
11/18 素敵サイト「銀色の月赤の太陽」の千夜さまより、くるくる銀侍1000万アクセス記念に頂戴しました!
千夜さま、ありがとうございます!!!
幻想的な素敵なテキストに痺れました(#^.^#)!!
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透明な楽園
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森の奥深く、小さな泉をゆらりゆらりと漂う小舟。
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木々が其処だけ開け、満天の星空が水面に映り、周りには草花が生い茂る。
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許されないと知っていた。
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それでもいいと手を取った。
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小舟の中で黒き髪と衣をまとった騎士と、銀の髪に白く薄い神官の衣装を纏いし、
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共に美しい青年が抱き合い、幸せそうな微笑みを浮かべて横たわる。
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数時間前に呑んだ毒がジワジワと体をむしばみ、眠りにつく数秒前。
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「愛してる、ギン」
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蒼い瞳が優しく語りかける。
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「愛してる、トウシロウ」
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紅い瞳が嬉しそうに見つめる。
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声は何も聞こえない。唇だけが紡ぐ音。
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この世で一番静かで激しい告白が、無音の世界に一瞬だけ色を付け消えた。
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二人の呼吸が止まった時、空に無数の星が流れ。
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波紋ひとつない水面を銀色に染めた。
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まるで小舟を天の河に運ぶように。
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星は降り続け、小舟はゆっくりとたゆたい、姿を消した。
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それは遥か昔の、語られぬ事のない一つの物語。
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完。<o:p></o:p>
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