頂き物銀誕小説「星座占い」

素敵サイト「きょうはいいてんき」様より、銀誕小説頂いてきました！

銀さん可愛いわー?、土方さん悲劇だわーでどんでん返しの楽しいお話です（＾＾）。

みいこさま、どうもありがとうございました！！

 

 

 

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　　　～星座占い～


俺、坂田銀時の朝は、
結野アナを見て幸せになることから始まる。

『それでは結野アナのブラック星座占いです。
今日一番ツイてない方は天秤座のアナタです。
今日は何をやってもうまくいきません。
特に、天パーで銀髪の方。
今日の恋愛運は最悪です。
愛する人と女性が原因で大喧嘩になるでしょう。
幸運を切り開くラッキーアイテムは婚礼衣装。
男性は紋付袴、女性は白無垢で、
いつでもゴールイン・スタンバイにしておきましょう。』

「銀さん、なにか冠婚葬祭でもあるんですか？」
いぶかしげに新八は銀時を見つめながら言った。
「いや、なにもねえ。」
ほんと、なんでもねえ。
ちょっと、ちょっとだけ、なんというか。
「朝の占いを気にしてるアルヨ。」
「占い？あの結野アナの？」
新八の問いに神楽が答えた。
「そうアル。愛する人と大喧嘩・・・。」
「ち・がーう！！！！」
ちがう、ちがう、そんなんじゃないもんね。
別に、そんなこと気にしてるわけじゃないもんね。
「ああ、それで、もしかしてラッキーアイテム？」
銀時をちらりと見て新八は続けて言った。
「土方さんと喧嘩しないよう・・・・。」
「だ・か・ら、違うって言ってんだろーが！！」
銀時の否定の言葉を無視して、神楽が言った。
「紋付袴着て、『ゴールイン・スタンバイ』アルヨ。」
「なんのゴールイン！？」
完全に羽織袴でいる銀時の叫びは、あまりにむなしいものだった。
「あんなに喧嘩ばっかりしてるのに。」
「占いによると、『女』が原因になるらしいヨ。」
新八と神楽の視線が銀時に突き刺さる。
いや、だからね。
ほら、何言っても、土方ってかっこいいから。
って、それじゃあ、自分の彼氏自慢？
いやいや、そんなことないから。
でも、いや、なんとなく。
なんとなく。
「『女』の影が、心配なんですねえ、銀さん。」
「心配なんかしてねーし。」
信じてるよ、土方。
でも、ま、一応ね・・・。
銀時は二人から目をそらし、頭を抱えた。

「あ、なんか、事件アル。」
テレビを見て、神楽が言った。
銀時が抱えていた頭を起こした。
真選組の隊服が映る。
かなり現場は混乱している風だった。
銀時はテレビを無言で見つめる。
『かなり怪我人が出ているもようです。』
結野アナだ。
昼間の臨時ニュースでめずらしい。
『テロの犯人は捕まえられましたが、一般人も巻き込まれています。』
テレビ画面に見知った姿が映った。
土方だ。
怪我もなく元気そうだ。
銀時の顔に軽く安堵の笑みが浮かぶ。
『テロを未然に防げなかった責任は真選組にあると思いますが。』
結野アナのマイクが土方に向けられた。
『勝手に映すんじゃねえ！！』
土方の声とともに映像に映ったのは、
結野アナを今にも蹴とばそうとしている土方。
『あっ、暴力は・・・』
そして、結野アナの制止を聞かず、カメラを張り倒す土方。
「銀さん・・・？」
銀時の拳が震えていた。
「銀ちゃん・・・？」
神楽と新八の見た銀時は、
まさに、夜叉だった。

「土方さん、今日は、がんばってくださいね。」
夕方、玄関口で、万事屋を訪れた土方に新八は言った。
「まあ、女に暴力は、みっともないアルヨ。」
神楽も土方に声をかけた。
「それじゃあ。」
「銀ちゃんのこと、よろしくネ。」
そう言って新八と神楽は出かけて行った。
「いったいなんなんだ。」
土方が一歩、万事屋に入ると、
そこには、怒りで形相を変えた銀時が仁王立ちしていた。
「ぎ・ぎんとき？」
思わず、土方は一歩下がった。
「逃げんじゃねえよ、土方。」
「に、逃げるつもりはねえよ。」
「てめー、よくも結野アナに・・・。」
「結野アナ？」
土方は、ちょっと考えて、昼間の自分の所業を思い出した。
「結野アナを蹴りやがって、許せねえ！！！」
「ま、待て、銀時。」
「待つか、このヤロー！！」

『愛する人と女性が原因で大喧嘩になるでしょう。 』

「わるかった、銀時。」
「二度と、結野アナいじめんじゃねえよ、土方。」
「わかった、わかった。」
「部屋も一緒に片づけてくれよな。」
「わかった。でもその前に、俺の傷の手当させてくれ。」

日付が変わるころには、
怒りもおさまり、仲直りして幸せになるでしょう。