手術後

夜中は・・何度も何度も・・口から『血』を出していた。

片方の鼻が完全にガーゼでふさがれ・・テープで
鼻の穴に蓋されていた・・

そのガーゼから溢れた『血』が・・
テープの隙間から垂れてくる・・

何度も何度も・・血を拭う作業・・

そして「小便」

えっと・・尿瓶なんです

頭を起こしてはいけないといわれているので・・

寝た状態での・・・「おちっこ」・・

尿瓶初体験の康平・・

ボーーッとしてるから
出るかなぁ～と思っていたけど・・

出ない・・

「シィーーーーーーッ・・・シィーーーーーッ」と私が言ってみた・・
小さい頃は・・こう言うと・・トイレでおしっこ・・したもんだ

それでも出ない

お腹は「パンパン」状態・・・
看護婦さんに相談したら・・
「洗面所の水を出して・・水の音・・聞いたら出ませんかね」

・・・・・そんなんで・・出るかいなっ

一応・・挑戦・・

やっぱりね・・・出ないよ

えーーーいっ！ダンナの手術で経験済みだ！！

ここまで頭がしっかりしてんだから！！

座ってみよう・・

出ない・・・やっぱり・・・

男は立った状態にならないと・・出ないんだ！

「立とう」

勝手に・・康平を立たせて・・・




スッキリさせた！

400ccも出たじゃん・・

ダンナは11時まで一緒にいてくれ・・1度目の「おちっこ」に
立ち会った後・・帰宅・・

その後・・2度の・・おちっこで・・1Ｌも出しました。

元気だなぁ～～

2時ごろ
「お母さん・・・眠れん」

「どーした？」

「体・・しんどいけど・・眠れんくなった・・眠れる薬・・飲みたい」

「そんなん・・無理やっ・・康平。。眠れんなら・・無理して寝ようとしられんな・・目・・開けとればいいよ」

「うん・・・」

「どこか痛い？」

「鼻・・・・でも大丈夫・・・なんかね・・寝とるがが・・体・・しんどい・・
起きたい・・」

「じゃ・・ちょっと・・横向きになってみる？」

「あ～・・横向きもしんどい」

「目あけて・・・ボーとしてみられ」

「わかった・・・・・」

そう言って・・すぐにまた寝てしまった・・

翌朝、康平に手術後の事を聞いてみたけど・・

全然・・覚えてないんだって・・・

甲子園連れて行くからね！は・・

普段・・口に出したことありません・・

心の中で思っていた事が・・朦朧としていたときに

喋ったんだね・・

麻酔って・・自白させる時にも使うことがあるってきいたけど・・
自分が頭に思っている事・・自然に喋ってしまうんだね・・


悪いことはできない

一夜が明けて・・・午前のうちに鼻のガーゼも取り除かれたら

かなり『楽』になったみたいで・・

朝はおかゆだったのに・・
昼は「フライドチキンとスパゲッティ・・メロン」
いきなり・・豪勢なお食事

ペロリと全部を食べたよ・・

監督がまた・・顔を見に来てくださいました・・

「元気そうだ！よかった！大丈夫だなっ！」

担任の先生も・・

その時・・私は康平のベットの隅を借り・・
爆睡

先生の「起こさなくていいよ」の声で目が覚めた・・

「あっ・・先生・・すいません・・」
「あっ・・お母さん・・寝てていいですよ」

「あ・・そうですか・・それじゃ・・そうさせていただきます・・」

なんて・・言えるわけないじゃん・・

先生は「随分・・普通の顔になったなぁ・・なーーんだ・・おもしろい顔を期待して顔見にきたのに～」

って・・・3人で・・大笑い
「康平・・残念やったなぁ・・どーやら・・英語のテストは受けんなんらしいぞー」

「えっ・・そうなんですかぁ～」

丁度・・期末テストの期間中の入院＆手術・・

先生は・・無理しなくていいよ・・中間テストと普段の康平の態度で
見込み点で通知表をつけるからって・・

1教科も受けなくていいんだ～なんて・・のん気に考えていたけど・・

どーーやら・・英語のテストが待っているようです・・

夕べは野球部の仲間が数名お見舞いに来てくれました。

益々・・元気になりましたよ！

康平の点滴している姿に皆・・引き気味でしたが・・

点滴が終ったら・・みんなで「ティルーム」で楽しく2時間ばかり・・お喋り

手術の前日にも仲間が見舞いに来てくれて・・
たくさん・・元気を貰いました

部長先生も・・事故以来・・初めて顔を見に来てくださり・・

「おーーっ・・随分・・回復してますね」

あのひどい醜い顔を知っている・・唯一の先生・・

一番・・・回復度がわかる先生ですね・・

「すごいな！！明日・・退院ですって？？スゴイなぁ」

7月5日の抽選会にも出席出来そうです。

どーせなら・・この際「1番」ひいて

選手宣誓でもしたらどーだ！ってみんなに言われ・・


ホンマに・・それもいいなって・・考える母・・

さぁ～～てと・・・
「おなら部屋」から脱出させるために・・

迎えに行ってきましょうかぁ