかく日本人はこの旨味に弱いのです。



それと、唐辛子の味でアクセントをつける韓国料理は塩分が低いことでも知られています。

滞在最終日、日本語を学んで2年目というキムさんに
「日本語のことなら何でも聞いてくれ」と豪語し、にわか日本語教室を開講しました。




「東京ノ発音ハ、トウキョウ?トーキョー?ドッチデスカ」
「うっ、…どっちだっけ」

最初の質問で、日本語教室は閉講となってしまいました。
そして、すぐに日本語歴15年の中国人に助けを求めたのですが、答えは明快そのもの。

「東京はトーキョー。トー、のように伸ばす発音は次の4つの場合です。
 母音がエ+イ、母音がオ+ウ、ユ+ウ、ヨ+ウ。だから、学生は、ガクセー。生協は、セーキョ─。
 慣れるまでは、常にこのパターンに当てはまるかどうかを考えながら話すのです」



なるほど、そんなルールで話していたのか。

日本食のしかけも日本語のしくみも、それらを客観的かつ体系的に評価できる
第三者に指摘されて初めてわかるもの。本当に勉強になります。



気を取り直し、再び日本語教室を開講するために件の中国人に教科書を借りることにしました。

「使わなくなった日本語のテキスト、貸してくれませんか」
「いいですけど、全部中国語で書いていますよ」
「うっ、…そりゃそうだ」

また恥をかいてしまいました。
当たり前のことを再認識することが、国際人への第一歩だと思った瞬間でありました。


黒電話ってご存知ですか?

2020-12-15 13:32:01 | うんちく

先日、腕時計型の携帯電話で話をする男性に遭遇しました。
そこがデパ地下だったことから、腕に向かって話をする男性は、完全に浮いていたのですが、
ウルトラセブンで見慣れたシーンだけに個人的に違和感は抱きませんでした。

むしろ、ちょっと羨ましさと憧れを抱いたほどでした。



2021年の電話を予想してたウルトラセブンはすごいですね。
鉄腕アトムだってダイヤル式の黒電話だったのですから。



そんな近未来から逆戻りするネタを見つけました。
小学館の知育雑誌「幼稚園」の付録に、紙で組み立てて作る公衆電話の模型がついたというのです。



本物同様に受話器を上げ、テレホンカードを模した紙を差し込むこともできるのです。
「親子で使い方を学べた」と好評だったというのですが、意味が今ひとつわかりません。



夜の公衆電話でこっそり女子に電話するも親が出て玉砕、というのは昭和のセンチメンタル話。

今や、小学生の77%が公衆電話を使ったことがなく、
「災害時や緊急時のためにも、おもちゃを通して公衆電話に親しんでほしい」
というNTTの企画らしいのです。



教育の対象になるほど公衆電話は減ってしまいました。

ピーク時の1984年には93万台だったのが、2020年には15万台。
市街地では500メートル四方に1台、その他は1キロメートル四方に1台の設置が
義務付けられているというのですが、最近は昭和レトロのテーマパークでしか見たことないような…。



まぁ、災害時にしか活躍しないのは悲しいのですが、使い方はしっかり学ばねば。

知人の娘さんは、2歳の時に実家の黒電話を初めて見て、
ダイヤルの穴を指で押していたそうですから。