「マニュアル車」復権! トヨタ「86」火付け役、ベンツも21年ぶり投入
乗用車のマニュアル・トランスミッション(MT)車がじわり存在感を高めている。
トヨタ自動車が昨春、13年ぶりにMT車のスポーツ車を投入し、
団塊世代の購買意欲を喚起するなど計画を上回る販売となり、輸入車などで追随する動きが出てきた。
◆団塊世代から支持
メルセデス・ベンツ日本は先月、2人乗りオープンカー「SLKクラス」にMT車モデル(493万円から)を
追加発売した。MT車の投入は21年ぶり。その理由について「要望が多かった」(担当者)という。
MTの人気の火付け役は、トヨタが昨年発売した小型スポーツ車「86(ハチロク)」だ。
業界関係者は、ベンツのMT投入も「ハチロクがオールドファンから支持されていることの影響」と指摘する。
ハチロクの発売からの累計販売台数は10カ月間で2万6千台と、
月間販売目標1千台を大きく上回っている。共同開発した富士重工業の
「スバル BRZ」も5600台を販売。発売直後のMT車受注率はハチロクで6割、
BRZで7割に上ったという。
また、ホンダが昨年9月に発売したハイブリッドのスポーツカー「CR-Z」も、
「全受注のうちの25%程度がMT車」(開発者)という。
クラッチやシフトチェンジなどMT車特有の操作は、団塊世代が20代のころには
「運転技術の高さで格好良さをアピールできる絶好の機会だった」
(大手自動車メーカー首脳)。
しかし、若い世代を中心にMT車は「運転が疲れる」などとの声は根強い。
自動車教習所の日の丸自動車学校(東京都目黒区)では、
かつて過半数を占めていたMT車の受講生比率は、現在では3割程度まで落ち込んでいるという。
◆若者引き付けカギ
「AT(オートマチック・トランスミッション)車は操作が簡単な上、
教習料金や時間がMT車より安く少ない」(担当者)といい、
MT車が本格復活するには若者に運転の楽しさを伝える工夫も必要だ。
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